一切の人を視ること猶お佛の想の如くし、諸の衆生に於て父母の想の如くせよ。（仏説観普賢菩薩行法経）(説明)…妙法蓮華経譬諭品第三(化城諭品第七にも「衆生の父と爲って」とあり)に「我はこれ衆生の父なり」とありますが、仏様にしてみれば、一切衆生(人間も含む全生命)は「我が子」という想いです。つまり、仏様の想いと同じように、すべての生命の親であるという気持ちになりなさい、また、すべての生命は自分の親だと思いなさい、ということです。「猶お」というのは、背伸びをしてでもその気持ちを作りなさい、ということです。この経文は非常に重要な経文です。
《恩師のご解説》…（本教団の主経典、大乗方等経典「要結」14ページ）
（イ）視一切人猶如佛想…
（ロ）於諸衆生如父母想…
是の経文(教誡…みおしえ)は、佛陀五十年にわたる多くの経典中、妙法華結経・仏説観普賢菩薩行法経(即ち仏陀八十才で御入滅される年の一月一日より二月十五日〈御入寂の日〉の間に説かれた)に於て、現代の最悪の世相(五濁の末世)のわれら凡夫(即ち大衆救済)のための、もっとも重要な御教誡の一節である。
因に日蓮大聖も、是の〝普賢観〟が無ければ〝法華〟は結成しないとまでに仰せある程の重要な御教誡の一節である。而してその意に〝二義〟あり、初心者のために、訓読を併せ左に略解する。
（イ）(視一切人猶如佛想)の一般の訓読は、
『一切の人を視(み)ること猶(なお)佛の想(おもい)の如(ごと)くせよ』と読むのであるが、このみ教誡の〝文上の義〟(意味)は、
すべての人は凡夫ながらに、みな佛の〝み子〟であるからには、当然この自分も佛の〝み子〟である。
だから、この自分は〝佛さまの〟み心をば心として、所縁のすべての人に対して〝佛のみ想いの如くに〟慈愛の心をもって人に対せよ、と。
次に、このみ教誡(おしえ)の〝文底の義〟(意味)は、
すべての人は、実にみな佛さまの〝み子〟であるのであるが、此の肉眼で視(み)るところのその人は〝凡夫〟でしかない。けれども、その人の内在するところの、本来なる性能は、佛さまと全く同様(如き)の性能を内蔵しているのであるから、決して決してただに凡夫とのみは視ることをせず、人は現には凡夫であるけれども、その〝實の〟本質においては、〝佛さま〟と全く如(おな)じであるの想(おも)いをもって人を視(み)よ、といましめ、おしえたもうのです。
(注)…☆五濁…劫濁（時代の濁り…戦争や疫病、飢饉が多い）、見濁（思想の乱れ）、煩悩濁（貪り、怒り、迷い）、衆生濁（人間の資質の低下）、命濁（生命が非常に危険にさらされ、寿命が低下）の五つのけがれ。
（ロ）(於諸衆生如父母想)の一般の訓読は、
『諸(もろもろ)の衆生に於(おい)て、父母の想いの如くせよ』と訓読する。
この教誡の〝文上の義〟(意味)は、諸の衆生…即ち凡ての人は申すまでもなく、森羅万象…空気も水も、畜身、畜虫、草木、一粒の米麦、一匹の魚、貝、一枚の紙、一本のマッチ…すべての物は一切が生命(佛)の世界からのものである。このわれのみが生命の体(たい)では決してない。
その時、われなるこの人間は、万物の霊長であるとばかりに、いわゆる権力的な想いで、この諸の衆生に対処するのでなく、むしろ萬物の中心的存在として、例えば多くの子を持つ、その父母の如き慈愛の想いを以て諸の衆生に対処せよ、と。
次に、このみ教誡の〝文底の義〟(意味)は、これらもろもろの衆生(万物万象)によってもって、わが生命をば保養しているという事実は、例えば、わが父母によって幼きわが生命が保養されているという事とおなじ(如)であるから、これらの万物万象は即ち、実には外ならぬわが身をば保養したもう父母である。
われを養育の〝父母〟そのものと全くおなじ(如)であるという想いをもって、これら諸(もろもろ)の衆生(即ち万物万象)に接せよと、いましめ、おしえたもうのであります。
その時この事(是の心…是の精神)が漸々(ぜんぜん)に、是の教誡をば、現代の〝五濁悪世〟の世相の中で、われわれが生活の上で日々に永く持続して、その想いとその念を忘れない時、
その時その修行者(信仰者)は、あらゆる病(四百四病といいます)、あらゆる貧(物心両面にわたる)、あらゆる争(内憂外患すべての)というわれわれ人間界にとって、もっともいまわしき、これらの三悪をば脱却して、やがては確固たる、平和で安穏な不動、不絶の人生をば、此の地上で獲得できる、その第一の関門をば見事に乗りこえた人と相成ると言うのであります。
この事を経に云く、
『是れを始めて普賢菩薩を観ずる最初の境界と名く』と。(三部経P398)
…〝普賢ボサツ〟とは、この修行者(この実践者)その人である。これを観とはいう。
『此の人は慚愧(ざんき)の服を著(き)、諸佛に護助せられ』と。(要結P40)
…即ちこの修行者(信仰者)に対しては、諸佛が昼夜に護助したもう故に、無量功德、不思議力(超能力的)が、その人の人生生活に現前する、と。
『法眼浄を得』と。(要結P40)(眼に五種あり、肉眼、天眼、慧眼、法眼、佛眼)
…われわれ凡夫の肉眼が漸進(ぜんしん)して、万事万象の真実性を達観する能力を把持(はじ)でき得る境地に、やがて到達し得るが故に、われら是の信仰者は必ずやがて、確固不動の人生を獲得する事ができると、佛さまは、のたもうのである。しかして最終的には、われわれ人間でありながら、やがて〝佛と成る〟境地に到達し得ると、のたもうのであります。
この事(じ)を第二の懴悔法を修すと名づく。
孝養父母
南無先祖
養道 是名修第二懴悔法恭敬師長
(注)…懴悔とは、佛旨に随順して常に自らを慚愧して、正なる道に精進努力することを言う。
…第二とは順番でなく、理論でなく、実践することを言う。(一九八○年四月二十九日) 常不軽台学 合掌
……(注釈)……
☆ 把持(はじ)…手にしっかりと持つ。
☆ 漸進(ぜんしん)…次第に進歩する。
☆ 慚愧の服を著(ざんきのふくをき)…「漸」というのは、内に省みる事であり、「愧」というのは、他の人と比べてみること。自分と他の人と比べてみて、菩薩方と比べてみて、友人と比べてみて自分はこれで良いとか悪いとか、内省する。これを漸愧の服を著たという。故に諸佛に護助せられる。
(1)我身如来…一切の責任は自分にあるという事。人生の創造主は自分自身。自分なるものの尊さ。
(説明)…生命の真のあり方のページの絵図をご覧になると、先祖にとっても子孫にとっても、その中心は自分であることがわかります。自分が中心であるだけでなく、自分の人生のすべて（家庭的、経済的、肉体的にも）にわたって、自分がその決定者であり、創造主であるが故に、自分というものが尊いということです。
先祖の成仏も子孫の繁栄もすべて自分次第です。天上天下唯我独尊（各自、自分というものがもっとも尊い）です。自己の一念が自己の人生のすべてを決定するが故に、自分が人生の創造主です。その自分は生まれ変わり死に変わり、遠い過去世から自分の人生の決定者であったということを「久遠本仏・我身如来」といっています。
(2)我が生命の真のあり方…宇宙の全生命は一つにつながっている。各自自分自身がその中心。彼我一体。
(説明)…私達夫婦の１代前には４人の祖親がいて、２代前には８人ですが、これを20代前にさかのぼると、実に２00万人以上になり、さらに32代前になると、約86億人となり、一躍世界の人口をこえます。しかし逆算すると、元の自分たち夫婦ないし自分一人となります。
これは、自分という生命は父母、祖先を通して神（宇宙の生命の総合体）と一体であり、すべての生命とつながっているということを示しています。
つまり、彼を傷つけることは、自分を傷つけることであり、彼を大事にすることは、自分を大事にするのと同じこと…彼我一体であることがわかります。
そしてまた、こういうことも考えられます。人間が生まれ変わるということを前提にした話ですが、私（倉田 修一）の過去世は、中国の南方系の生まれだ、と恩師に言われたことがあります。
そうすると、普通に考えると、中国に私の子孫が生きているということになります。同じようにあなたの前世がアメリカ人やイラク人だったとしたら、そういう国々で、普通は結婚生活をして子孫を残してきているわけですから、あなたの子孫がそれらの国々で現在生きていることになります。さらに、人間が人間に生まれ変わるとは限らず、犬や猫、あるいは牛や馬にも生まれ変わることはあり得ますから、他の動物にも自分の子孫が生きていることが考えられ、他の動物ともつながっていると言えます。（ちなみに、私の恩師は、この地球上に初めて肉体生命を持った時は、虎として生まれたとお話されたことがあります。）
このように考えると、世界中が自分と血がつながっているということになります。仮に人間の生まれ変わりを考えなくても、32代前の先祖が約86億人となるので、全生命が含まれていることになります。つまり、全生命が自分の先祖だということになります。
あなたは自分の子孫の住む国に爆弾を落とせますか？ 普通はできないでしょう。
この『わが生命の真のあり方』こそ平和の母体であり、世界が一つになる思想です。このように、自分のまわり全てが自分の父母であり、自分の子孫だと考え、お互いにお互いを礼拝、尊重していくことを仏説による父母孝養・師長恭敬といいます。21世紀はこの地球を一つにする思想が必要です。21世紀はこの仏説による父母孝養・師長恭敬が地球の標準思想になることは間違いないと私は思います。
以上のような思想が根元となって、地球生命の一体化…真の恒久平和が生まれます。詳しくは恩師紹介のページから、『あなたへのお手紙（わが生命のまことのありかた）』をダウンロードしてご覧ください。なお、生命の真のあり方のページの絵図の原形は、恩師の常不軽台学先生が天授開顕されました。
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