１、法華経の結経…仏説観普賢菩薩行法経（昭和45年4月29日発行『浄妙世界』第１号より）
☆煩悩を断ぜず五欲を離れず
『是の如きを我聞きき。一時、仏、毘舎離国・大林精舎・重閣講堂に在して、諸の比丘に告げたまわく、却って後三月あって、我当に般涅槃すべし。尊者阿難、即ち座より起って衣服を整え、手を叉へ合掌して、仏を遶ること三
して、仏の為に礼を作し、胡跪し合掌して、諦かに如来を観たてまつりて目暫くも捨てず。長老摩訶迦葉・弥勒菩薩摩訶薩も亦座より起って、合掌し礼を作して尊顔を瞻仰したてまつる。時に三大士、異口同音にして仏に白して言さく、世尊、如来の滅後に如何してか衆生、菩薩の心を起こし、大乗方等経典を修行し、正念に一実の境界を思惟せん。如何してか無上菩提の心を失わざらん。如何してか復当に煩悩を断ぜず五欲を離れずして、諸根を浄め諸罪を滅除することを得、父母所生の清浄の常の眼、五欲を断ぜずして而も能く諸の障外の事を見ることを得べき。仏、阿難に告げたまわく、諦かに聴け、諦かに聴け、善く之を思念せよ。如来昔、耆闍崛山及び余の住処に於いて、已に広く一実の道を分別せしかども、今此の処に於いて、未来世の諸の衆生等の大乗無上の法を行ぜんと欲せん者、普賢の行を学し普賢の行を行ぜんと欲せん者の為に、我今当に其の所念の法を説くべし。若しは普賢を見、及び見ざる者の罪数を除却せんこと、今汝等が為に当に広く分別すべし。阿難、普賢菩薩は乃（すなわ）ち東方の浄妙国土に生ぜり。』（以上経文）
仏教の教理は、非常に深淵なるものなるが故に、一般世人のわれわれは、容易にその真実義を把握することが出来難いのである。かてて加えて、今より約七、八百年前の鎌倉時代（日蓮・親鸞・道元等の時代）は、八宗十宗といわれていたのに、今日は世界の新旧宗派が入り乱れて、その数は現在文部省の認証を得ている教派だけでも、すでに四百を超え、五百にもなんなんとしている盛況であるにもかかわらず、世相は個人の生活も、世界の状勢も、日と共に険悪緊迫を増す一方のようであります。
☆宗教は、砂漠の〝オアシス〟
そもそも宗教は、砂漠の〝オアシス〟であるはずである。真正なる宗教の信仰は、末世の人々の物心両面の生活に大いなる潤沢を与えるものであることを、み仏はその経典のいたる所に、み声をからして叫んでおわすのであります。
吾人は疑うことなく、この教勅を信じ奉るのであるけれども、現実の世相は悲しいかな、前に述べた如くであって、多くの大衆は或いは如何に信じ、何を仰ぐべきかに昏迷し、或いは信じつつもなお大いなる疑惑を抱かざるを得ない今日の世相であります。
２、九十九里御本営建立はすべて仏旨…大御本尊開顕…昭和30年12月
☆20世紀後半は統一宗教出現
多くの大衆はあるいは如何に信じ、何を仰ぐべきかに昏迷し、或いは信じつつも、なお大いなる疑惑を抱かざるを得ない今日の世相であります。
私達教団は、この昏迷と暗黒の世相に、み仏の炬火を灯さんとして、昭和三十年十二月に、宗教生命である大御本尊が開顕され、ついで三十二年にこの九十九里の浜をばこの大御本尊様の御住処と定め、五年前にささやかなれど、この御本営が建立されたのであります。すべて仏旨による所であることは申すまでもありません。
仏滅後約三千年の今日、御本営建立五周年を記念して、吾等の信仰の主経典である前号に掲載の「仏説観普賢菩薩行法経」の教勅を中心に、わが教団の思想を教義面および実生活面から啓発していく目的で、会誌『浄妙世界』を刊行する事になりました。同信諸氏はじめ所縁の人々の心の糧になれば、幸いと存じます。
さて、二十世紀の後半期が、全ての宗教を包摂統一した真実なる新しい宗教の勃興する時であることは、み仏のご予言に照らしても明らかでありますが、私は今日こそその芽萠えの時であると信じて疑いません。この真実にして新しき統一的御本尊が、これより〝天の岩戸を開き給い〟今の暗黒の世界の個人、家庭、国家社会の全てを救い給うために君臨される〝南無先祖
養道〟であります。☆南無先祖
養道は諸法の王この『南無先祖
養道』は、よく在来宗教に見られた、単なる観念道徳でも称名でも、題目でもなく、われら十方法界一切衆生の久遠無窮、広大無辺なる『生命の綜合本願の霊体』であり、言わば、〝生きた仏様〟の御宝号であります。即ち、妙法蓮華経如来壽量品に説示したもう『如来秘密神通力』を産むところの御本体であられます。
故に、『南無先祖
養道』は正法実義であり、諸仏と諸法の王であり、前号の経文に示された大乗方等経典の修行、即ち、全世界一体生活実践時代における、大和と楽土を産み出したもう『大宇宙生命の源体』でおわすのであります。これ即ち、現代の『神』であられ、『仏』であられるのであって、この神、この仏によって、地上の天国、浄妙大和の楽土が現出せられるのであります。換言すれば、『南無阿弥陀仏』『南無大日如来』『アーメン』『アラー』『南無妙法蓮華経』等々の御本尊を、全て包含し、統摂するところの〝根本御本尊、根本父母様〟であらせられ、更に申せば、前記の各御本尊は、例えば、太陽の出る前の月明かりか星明かりに外なりません。
３、南無先祖
養道こそ統一ご本尊…他の本尊は星あかり☆南無先祖
養道の活用前記の各御本尊（アーメン、南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経等）は、たとえば、太陽の出る前の月明かりか星明かりにほかならず、『南無先祖
養道』の真実霊体なる『統一御本尊』が出現されるまでのいわば予備的、暫定的、または一時代的、一地域的な御本尊であられたのであります。しかして、この『南無先祖
養道』を礼拝し、実践する者には、自然に、まことに自然に三世の諸仏ならびに世界各宗祖が昼夜に守護したまい、不可思議な霊験功德をお示し下さるのであります。これは決して我田引水の私説ではなく、経文によって明らかなばかりか、今日まで無数の実例によって実証されている厳然たる事実なのであります。
☆21世紀のノアの箱舟…《南無先祖
養道》今春来日された瑞典（スウェーデン）の世界的経済学者Ｋ・グンナー・ミュルダー博士は、その講演の中で、「現代の科学技術の発達は、〝人類の進歩と調和〟に逆行しつつある。核及び生物化学兵器、各種公害、及び医・食・農の薬害の増大などがその要因で、このままで進めば英国の故Ｂ・ラッセル卿の〝 21世紀に人類が生き残る可能性は50％〟という警告は今や楽観に過ぎ、〝…０に近い〟という学者が多くなった」と述べている。
人類を滅亡に導こうとしているものは、これら物質的因子とともに、それ以上に恐るべき精神的因子がある。本来最も深い因縁に結ばれ、相互に提携・協力し、互助・共栄して行くべきいわゆる唇歯輔車（しんしほしゃ…もちつもたれつ）の関係にある人・組織・団体の間を妨げ隔てている断絶・不信感、対立・抗争である。
身近には夫婦・親子・兄弟、師弟・労使、医者と患者、米作農民と米食者、大きくは地域的・経済的・軍事的に隣接する国家の間にある。
☆今日の混乱状態は既存宗教が原因
その原因は、本来これら両者を結び合わせる絆、共に支える土台となるべき宗教・道徳が、老朽腐蝕して今日の時代に適合しなくなっている。封建専制政治の下で生まれ、あるいは作りかえられた倫理観が民主主義時代の現実には役立たなくなっている事である。否その民主主義そのものさえ反動的・一時的なもので、恒久的・理想的なものとは思われない。そのモットーとする自由は放縦と、平等は無秩序と、個性は自我とはき違えられて、今日の支離滅裂の混乱状態を現出しているのが何よりの証拠である。
この混乱の収拾には、新宗教、道義観、世界観の確立以外に途はない。
４、新しい時代には新しい宗教、道徳を！…新しい道義観…治病
養道今日の支離滅裂の混乱状態を収拾し、この対立・抗争を解消し、そして発達せる科学技術を正しく指導制御して世界人類を滅亡から救い、平和と幸福を招来するためには、新しい時代と現実に即し、正しく人類を導いて、根本的に人・家・社会・国家・世界の建て直しをなすべき、新しい宗教・道徳に基づく新しい道義観・世界観の確立以外に途はない。それを念願し志し、実行せんとしているのが、われらの〝南無先祖
養道(宗教)に基づく浄妙大和主義〟(世界観)である。☆医師と患者の新しい関係
新しく医者と患者を結ぶ
〝南無治病
養道〟「医は仁術」は昔の夢、今では「忍術｣「算術｣の悪評の上に、本年正月の一斉休診スト以来、｢戦術｣の汚名まで一枚加わった。｢医者は治すのが商売金を払えば借りはない」という患者の恩義不感症にも責任の一端はある。
ともかく、今日の医者と患者の冷たい関係は、いくばくの医療費の値上げや差額ベッドの撤廃ぐらいでは改善の余地はなく、いまさら「仁術」の復活は幻想に過ぎない。結局、〝南無先祖
養道〟による新しい道義観によって、医師と患者の間柄の根本的建て直し、結びつきの緊密化を図る以外に良策はない。名づけて〝治病養道〟。その基本的な考え方と具体策は次の通りである。袖すり合うさえ他生の縁、生命を預けまかされる医師と患者の因縁は、過去・現在・未来の三世にわたる根深いもの、大方一族血縁関係があり、どちらかが祖先の生まれ変わりか、子孫に生まれ変わる運命にあり、あるいは他生で治し治される者の立場が逆の場合が多いという心霊学説は、因果の法則に照らしても信頼性が高い。
これを迷信とあざける者も治療と経済の別こそあれ、現に相互に助け合う関係にあることは認めざるを得まい。それを患者だけがいつも頭を下げ、医者はいつも殿様という法はない。
具体策は、診療にあたり、左の如き慣習を作るべきである。
まず診療前に双方互いに礼拝(合掌が望ましい)する。患者は「お願いします」。医者は「かしこまりました」。患者の礼は言わずもがな、医者の礼は、自分を選んで治療を委(ゆだ)ねる患者またはその家族の厚意と信頼に感謝し、その期待に応えて全力を尽くす誓いの意。
診療後再び双方礼拝する。患者は｢ありがとうございました｣。医者は｢どうぞお大事に｣。医者の挨拶は、至らざるを謝し、予後の節制と養生を頼み、速やかな全快を祈るの意。
５、お互いに礼拝が基本…医師も懴悔滅罪の誓いを
☆ご宝號（南無先祖
養道）で治病効果あがる診療後再び双方礼拝する。患者は｢ありがとうございました｣。医者は｢どうぞお大事に｣。医者の挨拶は、至らざるを謝し、予後の節制と養生を頼み、速やかな全快を祈るの意。 これに先立ち、患者は近所の評判や経歴・人物調査などで、これはと思う医者を選び、結婚記念日か夫、妻または子の誕生日などに一家そろって健康診断を受け、家庭医を依頼懇請する。
爾来毎年その日に必ず健康診断を継続し、罹患受診の有無にかかわらず、盆暮れに謝礼の挨拶に伺う。
これに対して、医師は詳細なる健康診断及び診療記録を保存して、将来有事に備え、一年に一度は季節の病気予防法、保健衛生の心得などを自ら執筆し、印刷した小冊子にその家族の特に守るべき注意事項などを付記して、配布進呈する。これで医師と患者の間柄は、親密になること請け合いである。本当はこれにさらに左の二つの前提が加われば申し分ない。
一つは、医師患者とも〝南無先祖
養道〟に入信し、朝夕ご宝號を唱え、誠心に懴悔滅罪を誓うこと。神仏の加護を得て、治病効果成績の速く高きこと驚くに足る。二つは、医療制度の全面的根本的改革を図ることである。 （おわり）
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