訓譯 妙法蓮華經並びに開結

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【２】-(4)　妙法蓮華經

妙法蓮華經五百弟子受記品第八
　　　　五百弟子受記品第八 (P183〜)
爾の時に富樓那彌多羅尼子、佛に從いたてまつりて是の智慧方便隨宜の説法そ　　とき　 ふ　る な み た　ら に し　ほとけ したが　　　　　　　　　　 こ　　ち えほうべんずいぎ せつぼう
を聞き、又 諸 の大弟子に阿耨多羅三藐三菩提の記を授けたもうを聞き、復き　　　またもろもろ だいでし　　あのくた ら　みゃく　ぼだい 　き　 さず 　　　　　　　き　　　また
宿世因縁の事を聞き、復諸佛の大自在�~通の力ましますことを聞しゅくせいんねん じ　　き 　　またしょぶつ だいじざいじんづう ちから 　　　　　　　　　　ききたてまつ
りて未曾有なることを得、心淨く踊躍し、即ち座より起つて佛前に到り、頭みぞうう　　　　　　　　え こころきよ ゆやく　　すなわ　ざ　　　た 　　ぶつぜん　いた　　　ず
面に足 を禮して却つて一面に住し、尊顔を瞻仰して目暫くも捨てず。而も是めん みあし　らい　　　さ 　　　　めん じゅう　　そんげん せんごう　　 めしばら 　　す　　　　しか　　こ
の念を作さく、世尊は甚だ奇特にして所爲希有なり。世間若干の種性に隨順　ねん　な　　　　　 せそん はなは　きどく　　　　しょい け う　　　　せけんそこばく しゅしょう ずいじゅん
して、方便知見を以て爲に法を説いて、衆生處處の貪著を拔出したもう。我ほうべんちけん もっ　 ため　ほう 　と 　　　しゅじょうしょしょ とんじゃく ばっすい　　　　　　われ
等佛の功�ｺに於て、言をもつて宣ぶること能わず。唯佛世尊のみ能く我等らほとけ くどく　おい　　ことば 　　　　　の　　　　　　あた　　　 ただぶつせそん　　 よ　　われらが
深心の本願を知しめせり。爾の時に佛、 諸 の比丘に告げたまわく、汝等是じんしん ほんがん しろ　　　　　　　そ　とき ほとけ もろもろ　び く　　つ 　　　　　　　　なんだちこ
の富樓那彌多羅尼子を見るや不や。我常に其の説法人の中に於て最も第ふ る　な み た ら に し 　み　　　いな　　われつね　そ　せっぽうにん なか おい もっと だい一た
　　　　五百弟子受記品第八 (P184〜185)
りと稱し、亦常に其の種種の功�ｺを歎ず。精勤して我が法を護持し助宣しょう　 またつね　そ 　しゅじゅ　くどく　 たん 　しょうごん　　 わ 　ほう　　ご じ　じょせんし、
能く四衆に於て示教利喜し、具足して佛の正法を解釋して、大に同梵行者をよ　　　しゅ　 おい　じきょうり き 　　　ぐそく　 ほとけ しょうぼう げしゃく 　　おおい どうぼんぎょうしゃ
饒益す。如來を捨いてよりは、能く其の言論の辯を盡くすものなけん。汝等にょうやく にょらい 　お　　　　　　　　　よ　　そ　ごんろん べん 　つ　　　　　　　　　　　なんだち、
富樓那は但能く我が法を護持し助宣すと謂うことなかれ。亦過去九十億の諸ふ る な　ただよ　　わ　ほう　 ご じ じょせん　　 い 　　　　　　　　　またか こ　　 おく しょ
佛の所に於ても、佛の正法を護持し助宣し、彼の説法人の中に於ても亦最ぶつ みもと おい　　　 ほとけ しょうぼう　ご じ　 じょせん　　　か　せっぽうにん なか　おい 　またもっとも
第一なりき。又諸佛所説の空法に於て明了に通達し、四無礙智を得て常に能だい　　　　　 またしょぶつしょせつ くうぼう おい みょうりょう つうだつ　　　む げ ち 　　え　つね　　よ
く審諦に、清淨に法を説いて疑惑あることなく、菩薩�~通の力を具足し、其あきらか しょうじょう ほう　と　　　 ぎわく　　　　　　　　　　ぼさつじんづう ちから ぐそく 　　　そ
の壽命に隨つて常に梵行を修しき。彼の佛世の人 咸 く皆、之を實に是れ聲じゅみょう したが　　つね ぼんぎょう しゅ　　　　 か　 ぶつせ　ひとことごと みな　これ　じつ　 こ しょう
聞なりと謂えり。而も富樓那は斯の方便を以て無量百千の衆生を饒益し、又もん　　　 おも 　　　しか 　ふ る な　　こ　 ほうべん もっ　むりょう 　しゅじょう にょうやく　また
無量阿僧祇の人を化して阿耨多羅三藐三菩提を立てしむ。佛土を淨めんが爲むりょうあそうぎ ひと　け　　　 あのくたら　みゃく　ぼだい　た 　　　　　ぶつど　 きよ 　　　ため
の故に、常に佛事を作し衆生を教化しき。諸の比丘、富樓那は亦七佛の説法ゆえ　　つね　ぶつじ　　な しゅじょう きょうけ　　 もろもろ び く　　ふ る な　また　ぶつ せっぽう
人の中に於て第一なることを得、今我が所の説法人の中に於ても亦第にん　なか　おい　だい　　　　　　　　　え 　いまわ ところ せっぽうにん なか　おい　　まただい一なる

ことを爲。賢劫の中、當來の諸佛の説法人の中に於ても亦復第一にして、皆う　 げんごう　なか　とうらい しょぶつ せっぽうにん なか 　おい　　またまただい 　　　　　　みな
佛法を護持し助宣せん。亦未來に於ても、無量無邊の諸佛の法を護持し助宣ぶっぽう　ご じ　じょせん　　　　またみらい おい　　　　むりょうむへん しょぶつ ほう 　ご じ　じょせん
し、無量の衆生を教化し饒益して、阿耨多羅三藐三菩提を立てしめん。佛土むりょう しゅじょう きょうけ にょうやく　　　あ のくた ら　みゃく　ぼだい　 た 　　　　　　　　ぶつど
を淨めんが爲の故に、常に勤め精進し衆生を教化せん。漸漸に菩薩の道を具きよ　　　　ため　ゆえ　　　つね つと しょうじん しゅじょう きょうけ　　　 ぜんぜん 　ぼさつ　どう　　ぐ
足して、無量阿僧祇劫を過ぎて、當に此の土に於て阿耨多羅三藐三菩提を得そく　　　　むりょうあそうぎこう　す　　　　 まさ 　こ　　ど　 おい 　あのくた ら　みゃく　ぼだい　　う
べし。號を法明如來・應供・正知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御な　ほうみょうにょらい おうぐ しょうへんち みょうぎょうそく ぜんぜい せけんげ　　むじょうじ　じょうご
丈夫・天人師・佛・世尊といわん。其の佛恒河沙等の三千大千世界を以じょうぶ てんにんし　ぶつ　せそん　　　　　　　 そ　ほとけごうがしゃとう　　　だい　せかい　もって一
佛土と爲し、七寶を地と爲し、地の平かなること 掌 の如くにして山陵ぶつど　 な　　　　 ぽう　 じ 　　な　　　じ　たいら　　　　　たなごころ ごと 　　　せんりょう・
谿・溝壑あることなけん。七寶の臺觀其の中に充滿し、諸天の宮殿近けいけん こうがく　　　　　　　　　　　　 ぽう だいかんそ　なか じゅうまん 　しょてん　くでんちかく
虚空に處し、人・天交接して兩つながら相見ることを得ん。 諸 の悪道こくう　 しょ　　にん でんきょうしょう ふた　　　　　 あいみ 　　　　　　え　　もろもろ あくどうなく
亦女人なくして、一切衆生皆以て化生し婬欲あることなけん。大�~通を得またにょにん　　　　　　さいしゅじょうみなもっ けしょう いんよく　　　　　　　　　　だいじんづう 　え
て、身より光明を出し飛行自在ならん。志念堅固に精進・智慧あつて、普み　　　こうみょう いだ ひぎょうじざい　　　　　しねんけんご しょうじん ち え　　　　　あまねく
　　　　五百弟子受記品第八 (P186〜187)
皆金色に、三十二相をもつて自ら莊嚴せん。其の國の衆生は常に二食を以みなこんじき　　　　　　そう 　　　　みずか しょうごん　　　 そ 　くに しゅじょう つね　　じき　もって
せん。一には法喜食、二には禪悦食なり。無量阿僧祇千萬億那由他の 諸 のほうきじき　　　　 ぜんねつじき　　　　むりょうあそうぎ まんのくな ゆ た　　もろもろ
菩薩衆あり、大�~通・四無礙智を得て善能衆生の類を教化せん。其の聲聞衆、ぼさつしゅ　　　だいじんづう　　む げ ち　　え　 よくしゅじょう るい きょうけ　　　　そ しょうもんしゅ
算數校計すとも知ること能わざる所ならん。皆六通・三明及び八解脱を具足さんじゅきょうけい　　し　　　　 あた 　　　ところ　　　　　みな　つう 　 みょうおよ 　　げだつ 　ぐそく
することを得ん。其の佛の國土は是の如き等の無量の功�ｺあつて莊嚴し成就え　　　　そ　ほとけ こくど　 かく　 ごと　 ら 　むりょう　くどく　　しょうごん じょうじゅ
せん。劫を寶明と名け、國を善淨と名こう ほうみょう なづ　　くに ぜんじょう なづけん。其の佛の壽命、無量阿僧祇劫そ　ほとけ じゅみょう むりょうあそうぎこうに
して、法住すること甚だ久しからん。佛の滅度の後七寶の塔を起てて其の國ほうじゅう　　　はなは ひさ　　　　　　ほとけ めつど　のち　ぽう　とう　た　　　 そ 　くに
に滿せん。爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言へんまん　　　 そ 　とき　 せそん　かさ 　　こ　　ぎ　　の　　　　 ほっ 　　　　げ　 と　　のたま
わく
　 諸 の比丘諦かに聴け　佛子所行の道は　善く方便を學せるが故に　思議もろもろ 　び くあきら　　き　　 ぶっししょぎょう どう 　　よ　ほうべん　がく 　 　　ゆえ　　　し ぎ
　することを得べからず　衆の小法を樂つて　大智を畏るることを知う　　　　　　　しゅ しょうぼう ねが　　　　だいち　おそ　　　　　　　　しれり　
　是の故に 諸 の菩薩　聲聞・縁覺と作り　無數の方便を以て　 諸 の衆生類　こ　　ゆえ もろもろ ぼさつ しょうもん えんがく　な　　　 むしゅ ほうべん　もっ　もろもろ しゅじょうるい

　を化して　自ら是れ聲聞なり　佛道を去ること甚だ遠しと説く　無量の衆け　　　　 みずか こ しょうもん　　　ぶつどう　さ　　　　はなは とお　　　と 　　むりょう しゅ
　を度脱して　皆 悉 く成就することを得せしむ　小欲懈怠なりと雖も　漸どだつ　　　 みなことごと じょうじゅ 　　　　　　え　　　　　しょうよくけだい　　　いえど　ようや
　く當に作佛せしむべし　内に菩薩の行を秘し　外に是れ聲聞なりと現まさ　さぶつ　　　　　　　　うち　 ぼさつ ぎょう　ひ 　　ほか　 こ しょうもん　　　げんず　
　少欲にして生死を厭えども　實には自ら佛土を淨む　衆に三毒ありと示しょうよく　 しょうじ 　いと　　　　　 じつ　　みずか ぶつど 　きよ　　 しゅ 　　どく　　　　しめし
　　又邪見の相を現ず　我が弟子是の如く　方便して衆生を度す　若し我具またじゃけん そう げん　　　わ　 で し かく　ごと　　ほうべん　　しゅじょう ど　　　も　　われぐ
　足して　種種の現化の事を説かば　衆生の是れを聞かん者　心に則ち疑惑そく　　　 しゅじゅ　げんけ　　じ　　と　　　　しゅじょう こ 　　　き　　 もの こころ すなわ　ぎわく
　を懐かん　今此の富樓那は　昔の千億の佛に於て　所行の道を勤修し　諸いだ　　　 いまこ　　ふ る な 　　むかし　　のく ほとけ おい　 しょぎょう どう ごんしゅ　　しょ
　佛の法を宣護し　無上慧を求むるを爲て　諸佛の所に於て　弟子の上に居ぶつ　ほう　せんご　　 むじょうえ　もと　　　　もっ　　しょぶつ みもと おい　　　で し 　かみ　　こ
　し　多聞にして智慧ありと現じ　所説畏るる所なくして　能く衆をして歡たもん　　　　 ち え 　　　　げん　 しょせつおそ 　ところ　　　　　　　よ 　しゅ 　　　かん
　喜せしめ　未だ曾て疲倦あらずして　以て佛事を助く　已に大�~通に度ぎ　　　　　 いま　かつ　ひけん　　　　　　　 もっ　ぶつじ　たす 　すで だいじんづう わたり
　　四無礙慧を具し　衆根の利鈍を知つて　常に清淨の法を説き　是の如む　げ え　　ぐ　　　しゅこん　りどん　　し　　　　つね しょうじょう ほう　と　　　かく　ごとき
　義を演暢して　 諸 の千億の衆を教え　大乗の法に住せしめて　自ら佛土ぎ　 えんちょう 　　もろもろ　　 のく　しゅ　おし　　だいじょう ほう じゅう　　　　　　みずか　ぶつど
　　　　五百弟子受記品第八 (P188〜189)
　を淨め　未來にも亦　無量無數の佛を供養し　正法を護り助宣して　亦自きよ　　　みらい　　 また むりょうむしゅ ほとけ ぎょうよう しょうぼう　まも じょせん 　　またみずか
　ら佛土を淨め　常に 諸 の方便を以て　法を説くに畏るる所なく　不可計ぶつど　 きよ　　つね もろもろ ほうべん　もっ　　ほう 　と　　　おそ　　ところ 　　　　ふかけい
　の衆を度して　一切智を成就せしめん　 諸 の如來を供養し　法の寶藏しゅ　ど　　　　　　さいち　じょうじゅ　　　　　 もろもろ にょらい ぎょうよう　　ほう ほうぞうを
　護持して　其の後に成佛することを得ん　號を名けて法明といわん　其ご じ　　　　　 そ 　のち じょうぶつ　　　　　　　え　　　 な 　なづ　　ほうみょう　　　　　　　その
　國を善淨と名け　七寶の合成せる所ならん　劫を名けて寶明とせん　菩薩くに ぜんじょう なづ　　　　ぽう ごうじょう　ところ 　　　　　こう　なづ　　ほうみょう　　　　　ぼさつ
　衆甚だ多く　其の數無量億にして　皆大�~通に度り　威�ｺ力具足して　其しゅはなは おお　　そ　かずむりょうおく　　　　みなだいじんづう わた　　　いとくりきぐそく 　　　　そ
　の國土に充滿せん　聲聞亦無數にして　三明・八解脱あつて　四無礙智こくど じゅうまん　　 しょうもんまたむしゅ　　　　　　みょう　　　げだつ　　　　　　　　む げ　ちを
　得たる　是れ等を以て僧とせん　其の國の諸の衆生は　婬欲皆已に断え　　　　　 こ　　ら　 もっ　そう　　　　　　そ くに もろもろ しゅじょう いんよくみなすで だんじ　
　純一に變化生にして　相を具し身を莊嚴せん　法喜・禪悦食にして　更じゅん　へんげしょう　　　　　そう　 ぐ　　 み しょうごん 　　　ほうき　ぜんねつじき　　　　　さらに
　餘の食想なけん　 諸 の女人あることなく　亦 諸 の悪道なけん　富樓那よ　　じきそう　　　　もろもろ にょにん　　　　　　　　　またもろもろ あくどう　　　　　 ふ る　な
　比丘　功�ｺ 悉 く成滿して　當に斯の淨土の　賢聖衆甚だ多きを得び く　　 くどくことごと じょうまん　　　まさ 　こ　じょうど　　げんじょうしゅはなは おお 　　うべし　
　是の如き無量の事　我今但略して説かく　ごと　むりょう　じ われいまただりゃく　　とく

爾の時に千二百の阿羅漢の心自在なる者、是の念を作さく、我等歡喜して未そ　 とき 　　　　　　　あ らかん こころじざい　　もの　 こ　 ねん 　な　　　　 われらかんぎ 　　　み
曾有なることを得つ。若し世尊 各 授記せらるること餘の大弟子の如ぞうう　　　　　　　 え　　　 も　せそんおのおのじゅき　　　　　　　　よ　　だいで し　ごとくなら
ば亦 快 からずや。佛此れ等の心の所念を知しめして、摩訶迦葉に告またこころよ　　　　　ほとけこ　　ら　こころ しょねん しろ　　　　　　　　ま か かしょう 　つげたま
わく、是の千二百の阿羅漢に、我今當に現前に次第に阿耨多羅三藐三菩提こ　　　　　　　　あ らかん　　われいままさ げんぜん　しだい 　あのくたら　みゃく　ぼだいの
記を與え授くべし。此の衆の中に於て我が大弟子陳如比丘、當に六萬き　　あた さず 　　　　　　こ　しゅ　なか　おい　　わ だいでしきょうぢんにょびく　まさ 　　まん二千
億の佛を供養し、然して後に佛に成爲ことを得べし。號を普明如來・應供のく ほとけ ぎょうよう しこう　　のち ほとけ　な る 　　　　　う　　　　　な　ふみょうにょらい おうぐ・
正知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊しょうへんち みょうぎょうそく ぜんぜい せけんげ むじょうじ じょうごじょうぶ てんにんし　 ぶつ 　せそんとい
わん。其の五百の阿羅漢・優樓頻螺迦葉・伽耶迦葉・那提迦葉・迦留陀夷そ　　　　　　　あ らかん　　う るびんらかしょう　が や かしょう　なだいかしょう　か る だ　い・
優陀夷・阿樓・離婆多・劫賓那・薄拘羅・周陀・莎伽陀等、皆當に阿耨う だ い　　あ ぬ る だ　　り は た　こうひんな　 は く ら　 しゅだ 　しゃかだとう みなまさ　あのく
多羅三藐三菩提を得べし。 盡 く同じく一號にして名けて普明といわん。爾た　ら　みゃく　ぼだい 　う　　　　ことごと おな　　　　ごう　　　　なづ　　　ふみょう　　　　　　　そ
の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言とき　せそん　かさ　　　こ　 ぎ　　の　　　　 ほっ　　　　げ　　と 　のたまわく　
　陳如比丘　當に無量の佛を見たてまつりて　阿僧祇劫を過ぎて　乃ち等きょうぢんにょびく　まさ　むりょう ほとけ み　　　　　　　　　　　あそうぎこう　す　　　　すなわ とう
　　　　五百弟子受記品第八 (P190〜191)
　正覺を成ずべし　常に大光明を放ち　 諸 の�~通を具足し　名聞十方にしょうがく じょう　　　　　つね だいこうみょう はな　もろもろ じんづう 　ぐそく 　みょうもん ぽう　へん
　じ　一切の敬う所として　常に無上道を説かん　故に號けて普明さい うやも ところ　　　　つね むじょうどう　と　　　　 ゆえ　なづ 　ふみょうとせん　
　其の國土清淨にして　菩薩皆勇猛ならん　 咸 く妙樓閣に昇つて　 諸 のそ　こくどしょうじょう　　　　ぼさつみなゆうみょう　　　ことごと みょうろうかく のぼ　　　　もろもろ
　十方の國に遊び　無上の供具を以て　諸佛に奉献せん　是の供養を作し已ぽう くに　あそ 　　むじょう　く ぐ　 もっ　　しょぶつ 　ぶごん 　　　　こ ぎょうよう　な　おわ
　つて　心に大歡喜を懐き　須臾に本國に還らん　是の如き�~力あらん　佛こころ だいかんぎ いだ 　　しゅゆ　 ほんごく かえ　　　　かく　ごと　じんりき　　　　ほとけ
　の壽六萬劫ならん　正法住すること壽に倍し　像法復是れに倍せん　法滅じゅ まんごう　　　　しょうぼうじゅう　　　　じゅ　ばい　　ぞうぼうまたこ 　　 ばい 　　　ほうめっ
　せば天・人憂えん　其の五百の比丘　次第に當に作佛すべし　同じく號てん にんうれ　　　　そ　　　　　　 び く　　しだい　まさ　 さぶつ 　　　　　おな　　なづけ
　て普明といい　轉次して授記せん　我が滅度の後に　某甲當に作佛ふみょう　　　　 てんし　　　じゅき　　　　　わ　 めつど 　のち 　それがしまさ　さぶつすべし
　　其の所化の世間　亦我が今日の如くならん　國土の嚴淨　及び 諸 の�~そ　　しょけ　 せけん　またわ　こんにち　ごと　　　　　　　こくど ごんじょう およ もろもろ じん
　通力　菩薩･聲聞衆　正法及び像法　壽命劫の多少　皆上の所説の如づうりき　ぼさつ しょうもんしゅ しょうぼうおよ ぞうぼう じゅみょうこう たしょう みなかみ しょせつ　ごとくな
　らん　迦葉汝已に　五百の自在者を知りぬ　餘の 諸 の聲聞衆も　亦當かしょうなんじすで　　　　　　じざいしゃ　 し　　　　　よ もろもろ しょうもんしゅ　またまさに
　復是の如くなるべし　其の此の會に在らざるは　汝當に爲に宣説またかく ごと　　　　　　　　　そ　　こ　　え　　あ　　　　　　　なんじまさ ため せんぜつすべし　

爾の時に五百の阿羅漢、佛前に於て受記を得已つて歡喜踊躍し、即ち座そ　 とき 　　　　　あ らかん　ぶつぜん おい じゅき　　えおわ　　かんぎゆやく　　すなわ　ざより
起つて佛前に到り頭面に足を禮し、過を悔いて自ら責む。世尊、我等常に是た　　　ぶつぜん いた 　ずめん みあし らい　　 とが 　く　　みずか　せ　　　せそん　われらつね　　こ
の念を作して､自ら已に究竟の滅度を得たりと謂いき。今乃ち之を知りぬ､無ねん　な　　　 みずか すで　　くきょう めつど　　え　　　　 おも 　　　いますなわ これ 　し 　　　　む
智の者の如し。所以は何ん、我等如來の智慧を得べかりき。而るを便ち自らち　 もの　ごと　　　ゆ え　いか 　　われらにょらい ち え　　う　　　　　　　しか　　すなわ みずか
小智を以て足りぬと爲しき。世尊、譬えば人あり、親友の家に至つて酒に酔しょうち もっ　た　　　　 な 　　　　せそん　たと　　ひと　　　　しんぬ　いえ　いた　　さけ　　よ
うて臥せり。是の時に親友官事の當に行くべきあつて、無價の寶珠を以て其ふ　　　　　こ　 とき　しんぬかんじ　まさ 　ゆ　　　　　　　　　　 む げ　ほうじゅ もっ　　そ
の衣の裏に繋け之を與えて去りぬ。其の人酔い臥して都て覺知せず、起き已ころも うら　か 　これ　あた　　 さ　　　　　 そ 　ひとよ　　ふ 　　すべ　かくち　　　　　お 　おわ
つて遊行し他國に到りぬ。衣食の爲の故に勤力求索すること甚だ大に艱難ゆぎょう たこく　いた　　　　 えじき　ため　ゆえ　つとめぐしゃく 　　　はなは おおい かんなんな
り。若し少し得る所あれば便ち以て足りぬと爲す。後に親友會い遇うて之も　 すこ　 う　ところ　　 すなわ もっ 　た 　　　　な　　　のち　しんぬ あ 　 お 　　これを
見て､是の言を作さく､咄哉、丈夫、何ぞ衣食の爲に乃ち是の如くなるに至み　　　こ ことば　な　　　つたなや じょうぶ　なん　えじき　ため すなわ かく ごと　　　　　いたる。
我昔汝をして安樂なることを得、五欲に自ら恣ならしめんと欲して、 某 のわれむかしなんじ あんらく　　　　　　　え　　よく みずか ほしいまま　　　　　 ほっ 　　　　それがし
年日月に於て無價の寶珠を以て汝が衣の裏に繋けぬ。今故お現にあり。而としひつき おい　　む げ　ほうじゅ もっ なんじ ころも うら　か　　　　　いまな 　げん　　　　　しかる
　　　　五百弟子受記品第八 (P192〜193)
を汝知らずして、勤苦・憂悩して以て自活を求むること、甚だこれ癡なんじし　　　　　　 ごんく　　うのう 　　もっ　じかつ　もと　　　　　　　はなは　　　　ちなり。
汝今此の寶を以て所須に貿易すべし。常に意の如く乏短なる所なんじいまこ たから もっ しょしゅ　むやく　　　　　 つね こころ　ごと ぼうたん 　ところなかるべしと
いわんが如く、佛も亦是の如し。菩薩たりし時我等を教化して、一切智の心ごと　　ほとけ またかく ごと　　　ぼさつ　　　　ときわれら きょうけ 　　　　　さいち こころ
を發さしめたまいき。而るを尋いで廃忘して知らず覺らず。既に阿羅漢道おこ　　　　　　　　　　 しか　　　つ 　　はいもう　　 し　　　さと 　　　すで　あらかんどうを
得て自ら滅度せりと謂い、資生艱難にして少しきを得て足りぬとなす。一切え　みずか めつど　　　　 おも　　ししょうかんなん　　　すこ　　　　 え　　た　　　　　　　　　　さい
智の願猶お在つて失せず。今者世尊我等を覺悟して、是の如き言を作ち　　がんな　 あ 　　　う　　　　 い ま せそんわれら　かくご 　　　　かく ごと ことば 　なしたま
わく、 諸 の比丘、汝等が得たる所は究竟の滅に非ず。我久しく汝等もろもろ 　び く　 なんだち 　え　　ところ　くきょう めつ　あら 　われひさ　　なんだちをして
佛の善根を種えしめたれども、方便を以ての故に涅槃の相を示す。而るを汝ほとけ ぜんごん う　　　　　　　　　　　 ほうべん もっ 　　ゆえ　 ねはん　そう　しめ　　しか 　なんじ
これ實に滅度を得たりと謂えり。世尊、我今乃ち知んぬ、實に是れ菩薩じつ　めつど　 え 　　　　おも　　　　せそん われいますなわ し　　　　じつ　こ　　ぼさつなり。
阿耨多羅三藐三菩提の記を授けたもうことを得つ。是の因縁を以て甚だ大あのくたら　みゃく　ぼだい　き　 さず 　　　　　　　　　え　　　 こ いんねん もっ はなは おおい
に歡喜して未曾有なることを得たり。爾の時に阿若陳如等、重ねて此の義かんぎ　　　 みぞうう　　　　　　　　 え　　　　　そ とき あにゃきょうぢんにょとう かさ　　　こ 　　ぎ
を宣べんと欲して、偈を説いて言の　　　　 ほっ　　　　げ　　と 　　もうさく

　我等無上　安穏の授記の聲を聞きたてまつり　未曾有なりと歡喜して　無われらむじょう あんのん じゅき みこえ　き 　　　　　　　　　　みぞうう 　　　　かんぎ　　　　　む
　量智の佛を禮したてまつる　今世尊の前に於て　自ら 諸 の過咎を悔りょうち　ほとけ　らい　　　　　　　　　　いませそん みまえ おい　　みずか もろもろ　と が 　　くい　
　無量の佛寶に於て　少しき涅槃の分を得　無智の愚人の如くして　便ち自　むりょう ぶっぽう おい　　すこ　　　ねはん　ぶん　え　　む ち　　ぐにん　ごと 　　　　すなわ　みずか
　ら以て足りぬと爲しき　譬えば貧窮の人　親友の家に往き至りぬ　其の家もっ　た　　　　 な 　　　　たと　　びんぐ　ひと　しんぬ　いえ 　ゆ 　いた　　　　そ　いえ
　甚だ大に富んで　具さに諸の肴膳を設け　無價の寶珠を以て　内衣の裏はなは おおい　と　　　　つぶ もろもろ きょうぜん もう　　 む げ　ほうじゅ　もっ 　　ないえ　うらに
　繋著し　黙し與えて捨て去りぬ　時に臥して覺知せず　是の人既已に起けいぢゃく　もく　あた　　　す　　さ　　　　 とき　ふ 　　　かくち　　　　　こ　　ひとす で　　おき
　て　遊行して他國に詣り　衣食を求めて自ら濟り　資生甚だ艱難にゆぎょう　　 たこく　いた　　　えじき　もと　　みずか　わた　　ししょうはなは かんなんして　
　少しきを得て便ち足りぬとなして　更に好き者を願わず　内衣の裏に　無すこ　　　　え　すなわ た　　　　　　　　　　さら　よ　 もの ねが　　　　ないえ　うら　　　む
　價の寶珠あることを覺らず　珠を與えし親友　後に此の貧人を見て　苦切げ　 ほうじゅ　　　　　　さと 　　　たま　あた　　しんぬ　 のち 　こ　びんにん　み　　ねんごろ
　に之を責め已つて　示すに繋けし所の珠を以てす　貧人此の珠を見て　其これ　せ　 おわ　　　　しめ　　 か 　　ところ たま　もっ 　　　びんにんこ　たま　　み 　　　そ
　の心大に歡喜し　富んで 諸 の財物あつて　五欲に而も自ら 恣 なこころおおい かんぎ　　　と　　もろもろ ざいもつ　　　　　　　よく しか みずか ほしいままらんが
　如く　我等も亦是の如し　世尊長夜に於て　常に愍んで教化せられ　無上ごと　　 われら　またかく　ごと　　せそんじょうや　おい　　 つね あわれ　きょうけ 　　　　　むじょう
　　　　五百弟子受記品第八 (P194〜)
　の願を種えしめたまえり　我等無智なるが故に　覺らず亦知らず　少がん　う　　　　　　　　　　　　われら む ち　　　　ゆえ 　　さと 　　またし　　　　すこしき
　涅槃の分を得て　自ら足りぬとして餘を求めず　今佛我を覺悟して　實ねはん　ぶん　 え　　みずか　た 　　　　　　　よ　 もと 　　いまほとけわれ かくご 　　　じつの
　滅度に非ず　佛の無上慧を得て　爾して乃ち爲れ眞の滅なりと言う　我今めつど　あら　　ほとけ むじょうえ　 え　　しこう　 すなわ　こ 　しん　めつ 　　　のたも　われいま
　佛に從つて　授記・莊嚴の事　及び轉次に受決せんことを聞ほとけ したが　　　 じゅき しょうごん じ 　およ てんし 　じゅけつ　　　　　　　ききたてまつり
　て　身心く歡喜しんじんあまね かん ぎす

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　南無先祖養道なむせんそぎょうようどう（三唱）

妙法蓮華經授學無學人記品第九
　　　　授學無學人記品第九 (P195〜)
爾の時に阿難・羅羅、而も此の念を作さく、我等毎に自ら思惟すらく、設そ　 とき 　あなん　 ら ご ら　 しか　 こ 　ねん 　な　　　　われらつね みずか　しゆい　　　　　　も
し授記を得ば亦 快 からずや。即ち座より起つて佛前に到り頭面に足を禮じゅき　　え　またこころよ　　　　　すなわ　ざ 　　　た　　　ぶつぜん いた 　ずめん みあし らいし、
倶に佛に白して言さく、世尊、我等此に於て亦分あるべし。唯如來とも ほとけ もう　　　もう　　　　 せそん　 われらここ　おい　またぶん　　　　　　ただにょらいのみまし
まして我等が歸する所なり。又我等はこれ一切世間の天・人・阿修羅に知識われら　　き　　ところ　　　 またわれら　　　　　 さいせけん てん　にん 　あしゅら　　ちしき
せらる。阿難は常に侍者となつて法藏を護持す。羅羅は是れ佛の子あなん　つね　じしゃ　　　　　ほうぞう　ご じ　　　ら ご ら　　こ ほとけ みこなり。
若し佛阿耨多羅三藐三菩提の記を授けられば、我が願既に滿じて衆の望亦足も　ほとけあのくたら　みゃく　ぼだい 　き 　さず　　　　　　　 わ ねがいすで まん　　しゅ のぞみまたた
りなん。爾の時に學･無學の聲聞の弟子二千人､皆座より起つて偏に右の肩そ　　とき　がく むがく しょうもん　で し　　　にん みなざ　　　 た 　　ひとえ みぎ　かたを
袒にし、佛前に到り一心に合掌し世尊を瞻仰して、阿難・羅羅の所願の如あらわ　　 ぶつぜん いた 　　しん がっしょう せそん　せんごう　　　　あなん　 ら ご ら　しょがん ごと
くにして一面に住立せり。爾の時に佛、阿難に告げたまわく、汝來世に於めん じゅうりゅう　　 そ　 とき ほとけ　あなん　つ　　　　　　　　なんじらいせ　おいて
當に作佛することを得べし。山海慧自在通王如來・應供・正知・明行足・まさ　さぶつ　　　　　　　　う　　　せんかいえじざいつうおうにょらい おうぐ しょうへんち みょうぎょうそく
　　　　授學無學人記品第九 (P196〜197)
善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と號けん。當ぜんぜい　せけんげ　むじょうじ じょうごじょうぶ てんにんし　 ぶつ　せそん　 なづ　　　　まさに六十二
億の諸佛を供養し法藏を護持して、然して後に阿耨多羅三藐三菩提を得おく しょぶつ ぎょうよう ほうぞう ご じ　　　 しこう　　のち 　あ のくた ら　みゃく　ぼだい 　うべし。
二十千萬億恒河沙の 諸 の菩薩等を教化して、阿耨多羅三藐三菩提を成まんのくごうがしゃ もろもろ ぼさつとう きょうけ　　　　あ のくた ら　みゃく ぼだい じょうぜし
めん。國を常立勝旛と名け、其の土清淨にして瑠璃を地とせん。劫を妙音　くに じょうりゅうしょうばん なづ そ どしょうじょう　　　 る り 　　じ　　　　　　こう みょうおんへん
滿と名けん。其の佛の壽命無量千萬億阿僧祇劫ならん。若し人千萬億無量阿　まん　なづ　　　　そ ほとけ じゅみょうむりょう まんのくあそうぎこう　　　　も　 ひと　まんのくむりょうあ
僧祇劫の中に於て算數校計すとも知ること得ること能わじ。正法世に住すそうぎこう　なか　おい さんじゅきょうけい　　　し　　　　　う　　　　 あた 　　 しょうぼうよ　　じゅうる
こと壽命に倍し、像法世に住すること復正法に倍せん。阿難、是の山海慧自じゅみょう ばい　 ぞうぼうよ　じゅう　　　　またしょうぼう ばい　　　　あなん　　こ 　せんかいえ じ
在通王佛は、十方の無量千萬億恒河沙等の諸佛如來に、共に其の功�ｺを讃歎ざいつうおうぶつ　　 ぽう　むりょう まんのくごうがしゃとう しょぶつにょらい　とも 　そ　　くどく さんだん
し稱せらるることを爲ん。爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲しょう　　　　　　　　　 え　　　 そ 　とき　　せそん　かさ　　　こ　　ぎ　　の 　　　　ほっして、
偈を説いて言げ　　 と　　のたまわく　
　我今僧中にして説く　阿難持法者　當に諸佛を供養し　然して後に正覺をわれいまそうちゅう　　　と　　　 あなんじほうしゃ まさ しょぶつ ぎょうよう 　しこう　 のち　しょうがく
　成ずべし　號を山海慧　自在通王佛といわん　其の國土清淨にして　常立　じょう　　　　　な　 せんかいえ　じざいつうおうぶつ　　　　　　　そ こくどしょうじょう　　　じょうりゅう

　勝旛と名けん　 諸 の菩薩を教化すること　其の數恒沙の如くならん　佛しょうばん なづ　　 もろもろ 　ぼさつ きょうけ　　　　　　　　そ　かずごうじゃ ごと　　　　　　ほとけ
　大威�ｺましまして　名聞十方に滿ち　壽命量あることなけん　衆生を愍むだいいとく　　　　　　　みょうもん ぽう　 み 　じゅみょうはかり　　　　　　　　　しゅじょう あわれ
　を以ての故に　正法壽命に倍し　像法復是れに倍せん　恒河沙等の如もっ　　ゆえ　しょうぼうじゅみょう ばい　 ぞうぼうまたこ　　　ばい 　　　ごうがしゃとう　ごとき　
　無數の 諸 の衆生　此の佛法の中に於て　佛道の因縁を種むしゅ もろもろ しゅじょう こ　 ぶっぽう なか　おい 　　ぶつどう いんねん 　うえん　
爾の時に會中の新發意の菩薩八千人、 咸 く是の念を作さく、我等尚お 諸　そ　　とき　えちゅう しんぼっち 　ぼさつ　　 にん　ことごと　こ　 ねん　な　　　　　われら な 　もろもろ
の大菩薩の是の如き記を得ることを聞かず。何の因縁あつて 諸 の聲聞是のだいぼさつ かく　ごと 　き　　う　　　　　　き　　　　 なん いんねん　　もろもろ しょうもんかく
如き決を得る。爾の時に世尊、 諸 の菩薩の心の所念を知しめして、之に告ごと けつ 　う　　　 そ 　とき　 せそん もろもろ　ぼさつ こころ しょねん しろ 　　　　　　これ　　つ
げて 曰 く、諸の善男子、我阿難等と空王佛の所に於て、同時に阿耨多羅のたまわ もろもろ ぜんなんし われあなんとう くうおうぶつ みもと おい　　どうじ　　あ のくた ら
三藐三菩提の心を發しき。阿難は常に多聞を樂い、我は常に勤め精進す。是みゃく ぼだい こころ おこ　　　　あなん　つね　たもん　ねが　　 われ つね　つと しょうじん 　　こ
の故に我は已に阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得たり。而るに阿難は我ゆえ われ　すで 　あのくた ら みゃく　ぼだい じょう　　　　　　　え　　　　しか　　　あなん 　わ
が法を護持し、亦將来の諸佛の法藏を護つて、 諸 の菩薩衆を教化し成就せほう　ご じ　　またしょうらい しょぶつ ほうぞう まも　　　もろもろ　ぼさつしゅ きょうけ じょうじゅ
ん。其の本願是の如し、 故 に斯の記を獲。阿難 面 り佛前に於て、自ら授そ　ほんがんかく ごと 　かるがゆえ こ　　き　　う　あなんまのあた ぶつぜん おい　　みずか じゅ
　　　　授學無學人記品第九 (P198〜199)
記及び國土の莊嚴を聞いて所願具足し、心大に歡喜して未曾有なることを得きおよ　こくど しょうごん　 き　　 しょがんぐそく　こころおおい かんぎ　　　み ぞうう　　　　　　　　え
たり。即時に過去の無量千萬億の諸佛の法藏を憶念するに、通達無礙そくじ　　か こ　むりょう まんのく　しょぶつ ほうぞう おくねん　　　　　つうだつむ げなるこ
と今聞く所の如し。亦本願を識んぬ。爾の時に阿難、偈を説いて言いまき ところ ごと　　またほんがん し　　　　　そ 　とき　あなん　 げ　　と 　　もうさく　
　世尊は甚だ希有なり　我をして過去の　無量の諸佛の法を念せそん はなは　け う 　　　　われ　　　　か こ　　　むりょう しょぶつ ほう ねんぜしめたもう
　　今日聞く所の如し　我今復 疑 なくして　佛道に安住しぬ　方便こんにちき ところ　ごと 　われいままたうたがい　　　　　 ぶつどう あんじゅう 　　ほうべんをもつ
　て侍者となつて　諸佛の法を護持じしゃ　　　　　　しょぶつ ほう 　ご じせん　
爾の時に佛、羅羅に告げたまわく、汝來世に於て當に作佛することを得そ　 とき ほとけ　ら ご ら　　つ　　　　　　　　なんじらいせ おい　まさ 　さぶつ 　　　　　　　うべ
し。蹈七寶華如來・應供・正知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈　とう　ぽうけにょらい　おうぐ しょうへんち みょうぎょうそく ぜんぜい せけんげ　むじょうじ　じょうごじょう
夫・天人師・佛・世尊と號けん。當に十世界微塵等數の諸佛如來を供養すぶ　 てんにんし 　ぶつ　せそん　 なづ　　　　まさ 　せかいみじんとうしゅ しょぶつにょらい ぎょうようべ
し。常に諸佛の爲に而も長子と作ること猶お今の如くならん。是の蹈七寶華つね しょぶつ ため　しか ちょうし　な　　　　　な　いま　ごと　　　　　　　こ 　とう　ぽうけ
佛の國土の莊嚴・壽命の劫數・所化の弟子・正法・像法・亦山海慧自在通王　ぶつ こくど しょうごん じゅみょう こうしゅ しょけ　　で し　しょうぼう ぞうぼう またせんかいえじざいつうおう
如來の如くにして異ることなけん。亦此の佛の爲に而も長子と作らん。是にょらい ごと 　　　　ことな　　　　　　　　　 またこ　ほとけ ため　しか ちょうし　 な 　　　　　これ

を過ぎて已後、當に阿耨多羅三藐三菩提を得べし。爾の時に世尊、重ねて此す　　　 い ご 　まさ　あのくたら　みゃく　ぼだい　う　　　　 そ 　とき　せそん　かさ　　　こ
の義を宣べんと欲して、偈を説いて言ぎ　　の　　　　ほっ　　　　 げ　　と 　のたまわく　
　我太子たりし時　羅長子となり　我今佛道を成ずれば　法を受けて法子われたいし　　　とき　らごちょうし　　　　われいまぶつどう じょう　　　　ほう　う　　　ほうし
　と爲れり　未來世の中に於て　無量億の佛を見たてまつるに　皆其の長子な　　　　　みらいせ　なか　おい　　むりょうおく ほとけ み　　　　　　　　　　みなそ ちょうし
　となつて　一心に佛道を求めん　羅羅の密行は　唯我のみ能く之を知しん ぶつどう もと 　　　　ら ご ら　みつぎょう ただわれ　　　よ　これ　　しれ
　り　現に我が長子となつて　以て 諸 の衆生に示す　無量億千萬の　功�ｺげん　わ　ちょうし　　　　　　　もっ もろもろ しゅじょう しめ　　むりょうおく まん 　　くどく
　數うべからず　佛法に安住して　以て無上道を求かぞ　　　　　　　　ぶっぽう あんじゅう　　　もっ むじょうどう もとむ　
爾の時に世尊、學・無學の二千人を見たもうに、其の意柔に寂然清淨にしそ　　とき　せそん　 がく 　むがく　　　　にん　 み 　　　　　そ こころにゅうなん じゃくねんしょうじょう
て一心に佛を觀たてまつる。佛阿難に告げたまわく、汝是の學・無學しん ほとけ み　　　　　　　　ほとけあなん　つ 　　　　　　　なんじこ　がく 　むがくの二千
人を見るや不や。唯然、已に見る。阿難、是の諸人等は當に五十世界微塵數にん　み　　　いな 　ゆいねん　すで　み　　　あなん 　こ　しょにんら　まさ 　　　せかいみじんじゅ
の諸佛如來を供養し、恭敬尊重し法藏を護持して、末後に同時に十方の國しょぶつにょらい ぎょうよう くぎょうそんじゅう ほうぞう ご じ 　　　　まつご　どうじ　　　ぽう　くにに
於て各成佛することを得べし。皆同じく一號にして名けて寶相如來･應供･正　おい おのおのじょうぶつ　　　　う　　　　 みなおな　　　　ごう　　　　なづ 　ほうそうにょらい おうぐ しょう
　　　　授學無學人記品第九 (P200〜201)
知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊へんち みょうぎょうそく ぜんぜい せけんげ　むじょうじ じょうごじょうぶ てんにんし　 ぶつ 　せそんといわ
ん。壽命一劫ならん。國土の莊嚴・聲聞・菩薩・正法・像法、皆 悉 く同等じゅみょう こう　　　　こくど しょうごん しょうもん ぼさつ しょうぼう ぞうぼう みなことごと どうとう
ならん。其の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言そ　 とき　せそん　かさ 　　こ　　ぎ 　の　　　　 ほっ　　　　げ 　と 　のたまわく
　是の二千の聲聞　今我が前に於て住せる　 悉 く皆記を與え授く　未來こ　　　　　しょうもん いまわ　まえ　おい じゅう　　 ことごと　みなき　あた　さず 　　みらいに
　當に成佛すべし　供養する所の諸佛は　上に説く塵數の如くならん　其まさ じょうぶつ　　　 ぎょうよう　ところ しょぶつ　　 かみ 　と 　じんじゅ ごと　　　　　　　　その
　法藏を護持して　後に當に正覺を成ずべし　 各 十方の國に於て　 悉　ほうぞう ご じ　　　　 のち まさ しょうがく じょう　　　　おのおの ぽう くに　おい　　ことごとく
　同じく一名號ならん　倶時に道場に坐して　以て無上慧を證し　皆名おな　　　みょうごう　　　　　 く じ　どうじょう ざ　　　　 もっ　むじょうえ しょう 　みななづけて
　寶相とせん　國土及び弟子　正法と像法と　 悉 く等しくして異ほうそう　　　　　こくどおよ　で し　しょうぼう ぞうぼう　ことごと　ひと 　　　　ことなることあ
　ることなけん　 咸 く 諸 の�~通を以て　十方の衆生を度し　名聞普く周　ことごと　もろもろ じんづう もっ　　　　ぽう　しゅじょう ど 　みょうもんあまね しゅ
　して　漸く涅槃に入へん　　　ようや　ねはん　　いらん　
爾の時に學・無學の二千人、佛の授記を聞きたてまつりて歡喜踊躍して、偈そ　 とき　がく　むがく　　　 にん ほとけ じゅき 　き 　　　　　　　　　かんぎ ゆやく　　　　げ
を説いて言と　　　もうさく　

　世尊は慧の燈明なり　我授記の音を聞きたてまつりて　心に歡喜充滿せせそん　　え とうみょう　　　われじゅき みこえ　き　　　　　　　　　　　こころ かんぎじゅうまんる
　こと　甘露をもつて灌がるるが如かんろ　　　　　そそ　　　　　ごとし

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　南無先祖養道なむせんそぎょうようどう（三唱）

妙法蓮華經法師品第十
　　　　法師品第十 (P202〜P203)
爾の時に世尊、藥王菩薩に因せて八萬の大士に告げたまわく、藥王、汝是そ　 とき　 せそん やくおうぼさつ　よ　　　　 まん　だいじ 　つ　　　　　　　　やくおう なんじこの
大衆の中の無量の諸天・龍王・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩だいしゅ なか むりょう しょてん りゅうおう やしゃ けんだつば　あしゅら　　か る ら　　きんな ら　　ま
羅伽・人と非人と及び比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の聲聞を求むる者ご ら が　 にん　ひにん　およ　 び く　 び く に　　うばそく　 う ば い しょうもん もと　　もの・
辟支佛を求むる者・佛道を求むる者を見るや。是の如き等類、 咸 く佛前びゃくしぶつ もと　 もの　ぶつどう もと 　　もの 　み　　　　 かく　ごと　たぐい ことごと ぶつぜんに
於て妙法華經の一偈一句を聞いて、乃至一念も隨喜せん者には我皆記を與おい みょうほけきょう　げ　　く　 き 　　　　ないし　ねん　ずいき　　もの　　われみなき　あたえ
授く。當に阿耨多羅三藐三菩提を得べし。佛、藥王に告げたまわく、又如來さず　　まさ 　あのくた ら　みゃく ぼだい　 う 　　　ほとけ やくおう　つ 　　　　　　　またにょらい
の滅度の後に、若し人あつて妙法華經の乃至一偈・一句を聞いて一念も隨喜めつど　のち　　　も　ひと　　　みょうほけきょう ないし　 げ　　　く　　き　　　　 ねん　ずいき
せん者には、我亦阿耨多羅三藐三菩提の記を與え授く。若し復人あつて妙法もの　　　われまたあのくた ら　みゃく ぼだい 　き　 あた さず　　　も　またひと　　　みょうほ
華經の乃至一偈を受持・讀誦し解説・書寫し、此の經巻に於て敬い視けきょう ないし　　げ 　じゅじ　どくじゅ　げせつ　しょしゃ　　こ きょうがん おい　うやま　みること
佛の如くにして、種種に華・香・瓔珞・抹香・塗香・焼香・�丈竅E幢旛・衣ほとけ ごと　　　　　　 しゅじゅ　け 　こう　ようらく　まっこう　ずこう しょうこう ぞうがい どうばん 　え

服・伎樂を供養し、乃至合掌恭敬せん。藥王當に知るべし。是の諸人等は已ぶく　 ぎがく ぎょうよう　ないしがっしょうくぎょう　　 やくおうまさ　し　　　　　　　こ 　しょにんら　すで
に曾て十萬億の佛を供養し、諸佛の所に於て大願を成就して、衆生を愍かつ　　まんのく ほとけ ぎょうよう　 しょぶつ　みもと おい　だいがん じょうじゅ　　しゅじょう あわれむが
故に此の人間に生ずるなり。藥王、若し人あつて、何等の衆生か未來世に於ゆえ　 こ　にんげん しょう　　　　　　やくおう　も 　ひと 　　　　　なんら　しゅじょう みらいせ 　おい
て當に作佛することを得べきと問わば、示すべし、是の諸人等は未來世に於まさ　さぶつ　　　　　　　う 　　　　と　　　　しめ 　　　　　こ　しょにんら 　みらいせ　おい
て必ず作佛することを得んと。何を以ての故に、若し善男子・善女人、法華かなら さぶつ　　　　　　　え　　　　なに　もっ 　　ゆえ 　　も　ぜんなんし ぜんにょにん 　ほ け
經の乃至一句に於ても受持･讀誦し、解説･書寫し、種種に經巻に華・香・瓔きょう ないし　 く　 おい　　　じゅじ どくじゅ　　 げせつ しょしゃ　　しゅじゅ きょうがん け 　こう　よう
珞・抹香・塗香・焼香・�丈竅E幢旛・衣服・伎樂を供養し、合掌・恭敬せらく まっこう 　ずこう しょうこう ぞうがい どうばん　 えぶく　 ぎがく ぎょうよう 　がっしょう　くぎょうん。
是の人は一切世間の瞻奉すべき所なり。如來の供養を以て之を供養すこ　　ひと　　さいせけん　せんぶ　　　　ところ　　　にょらい ぎょうよう もっ　これ　ぎょうようべし。
當に知るべし。此の人は是れ大菩薩の阿耨多羅三藐三菩提を成就して、衆生まさ　し　　　　　　 こ 　ひと　 こ 　だいぼさつ　 あのくた ら　みゃく　ぼだい じょうじゅ 　しゅじょう
を哀愍し願つて此の間に生れ、廣く妙法華經を演べ分別するなり。何に況あいみん ねが　　 こ　あいだ うま 　　ひろ みょうほけきょう の　ふんべつ 　　　　　　いか　いわん
や、盡くして能く受持し種種に供養せん者をや。藥王、當に知るべし、是つ　　　　　よ　　じゅじ　しゅじゅ ぎょうよう　もの　　　　やくおう　まさ　し　　　　　　　この
人は自ら清淨の業報を捨てて、我が滅度の後に於て、衆生を愍むが故に悪世ひと みずか しょうじょう ごうほう す 　　　　わ　　めつど　 のち　おい　　しゅじょう あわれ　　ゆえ 　あくせ
　　　　法師品第十 (P204〜205)
に生れて廣く此の經を演ぶるなり。若し是の善男子・善女人、我が滅度の後うま　　ひろ　 こ　きょう　の　　　　　　　　も　　こ　ぜんなんし ぜんにょにん　わ　　めつど　のち、
能く竊かに一人の爲にも法華經の乃至一句を説かん。當に知るべし、是の人よ　 ひそ 　　　にん　ため　　 ほけきょう ないし 　く　　と　　　　まさ　し　　　　　　こ　ひと
は則ち如來の使なり。如來の所遺として如來の事を行ずるなり。何に況すなわ にょらい つかい　　にょらい　しょけん　　　 にょらい　じ　ぎょう 　　　　　　いか　いわんや
大衆の中に於て廣く人の爲に説かんをや。藥王、若し悪人あつて不善の心だいしゅ なか　おい　ひろ　ひと　ため 　と　　　　　　　やくおう　も　あくにん　　　　ふぜん こころを
以て一劫の中に於て、現に佛前に於て常に佛を毀罵せん、其の罪尚お輕もっ　　こう　なか　おい　　げん　ぶつぜん おい　つね ほとけ き め　　　　　そ 　つみな　かろし。
若し人一の悪言を以て、在家・出家の法華經を讀誦する者を毀せん、其も　 ひと　　 あくごん　もっ　　 ざいけ　しゅっけ　ほけきょう どくじゅ　　もの　 き し 　　　　　その
罪甚だ重し。藥王、其れ法華經を讀誦すること有らん者は、當に知つみはなは おも　やくおう　そ　 ほけきょう どくじゅ　　　　　 あ　　　もの 　　まさ 　しるべし、
是の人は佛の莊嚴を以て自ら莊嚴するなり。則ち如來の肩に荷擔こ　 ひと ほとけ しょうごん もっ みずか しょうごん　　　　　 すなわ にょらい　かた　 かたんせらるるこ
とを爲ん。其の所至の方には隨つて向い禮すべし。一心に合掌して恭敬・供　え　　　　そ 　しょし 　ほう　 したが　　 むか　らい　　　　　　 しん がっしょう 　くぎょう ぎょう
養・尊重・讃歎し、華・香・瓔珞・抹香・塗香・焼香・�丈竅E幢旛・衣服よう そんじゅう さんだん 　　け　 こう　ようらく　まっこう　ずこう しょうこう ぞうがい　どうばん　えぶく・
肴膳をもつてし、 諸 の伎樂を作し、人中の上供をもつて之を供養せよ。天きょうぜん　　　　　　もろもろ　ぎがく　　な　　にんちゅう じょうく　　　　　これ ぎょうよう　　　てん
の寶を持つて、以て之を散ずべし。天上の寶聚以て奉献すべし。所以は何たから も　　　　もっ　これ　さん　　　　てんじょう ほうじゅもっ ぶごん　　　　　 ゆ え 　いかん、

是の人歡喜して法を説かんに、須臾も之を聞かば即ち阿耨多羅三藐三菩提こ　 ひとかんぎ 　　ほう　と　　　　　　しゅゆ 　これ 　き　　すなわ　あのくた ら みゃく　ぼだいを
究竟することを得んが故なり。爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲くきょう　　　　　　え　　　ゆえ　　　　 そ　とき　 せそん　かさ 　　こ　　ぎ　　の　　　　ほっし
て、偈を説いて言げ　　と　　のたまわく　
　若し佛道に住して　自然智を成就せんと欲せば　常に當に勤めて　法華も　 ぶつどう じゅう 　　　じねんち じょうじゅ　　　 ほっ 　　　つね　まさ　つと　　　　ほっけを
　受持せん者を供養すべし　其れ疾く一切種智慧を　得んと欲じゅじ　　もの ぎょうよう　　　　　そ　 と　　 さいしゅち え　　　え 　　ほっすることあら
　んは　當に此の經を受持し　并に持者を供養すべし　若し能く妙法華經をまさ　こ　きょう じゅじ 　　ならび　じしゃ ぎょうよう　　　　 も　　よ　みょうほけきょう
　　受持することあらん者は　當に知るべし佛の所使として　 諸 の衆生をじゅじ　　　　　　　　　　もの　　まさ　 し 　　　ほとけ しょし　　　　　もろもろ しゅじょう
　愍念するなり　 諸 の能く妙法華經を　受持することあらん者は　清淨のみんねん　　　　　 もろもろ　よ みょうほけきょう 　じゅじ 　　　　　　　　　　もの　しょうじょう
　土を捨てて　衆を愍むが故に此に生ずるなり　當に知るべし是の如き人ど　　す　　　　 しゅ あわれ　　ゆえ　ここ しょう 　　　　　　まさ 　し　　　　かく　ごと　ひとは　
　生ぜんと欲する所に自在なれば　能く此の悪世に於て　廣く無上の法を説しょう　　 ほっ　　ところ　じざい 　　　　　よ　 こ　　あくせ　おい 　　ひろ　むじょう ほう 　と
　くなり　天の華･香　及び天寶の衣服　天上の妙寶聚を以て　説法者に供養　てん　 け　こう　およ　てんぽう　えぶく てんじょう みょうほうじゅ もっ　せっぽうじゃ　ぎょうよう
　すべし　吾が滅後の悪世に　能く是の經を持たん者をば　當に合掌し禮敬　わ　　めつご　 あくせ 　　　よ　　こ　きょう たも 　　もの　　　　まさ がっしょう らいきょう
　　　　法師品第十 (P206〜207)
　して　世尊に供養するが如くすべし　上饌 衆 の甘美　及び種種の衣服せそん　ぎょうよう　　　ごと　　　　　じょうせんもろもろ かんみ　およ　しゅじゅ　えぶくを
　もつて　是の佛子に供養して　須臾も聞くことを得んと冀うべし　若し能こ　　ぶっし ぎょうよう　　　しゅゆ　　き　　　　　　え　　　ねご　　　　　　も　　よ
　く後の世に於て　是の經を受持せん者は　我遣わして人中にのち　よ　 おい　　　こ きょう じゅじ　　　もの　　われつか　　　にんちゅうあらしめて　
　如來の事を行ぜしむるなり　若し一劫の中に於て　常に不善の心を懐にょらい じ　ぎょう　　　　　　　　　 も　　　こう なか　おい 　　つね　ふぜん こころ いだいて
　　色を作して佛を罵らんは　無量の重罪を獲ん　其れ是の法華經を　讀誦いろ　な　　 ほとけ ののし　　　　むりょう じゅうざい え 　　　そ　　こ　　ほけきょう　どくじゅ
　し持つことあらん者に　須臾も悪言を加えんは　其の罪復彼れに過たも　　　　　　　 もの 　　しゅゆ　あくごん くわ　　　　　　そ つみまたか 　　　すぎん　
　人あつて佛道を求めて　一劫の中に於て　合掌し我が前にあつて　無數ひと　　　 ぶつどう もと　　　　　 こう　なか　おい　　がっしょう わ 　まえ　　　　　　　むしゅの
　偈を以て讃めん　是の讃佛に由るが故に　無量の功�ｺを得ん　持經者を歎げ　　もっ　ほ　　　　　こ　さんぶつ　　よ　　　ゆえ　　むりょう　くどく　　え　　じきょうしゃ たん
　美せんは　其の�ｕ恃ﾞれに過ぎん　八十億劫に於て　最妙の色･聲　及與香み　　　　　　　そ　ふくまたか　　　す　　　　　　　 おっこう おい　さいみょう しき しょう およびこう･
　味・觸を以て　持經者に供養せよ　是の如く供養し已つて　若し須臾も聞み　　そく　もっ　　じきょうしゃ ぎょうよう　　　かく ごと ぎょうよう おわ 　　　　も　　しゅゆ　　き
　くことを得ば　即ち自ら欣慶すべし　我今大利を獲つと　藥王今汝に告え　　 すなわ みずか ごんきょう　　　 われいまだいり 　え　　　 やくおういまなんじ つぐ
　　我が所説の諸經　而も此の經の中に於て　法華最も第一わ　 しょせつ しょきょう しか　こ　きょう　なか　おい　　 ほっけもっと だい　なり

爾の時に佛、復藥王菩薩摩訶薩に告げたまわく､我が所説の經典､無量千萬億そ　　とき ほとけ またやくおうぼさつまかさつ 　つ　　　　　　　　　わ しょせつ きょうでん むりょう まんのく
にして、已に説き今説き當に説かん。而も其の中に於て此の法華經最も是すで　 と　いまと 　まさ　 と　　　　 しか 　そ 　なか　おい　こ　 ほけきょうもっと これ
難信難解なり。藥王此の經は是れ諸佛の秘要の藏なり。分布して妄りに人なんしんなんげ　　 やくおうこ　きょう　こ　しょぶつ　ひよう　ぞう　　　　ふんぷ　　　みだ　　ひとに
授與すべからず。諸佛世尊の守護したもう所なり。昔より已來未だ曾て顯説じゅよ　　　　　　　 しょぶつせそん　しゅご　　　　　ところ 　　むかし　このかたいま かつ けんせつ
せず。而も此の經は如來の現在すら猶お怨嫉多し、況んや滅度の後をや。藥しか　こ　きょう にょらい げんざい　　　な おんしつおお　　いわ　　 めつど　 のち　　　　やく
王、當に知るべし、如來の滅後に其れ能く書持し讀誦し供養し、他人の爲おう　まさ　し　　　　　　にょらい　めつご　　そ　　よ　しょじ　どくじゅ ぎょうよう　　たにん　ために
説かん者は、如來則ち衣を以て之を覆いたもうべし。又他方の現在の諸佛と　　　もの　 にょらいすなわ ころも もっ これ　おお　　　　　　　　　またたほう げんざい しょぶつに
護念せらるることを爲ん。是の人は大信力及び志願力・諸善根力あらん。當ごねん　　　　　　　　　　　え 　　　こ　ひと だいしんりきおよ しがんりき しょぜんごんりき 　　　　まさ
に知るべし、是の人は如來と共に宿するなり。則ち如來の手をもつて其の頭し　　　　　　 こ 　ひと にょらい　とも しゅく　　　　　すなわ にょらい　みて　　　　　 そ こうべ
を摩でたもうを爲ん。藥王、在在處處に若しは説き若しは讀み若しは誦し若な　　　　　　　　 え　　やくおう ざいざいしょしょ も 　　　と　　も　　　 よ 　も　　　じゅ　　も
しは書き若しは經巻所住の處には、皆七寶の塔を起て、極めて高廣嚴飾か　　 も　きょうがんしょじゅう ところ　　 みな　ぽう　とう 　た　　　きわ　こうこうごんじきなら
しむべし。復舍利を安ずることを須いず。所以は何ん、此の中には已に如來またしゃり あん　　　　　　　もち 　　　　ゆ え 　いか　　　こ　 なか　　すで にょらい
　　　　法師品第十 (P208〜209)
の全身います。此の塔をば一切の華・香・瓔珞・�丈竅E幢旛・伎樂・歌頌ぜんしん　　　　　 こ 　とう　　　　 さい　け　　こう ようらく　ぞうがい どうばん　ぎがく 　かじゅを
以て、供養・恭敬・尊重・讃歎したてまつるべし。若し人あつて此の塔を見もっ　ぎょうよう くぎょう そんじゅう さんだん 　　　　　　　　　　　　も　 ひと　　　　　こ　とう　　み
たてまつることを得て礼拝し供養せん。當に知るべし、是等は皆阿耨多羅え　 らいはい ぎょうよう　　　まさ 　し　　　　　　これら　みな あ のくた ら三
藐三菩提に近づきぬ。藥王、多く人あつて在家・出家の菩薩の道を行みゃく ぼだい　ちか　　　　　やくおう　おお　ひと　　　　ざいけ　しゅっけ　 ぼさつ どう ぎょうぜんに、
若し是の法華經を見聞し讀誦し書持し供養すること得ること能わずんば、當も　　こ　　ほけきょう けんもん どくじゅ しょじ ぎょうよう 　　　　　う　　　　あた　　　　　　　まさ
に知るべし、是の人は未だ善く菩薩の道を行ぜざるなり。若し是の經典を聞し　　　　　　 こ 　ひと　いま 　よ　　ぼさつ どう ぎょう　　　　　　　　 も 　こ きょうでん 　き
くこと得ることあらん者は、乃ち能善菩薩の道を行ずるなり。其れ衆生のう　　　　　　　　　 もの 　すなわ　よ く ぼさつ　どう ぎょう　　　　　　　そ　しゅじょう
佛道を求むる者あつて、是の法華經を若しは見､若しは聞き､聞き已つて信解ぶつどう もと　　もの　　　　　 こ　 ほけきょう　も　　　 み　も　　　き　　 き 　おわ 　　しんげ
し受持せば、當に知るべし、是の人は阿耨多羅三藐三菩提に近づくことを得じゅじ　　　 まさ　 し　　　　　　こ　ひと　あのくた ら　みゃく ぼだい　ちか　　　　　　　え
たり。藥王、譬えば人あつて渇乏して水を須いんとして、彼の高原に於て穿やくおう たと　　ひと 　　　かつぼう　　みず　もち　　　　　　　　　か　こうげん おい　せん
鑿して之を求むるに、猶お乾ける土を見ては水尚お遠しと知る。功を施しゃく　これ　もと　　　　　　な　かわ　　 つち 　み　　　みずな　とお　　　し　　　 く ほどこすこ
と已まずして、轉た濕える土を見、遂に漸く泥に至りぬれば、其の心決定しや　　　　　　　　うた うるお　　つち　 み 　つい ようや　どろ　いた　　　　　　　そ こころけつじょう

て水必ず近しと知らんが故く、菩薩も亦復是の如し。若し是の法華經を未みずかなら ちか　　し　　　　　ごと　　　ぼさつ またまたかく　ごと　　　も　　こ　　ほけきょう いまだ
聞かず、未だ解せず、未だ修習すること能わずんば、當に知るべし、是の人き　　　　 いま 　げ　　　　いま しゅしゅう　　　　あた　　　　　　 まさ 　し　　　　　　こ　ひと
は阿耨多羅三藐三菩提を去ること尚お遠し。若し聞解し思惟し修習すあ のくた ら　みゃく ぼだい　 さ　　　　　な 　とお　　 も 　もんげ　　しゆい しゅしゅうること
を得ば、必ず阿耨多羅三藐三菩提に近づくことを得たりと知れ。所以は何え　　 かなら　あのくた ら みゃく　ぼだい　ちか　　　　　　　え　　　　　し　　　ゆ え　いかん、
一切の菩薩の阿耨多羅三藐三菩提は皆此の經に屬せり。此の經は方便の門さい　ぼさつ　 あのくた ら　みゃく　ぼだい　みなこ　きょう ぞく　　　　こ　きょう ほうべん もんを
開いて眞實の相を示す。是の法華經の藏は深固幽遠にして人の能く到ひら　　しんじつ そう　しめ 　　こ　　ほけきょう ぞう　じんこゆおん　　　　ひと 　よ　いたるなし。
今佛、菩薩を教化し成就して爲に開示す。藥王、若し菩薩あつて是の法華經いまほとけ ぼさつ きょうけ じょうじゅ　ため　かいじ　　　やくおう　 も 　ぼさつ　　　　　こ　ほけきょう
を聞いて驚疑し怖畏せん。當に知るべし、是れを新發意の菩薩と爲づく。若き　　 きょうぎ 　ふ い　　　　まさ　 し　　　　　　 こ 　　しんぼつち　 ぼさつ　な 　　　　　も
し聲聞の人、是の經を聞いて驚疑し怖畏せん。當に知るべし、是れを増上慢　しょうもん ひと 　こ　きょう　き　　きょうぎ　　ふ い　　　　まさ　 し　　　　　　 こ　　ぞうじょうまん
の者と爲づく。藥王、若し善男子・善女人あつて、如來の滅後に四衆の爲もの　な　　　　 やくおう 　も　ぜんなんし ぜんにょにん　　　　　にょらい めつご　　　しゅ　ために
是の法華經を説かんと欲せば、云何してか説くべき。是の善男子・善女人こ　　ほけきょう と　　　　 ほっ　　　　いかに 　　　　と　　　　　　こ ぜんなんし ぜんにょにんは、
如來の室に入り、如來の衣を著、如來の座に坐して、爾して乃し四衆の爲にょらい しつ　い 　　にょらい ころも　き　にょらい　ざ　　ざ　　　　しこう　 いま 　　しゅ　ために
　　　　法師品第十 (P210〜211)
廣く斯の經を説くべし、如來の室とは一切衆生の中の大慈悲心是れなり。如ひろ　こ　きょう　と　　　　　 にょらい　しつ　　　さいしゅじょう なか だいじひしんこ　　　　　　にょ
來の衣とは柔和忍辱の心是れなり。如來の座とは一切法空是れなり。是の中らい ころも　にゅうわにんにく こころこ　　　　　にょらい　 ざ　　　　さいほうくうこ　　　　　　こ 　なか
に安住して、然して後に不懈怠の心を以て、 諸 の菩薩及び四衆の爲に、廣あんじゅう　　しこう　　のち 　ふ けだい こころ もっ 　もろもろ　ぼさつおよ 　　しゅ　ため　　ひろ
く是の法華經を説くべし。藥王、我餘國に於て、化人を遣わして其れが爲こ　　ほけきょう　と　　　　　やくおう われよこく おい　　　けにん つか　　　　 そ 　　ために
聴法の衆を集め、亦化の比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷を遣わして其の説法ちょうぼう しゅ あつ　　またけ　　び く　　び く に　　う ばそく　　う ば い 　つか　　　　そ　せっぽう
を聴かしめん。是の 諸 の化人、法を聞いて信受し隨順して逆わじ。若し説き　　　　　　　　こ もろもろ　けにん　ほう　き 　　しんじゅ ずいじゅん さから　　　　も　せっ
法者、空閑の處に在らば、我時に廣く天・龍・鬼�~･乾闥婆･阿修羅等を遣ぽうじゃ くうげん ところ あ 　　　　われとき　ひろ　てん りゅう　きじん けんだつば　あしゅらとう　つかわ
して、其の説法を聴かしめん。我異國に在りと雖も、時時に説法者をして我そ　 せっぽう　き 　　　　　　　われいこく　あ　　 いえど　　じ じ　せっぽうじゃ 　　　　わ
が身を見ることを得せしめん、若し此の經に於て句逗を忘失せば、我還み　　み　　　　　　え　　　　　　　 も　　こ　きょう おい 　くとう もうしつ 　　われかえつて
爲に説いて具足することを得せしめん。爾の時に世尊、重ねて此の義を宣ため　と　　　 ぐそく 　　　　　　　え　　　　　　　　そ　 とき　 せそん　かさ 　　こ 　　ぎ　　のべ
んと欲して、偈を説いて言ほっ　　　　げ　　と 　のたまわく　
　 諸 の懈怠を捨てんと欲せば　當に此の經を聴くべし　是の經は聞もろもろ　 けだい　 す　　　　 ほっ　　　　まさ　こ　きょう　き　　　　　　こ　きょう 　きくこと

　を得難し　信受する者亦難し　人の渇して水を須いんとして　高原を穿鑿えがた　　 しんじゅ　　ものまたかた　　ひと　かっ　　 みず　もち　　　　　　　こうげん せんしゃく
　するに　猶お乾燥ける土を見ては　水を去ること尚お遠しと知る　漸く濕な　　か わ　　 つち 　み　　　　 みず　 さ 　　　　な　 とお　　　し　ようや うるお
　える土泥を見ては　決定して水に近づきぬと知らんが如し　藥王汝當に知どでい　　み　　　　けつじょう 　みず　ちか　　　　　　し 　　　　ごと　やくおうなんじまさ　し
　るべし　是の如き諸人等　法華經を聞かずんば　佛智を去ること甚だ遠かく ごと　しょにんら 　ほけきょう　き　　　　　　　ぶっち　　さ　　　 はなは とおし
　　若し是の深經の　聲聞の法を決了して　是れ諸經の王なるを聞き　聞も　　こ　 じんきょう しょうもん ほう けつりょう 　　　こ　しょきょう おう　　　　き　　　　きき
　已つて諦かに思惟せん　當に知るべし此の人等は　佛の智慧に近おわ　　あきら　　しゆい　　　 まさ 　し　　　　 こ　　ひとら　　ほとけ　ち え　ちかづきぬ　
　若し人此の經を説かば　如來の室に入り　如來の衣を著　而も如來の座も　　ひとこ きょう　と　　　　にょらい　しつ　 い 　　にょらい ころも　き 　しか にょらい 　ざに
　坐して　衆に處して畏るる所なく　廣く爲に分別し説くべし　大慈悲を室ざ　　　　 しゅ しょ　　 おそ 　ところ　　　ひろ　ため ふんべつ　と　　　　　　だいじひ　しつ
　とし　柔和忍辱を衣とし　諸法の空を座とす　此れに處して爲に法を説にゅうわにんにく ころも　　 しょほう　くう 　ざ　　　　　こ　　　しょ　　ため　ほう　　とけ
　　若し此の經を説かん時　人あつて悪口し罵り　刀杖・瓦石を加うとも 佛も　　こ　きょう　と　　　とき　ひと　　　　あっく　ののし 　とうじょう がしゃく くわ　　　ほとけ
　を念ずるが故に忍ぶべし　我千萬億の土に　淨堅固の身を現じて　無量億ねん　　　 ゆえ　しの　　　　　われ　まんのく　ど　　じょうけんご　 み　 げん 　　むりょうおっ
　劫に於て　衆生の爲に法を説く　若し我滅度の後に　能く此の經を説こう おい　　しゅじょう ため ほう 　と 　　　も 　わがめつど　のち 　　よ　　こ　きょう 　とかん
　　　　法師品第十 (P212〜)
　者には　我化の四衆　比丘･比丘尼　及び清信士女を遣わして　法師を供養もの　　　　われけ　　　しゅ 　び く 　び く に 　およ しょうしんじにょ つか　　　　　ほっし ぎょうよう
　せしめ 　諸 の衆生を引導して　之を集めて法を聴かしめん　若し人悪刀もろもろ しゅじょう いんどう　　 これ　あつ　　ほう　 き 　　　　　　　も ひとあくとう
　杖　及び瓦石を加えんと欲せば　則ち變化の人を遣わして　之が爲に衛護じょう およ がしゃく くわ　　　　ほっ　　　すなわ へんげ　 ひと　つか 　　　　　これ　ため　えいご
　と作さん　若し説法の人　獨空閑の處に在つて　寂寞として人の聲な　　　　　 も　 せっぽう ひと ひとりくうげん ところ あ　　　 じゃくまく 　　　ひと　こえなから
　んに　此の經典を讀誦せば　我爾の時に爲に　清淨光明の身を現ぜん　若こ　きょうでん どくじゅ　　　　われそ　とき　 ため しょうじょうこうみょう み げん　　　　　も
　し章句を忘失せば　爲に説いて通利せしめん　若し人是の�ｺを具して　或しょうく もうしつ　　　 ため 　と　　　つうり　　　　　　　　も　 ひとこ　 とく 　ぐ 　　　あるい
　は四衆の爲に説き　空處にして經を讀誦せば　皆我が身を見ることを得しゅ　ため　と　　　くうしょ　　　きょう　どくじゅ　　 みなわ　　み　　み　　　　　　　えん
　　若し人空閑にあらば　我天･龍王　夜叉･鬼�~等を遣わして　爲に聴法も　ひとくうげん　　　　　 われてん りゅうおう やしゃ　きじんとう つか 　　　　ため ちょうぼうの
　衆となさん　是の人法を樂説し　分別して礙なからん　諸佛護念しゅ　　　　　　　 こ ひとほう ぎょうせつ　　ふんべつ　　さわり 　　　　　　しょぶつごねんしたも
　うが故に　能く大衆をして喜ばしめん　若し法師に親近せば　速かに菩薩ゆえ　　 よ　だいしゅ　　　よろこ　　　　　　　も　 ほっし　しんごん　　　すみや　　ぼさつ
　の道を得　是の師に隨順して學せば　恒沙の佛を見たてまつることを得どう　え　　こ　　し　ずいじゅん　がく　　　 ごうじゃ ほとけ み 　　　　　　　　　　　　えん

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　南無先祖養道なむせんそぎょうようどう（三唱）

妙法蓮華經見寶塔品第十一
　　　　見寶塔品第十一 (P213〜)
爾の時に佛前に七寶の塔あり。高さ五百由旬、縦廣二百五十由旬なり。地そ　 とき　ぶつぜん　　ぽう　とう 　　　たか　　　　ゆじゅん じゅうこう　　　　ゆじゅん　　　　じよ
り湧出して空中に住在す。種種の寶物をもつて之を莊校せり。五千の欄楯ゆじゅつ　 くうちゅう じゅうざい　 しゅじゅ ほうもつ 　　　　　これ しょうきょう　　　　　　らんじゅんあ
つて龕室千萬なり。無數の幢旛以て嚴飾となし、寶の瓔珞を垂れ、寶鈴萬億　かんしつ まん　　　　 むしゅ　どうばんもっ ごんじき 　　　　たから ようらく　 た 　ほうりょうまんのく
にして其の上に懸けたり。四面に皆多摩羅跋栴檀の香を出して、世界に充そ　 うえ　 か 　　　　　　　めん　みなた ま らばっせんだん か 　いだ　　　せかい じゅうへん
せり。其の 諸 の旛葢は金・銀・瑠璃・・碼碯・眞珠・瑰の七寶を以そ　 もろもろ ばんがい こん　ごん 　る り　しゃこ　　めのう しんじゅ　まいえ 　　ぽう　もっ
て合成せり､高く四天王宮に至る｡三十三天は天の曼陀羅華を雨して寶塔に供ごうじょう　 たか　　てんのうぐう いた 　　　　　　てん　てん　まんだ ら け　 ふら 　ほうとう ぎょう
養し、餘の諸天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩羅伽よう　　　よ　しょてん りゅう やしゃ けんだつば　　あしゅら　　か る ら　 きんな ら 　　ま ご ら が・
人・非人等の千萬億衆は、一切の華・香・瓔珞・旛葢・伎樂を以て寶塔に供にん　ひにんとう　　まんのくしゅ 　　　さい　 け 　こう ようらく ばんがい　 ぎがく もっ ほうとう ぎょう
養して、恭敬・尊重・讃歌したてまつる。爾の時に寶塔の中より大音聲を出よう　　　　くぎょう そんじゅう さんだん　　　　　　　　　　そ　 とき　ほうとう　うち 　だいおんじょう いだ
して、歎めて言わく、善哉善哉、釋迦牟尼世尊、能く平等大慧・教菩薩法・ほ　　　のたま　　 ぜんざいぜんざい しゃか む に せそん　　よ びょうどうだいえ きょうぼさつぽう
　　　　見寶塔品第十一 (P214〜215)
佛所護念の妙法華經を以て大衆の爲に説きたもう。是の如し、是の如し。釋ぶっしょごねん みょうほけきょう もっ だいしゅ ため と　　　　　　　 かく　ごと 　　かく　ごと　　しゃ
迦牟尼世尊所説の如きは皆是れ眞實なり。爾の時に四衆、大寶塔の空中に住　か む に せそんしょせつ ごと　　　みなこ　しんじつ　　　　そ　 とき　　 しゅ だいほうとう くうちゅう じゅう
在せるを見、又塔の中より出したもう所の音聲を聞いて皆法喜を得、未曾有ざい　　　　み 　またとう うち　　 いだ 　　　　ところ おんじょう き　　 みなほうき 　え　　みぞうう
なりと怪み、座より而も起つて恭敬合掌し、却つて一面に住す。爾の時に菩あやし　　ざ　　　しか　 た 　　くぎょうがっしょう　 さ　　　　 めん じゅう 　　そ 　とき　　ぼ
薩摩訶薩あり、大樂説と名く。一切世間の天･人･阿修羅等の心の所疑を知さつまかさつ　　 だいぎょうせつ なづ　　　さいせけん てん にん あしゅらとう こころ しょぎ　　し
つて、佛に白して言さく、世尊、何の因縁を以てか此の寶塔あつて地より涌ほとけ もう　　もう　　　　せそん　なん　いんねん　もっ　　　こ　ほうとう　　　　じ　　　　ゆ
出し、又其の中より是の音聲を發したもう。爾の時に佛、大樂説菩薩に告じゅつ　 またそ　 うち　　　こ　おんじょう ほっ　　　　　　　そ　とき ほとけ だいぎょうせつぼさつ　つげ
たまわく、此の寶塔の中に如來の全身います。乃往過去に、東方の無量千萬こ　 ほうとう　うち にょらい　ぜんしん　　　　　ないおうか こ 　　とうぼう　むりょう まん
億阿僧祇の世界に、國を寶淨と名く。彼の中に佛います、號を多寶のくあそうぎ　 せかい　　 くに ほうじょう なづ 　　か　 なか ほとけ　　　　　な　　たほうという。
其の佛本菩薩の道を行ぜし時、大誓願を作したまわく、若し我成佛して滅度そ　ほとけもとぼさつ どう ぎょう　 とき だいせいがん　な 　　　　　　　　　も われじょうぶつ 　めつど
の後、十方の國土に於て法華經を説く處あらば、我が塔廟是の經を聴のち　　ぽう　こくど　 おい　 ほけきょう　と　ところ　　　　　わ　とうみょうこ きょう　きかんが
爲の故に、其の前に涌現して、爲に證明と作つて、讃めて善哉といわん。彼ため　ゆえ　　　そ　 まえ 　ゆげん 　　　ため しょうみょう な　　　　 ほ 　　 ぜんざい 　　　　　　　か

の佛成道し已つて、滅度の時に臨んで天・人・大衆の中に於て、諸の比丘ほとけじょうどう おわ　　　 めつど 　とき　のぞ　　　てん　にん　だいしゅ なか 　おい　 もろもろ　び くに
告げたまわく、我が滅度の後我が全身を供養せんと欲せん者は、一の大塔つ　　　　　　　　　 わ 　めつど　のちわ　ぜんしん ぎょうよう　　　ほっ 　　もの 　　　　だいとうを
起つべし。其の佛、�~通願力を以て、十方世界の在在處處に、若し法華經をた　　　　　　 そ　ほとけ じんづうがんりき もっ 　　　ぽうせかい ざいざいしょしょ 　　も　　ほ け きょう
説くことあれば、彼の寶塔皆其の前に涌出して、全身、塔の中に在して讃と　　　　　　　　　　　　か　ほうとうみなそ　 まえ　ゆじゅつ 　　　ぜんしん　とう　うち　ましま　　　ほめ
て善哉善哉と言う。大樂説、今多寶如來の塔、法華經を説くを聞ぜんざいぜんざい のたも だいぎょうせつ いまたほうにょらい とう 　ほ けきょう　と　　　　ききたまわん
が故に、地より涌出して讃めて善哉善哉と言う。是の時に大樂説菩薩、如來ゆえ　　　じ　　　 ゆじゅつ　　 ほ　　ぜんざいぜんざい のたも　　 こ　とき だいぎょうせつぼさつ にょらい
の�~力を以ての故に、佛に白して言さく、世尊、我等願わくは此の佛身を見じんりき もっ　　 ゆえ　 ほとけ もう 　　もう 　　　　せそん　われらねが　　　　こ 　ぶっしん 　み
たてまつらんと欲す。佛、大樂説菩薩摩訶薩に告げたまわく、是の多寶佛深ほっ　　ほとけ だいぎょうせつぼさつまかさつ　つ 　　　　　　　　　　こ　たほうぶつじん
重の願います。若し我が寶塔、法華經を聴かんが爲の故に諸佛の前に出じゅう がん　　　　　 も　　わ　ほうとう　 ほけきょう　き　　　　 ため　ゆえ　しょぶつ みまえ　いでん
時、其れ我が身を以て四衆に示さんと欲することあらば、彼の佛の分身の諸とき　そ　　わ　　み　 もっ 　　しゅ しめ　　　　ほっ　　　　　　　　　　　 か ほとけ ふんじん しょ
佛十方世界に在して説法したもうを、 盡 く一處に還し集めて、然して後ぶつ　ぽうせかい ましま 　せっぽう　　　　　　　　ことごと　　しょ　かえ　あつ 　　　しこう　　のちに
我が身乃ち出現せんのみ。大樂説、我が分身の諸佛十方世界に在つて説法わ　　みすなわ しゅつげん　　　　　 だいぎょうせつ　わ　 ふんじん　しょぶつ　ぽうせかい 　あ　　　せっぽうす
　　　　見寶塔品第十一 (P216〜217)
る者を、今當に集むべし。大樂説、佛に白して言さく、世尊、我等亦願もの　　いままさ　あつ 　　　　だいぎょうせつ ほとけ もう　　 もう　　　　せそん　われらまたねがわく
は世尊の分身の諸佛を見たてまつり禮拝し供養せんと欲す。爾の時に佛白毫　せそん　ふんじん しょぶつ　 み　　　　　　　らいはい ぎょうよう 　　　ほっ　　　 そ とき ほとけびゃくごう
の一光を放ちたもうに、即ち東方五百萬億那由他恒河沙等の國土の諸佛を見こう　はな 　　　　　　　　すなわ とうぼう 　　まんのくな ゆ たごうがしゃとう 　こくど　しょぶつ　　み
たてまつる。彼の 諸 の國土は皆頗黎を以て地となし、寶樹・寶衣以て莊嚴　か　 もろもろ こくど 　みなは り 　もっ 　じ　　　　　 ほうじゅ　ほうえもっ しょうごん
として、無數千萬億の菩薩其の中に充滿せり。く寶幔を張つて寶網上に羅むしゅ　まんのく　 ぼさつ そ　なか じゅうまん　　　あまね ほうまん　は　　ほうもううえ　　か
けたり。彼の國の諸佛、大妙音を以て諸法を説きたもう。及び無量千萬億か　 くに　しょぶつ だいみょうおん もっ しょほう　と　　　　　　　　およ むりょう まんのくの
菩薩の、諸國に滿して衆の爲に法を説くを見る。南・西・北方・四維・上･ぼさつ　　 しょこく へんまん　　しゅ　ため　ほう　 と 　　　み　　　なん ざい　ほっぽう　　ゆい じょう
下、白毫相の光の所照の處も亦復是の如げ　 びゃくごうそう ひかり しょしょう ところ　またまたかく　ごとし。　
爾の時に十方の諸佛、 各　衆 の菩薩に告げて言わく、善男子、我今娑婆世そ　 とき　　　ぽう しょぶつ おのおのもろもろ ぼさつ　 つ 　　のたま　　　ぜんなんし　われいましゃばせ
界の釋迦牟尼佛の所に往き、并に多寶如來の寶塔を供養すべし。時に娑婆世かい　しゃか む にぶつ　みもと　ゆ　　 ならび たほうにょらい ほうとう ぎょうよう　　　　　とき 　しゃば　せ
界即ち變じて清淨なり。瑠璃を地となして寶樹莊嚴し、黄金を縄として以かいすなわ へん　しょうじょう　　　 る り　　じ 　　　　　ほうじゅしょうごん　 おうごん　なわ　　　　もって
八道を界い、 諸 の聚落・村營・城邑・大海・江河・山川・林藪なく、大寶どう　さか　もろもろ じゅらく しゅんにょう じょうおう だいかい こうが　せんぜん　りんそう 　　　だいほう

の香を焼き、曼陀羅華く其の地に布き、寶の網幔を以て其の上に羅け覆こう　た　　　まんだ ら けあまね　そ　　じ　　し　　たから もうまん　もっ 　そ 　うえ　 か 　おおい
　諸 の寶鈴を懸けたり。唯此の會の衆を留めて、 諸 の天･人を移して他土もろもろ ほうりょう か　　　　　　ただこ　　え　 しゅ　とど　　　もろもろ　てん にん　うつ 　　　た どに
置く。是の時に諸佛、 各 一りの大菩薩を將いて以て侍者とし、娑婆世界お　　　　こ　 とき しょぶつ おのおのひと 　だいぼさつ　ひき　　 もっ　 じしゃ　　　　しゃば せかいに
至つて 各 寶樹の下に到りたもう。一一の寶樹高さ五百由旬、枝・葉・華いた　おのおのほうじゅ もと いた　　　　　　　　　　 ほうじゅたか 　　　ゆじゅん　し　よう　　け・
果、次第に莊嚴せり。 諸 の寶樹下に皆師子の座あり、高さ五由句。亦大寶か　　 しだい しょうごん　　　もろもろ ほうじゅげ 　みな し し　　ざ 　　　　たか　　ゆじゅん まただいほう
を以て之を校飾せり。爾の時に諸佛、 各 此の座に於て結跏趺坐もっ　これ きょうじき　　　 そ 　とき しょぶつ おのおのこ　　ざ　 おい　けっか ふ　ざしたもう。
是の如く展轉して三千大千世界に滿せり。而も釋迦牟尼佛の一方所分の身かく　ごと　てんでん　　　　　だい　　せかい　へんまん　　　 しか　しゃ か む にぶつ　　 ぽうしょふん 　み
に於て、猶故未だ盡きず。時に釋迦牟尼佛、所分身の諸佛を容受せんと欲おい　　　な おいま　 つ 　　　　とき　しゃ か む にぶつ しょふんじん しょぶつ　ようじゅ 　　　ほっす
るが故に、八方に 各 更に二百萬億那由他の國を變じて、皆清淨なゆえ　　　　ぽう おのおのさら　　　まんのくな ゆ た　　くに　へん 　　みなしょうじょうらしめた
もう。地獄・餓鬼・畜生及び阿修羅あることなし。又諸の天・人を移して他じごく　　が き ちくしょうおよ　あしゅら 　　　　　　　　　またもろもろ てん にん　うつ 　　　た
土に置く。所化の國亦瑠璃を以て地と爲し寶樹莊嚴せリ。樹の高さ五百由旬ど　　 お　　　しょけ　　くにまたる り 　もっ　 じ 　　な ほうじゅしょうごん　　　 き　　たか 　　　ゆじゅん、
枝・葉・華・果、次第に巌飾せり。樹下に皆寶の師子座あり、高さ五由旬｡し　　よう 　け　　か　　しだい　ごんじき　　　 じゅげ　みなたから し し ざ　　　　　たか 　　ゆじゅん
　　　　見寶塔品第十一 (P218〜219)
種種の諸寶以て莊校とす。亦大海・江河及び目眞鄰陀山・摩訶目眞鄰陀山しゅじゅ しょほうもっ しょうきょう　　 まただいかい　こうがおよ 　もくしんりんだせん　 ま かもくしんりんだせん・
鐵圍山・大鐵圍山・須彌山等の諸山の王なく、通じて一佛國土となつて寶地てっちせん　だいてっちせん　しゅみせんとう しょせん　おう　　　　つう　　　　ぶつこくど 　　　　　　ほうぢ
平正なり。寶をもつて交露せる幔く其の上に覆い、 諸 の旛葢を懸け、大びょうじょう　 たから　　　　 きょうろ 　　まんあまね そ 　うえ　おお　　もろもろ　ばんがい　か　　　だい
寶の香を焼き、諸天の寶華く其の地に布けり。釋迦牟尼佛、諸佛の當に來ほう　こう　 た 　　しょてん　ほうけあまね　そ 　 じ 　　し 　　　　しゃか む にぶつ　しょぶつ　まさ　きた
り坐したもうべきが爲の故に、復八方に於て、 各 二百萬億那由他の國を變ざ　　　　　　　　　　ため　ゆえ　　 また ぽう　おい　 おのおの 　まんのくな ゆ た　くに　へん
じて、皆清淨ならしめたもう。地獄・餓鬼・畜生及び阿修羅みなしょうじょう　　　　　　　　　　　じごく　　が き ちくしょうおよ　あしゅ らあることなし。
又諸の天・人を移して他土に置く。所化の國亦瑠璃を以て地と爲し寶樹莊嚴　またもろもろ てん にん うつ　　 た ど　　お　　　 しょけ　くにまたる り 　もっ　　じ　　な ほうじゅしょうごん
せり。樹の高さ五百由旬、枝・葉・華・果、次第に莊嚴せり。樹下に皆寶き　　たか 　　　　ゆじゅん　し　よう　　け　　か　　しだい しょうごん　　　じゅげ みなたからの
師子座あり、高さ五由旬。亦大寶を以て之を校飾せり。亦大海・江河及び目し　し ざ　　　　 たか 　　ゆじゅん まただいほう もっ これ きょうじき　　　まただいかい こうがおよ　もく
眞鄰陀山・摩訶目眞鄰陀山・鐵圍山・大鐵圍山・須彌山等の諸山の王しんりんだせん　ま かもくしんりんだせん　てっちせん　だいてっちせん　しゅみせんとう　しょせん　おうなく、
通じて一佛國土となつて寶地平正なリ。寶をもつて交露せる幔く其の上つう　　　 ぶつこくど 　　　　ほうじびょうじょう　　たから　　　　きょうろ　　まんあまね そ 　うえに
覆い、 諸 の旛葢を懸け、大寶の香を焼き、諸天の寶華く其の地に布おお　 もろもろ ばんがい　か　　　だいほう こう 　た　　 しょてん　ほうけあまね そ　　じ　　しけり。

爾の時に東方の釋迦牟尼佛の所分の身の百千萬億那由他恒河沙等の國土の中そ　　とき とうぼう　しゃか む にぶつ　しょふん 　み　　　　 まんのくなゆたごうがしゃとう　こくど 　なか
の諸佛、各各に説法したまえる此に來集せり。是の如く次第に十方の諸佛皆しょぶつ かくかく せっぽう　　　　　　　ここ　らいしゅう　　　 かく　ごと 　しだい　　 ぽう しょぶつみな
　悉 く來集して、八方に坐したもう。爾の時に一一の方の四百萬億那由他ことごと らいしゅう　　　　　ぽう 　ざ　　　　　　　　そ 　とき 　　　　　 ほう　　　　まんのくな ゆ　たの
國土に、諸佛如來其の中に滿したまえり。是の時に諸佛 各 寶樹下に在しこくど　　しょぶつにょらいそ　なか　へんまん　　　　　　　　　こ 　とき しょぶつおのおのほうじゅげ ましま
て師子座に坐し、皆侍者を遣わして釋迦牟尼佛を問訊したもう。 各 寶華をし し ざ　　ざ　　　みなじしゃ　つか　　　 しゃか む にぶつ もんじん 　　　　　　おのおのほうけ
齎ち掬に滿てて、之に告げて言わく、善男子、汝耆闍崛山の釋迦牟尼佛の所も　　きく　 み 　　　　これ　　つ 　　のたま 　　　ぜんなんし なんじぎしゃくせん　しゃか む にぶつ みもと
に往詣して我が辭の如く曰せ、少 病 少 悩、氣力安樂にましますや。及び菩おうけい　　 わ　ことば　ごと　もう しょうびょうしょうのう けりきあんらく　　　　　　　　　　およ　　ぼ
薩・聲聞衆 悉 く安穏なりや不やと。此の寶華を以て佛に散じ供養して、是さつ しょうもんしゅことごと あんのん　　いな　　　　 こ 　　ほうけ　 もっ ほとけ　さん ぎょうよう 　　　　こ
の言をなせ、彼の某甲の佛此の寶塔を開かんと與欲すと。諸佛使を遣ことば　　　　　か 　それがし ほとけこ　ほうとう　ひら 　　　　よよく　　　しょぶつつかい つかわした
もうこと亦復是の如し。爾の時に釋迦牟尼佛、所分身の諸佛悉く已に來集しまたまたかく ごと 　　そ　　とき　しゃかむにぶつ しょふんじん しょぶつことごと すで らいしゅう
て、各各に師子の座に坐したもうを見わし、皆諸佛の同じく寶塔を開かくかく　し し　　ざ　　ざ　　　　　　　みそな　　　みなしょぶつ　おな　　 ほうとう ひらかんと
與欲したもうを聞こしめして、即ち座より起つて虚空の中に住よよく　　　　　　　 き 　　　　　　　　すなわ　ざ　　　 た 　　　こくう なか じゅうしたもう。一
　　　　見寶塔品第十一 (P220〜221)
切の四衆起立合掌し、一心に佛を觀たてまつる。是に釋迦牟尼佛右の指を以さい　 しゅきりゅうがっしょう　　しん　ほとけ　み　　　　　　　　　 ここ　しゃか む にぶつみぎ　ゆび　もっ
て七寶塔の戸を開きたもう。大音聲を出すこと、關鑰を却けて大城の門を開ぽうとう とぼそ ひら　　　　　　 だいおんじょう いだ　　　　　 けんやく　さ 　　だいじょう もん　ひら
くが如し。即時に一切の衆會、皆多寶如來の寶塔の中に於て師子座に坐ごと　　 そくじ　　　さい　しゅえ　みなたほうにょらい ほうとう　うち　おい 　 し し ざ 　　ざした
まい、全身散ぜざること禪定に入るが如くなるを見、又其の善哉善哉釋迦牟ぜんしんさん　　　　　　ぜんじょう い 　　　ごと　　　　　　 み 　またそ　ぜんざいぜんざいしゃかむ
尼佛、 快 く是の法華經を説きたもう。我是の經を聴かんが爲の故に而も此にぶつ　こころよ　こ　　ほ けきょう と 　　　　　　　われこ　きょう　き 　　　　ため　ゆえ　しか　ここ
に來至せりと言うを聞く。爾の時に四衆等、過去の無量千萬億劫に滅度らいし　　　　のたも 　　き　　　 そ 　とき 　　しゅら　　か こ　むりょう まんのっこう　めつどした
まいし佛の、是の如き言を説きたもうを見て、未曾有なりと歎じ、天の寶華ほとけ　 かく　ごと ことば　と　　　　　　　　み　　　 みぞうう　　　　 たん 　　てん 　ほうけ
聚を以て多寶佛及び釋迦牟尼佛の上に散ず。爾の時に多寶佛、寶塔の中に於じゅ　もっ　たほうぶつおよ しゃか む に ぶつ みうえ さん　　　そ　 とき　たほうぶつ　ほうとう うち　おい
て、半座を分ち釋迦牟尼佛に與えて、是の言をなしたまわく、釋迦牟尼佛此はんざ　わか　しゃか む にぶつ　あた　　　　こ　ことば 　　　　　　　　　　しゃか む にぶつこ
の座に就きたもうべし。即時に釋迦牟尼佛其の塔中に入り、其の半座に坐ざ　　つ　　　　　　　　　　　そくじ　 しゃか む にぶつそ　たっちゅう い 　　　そ　　はんざ　　ざし
て結跏趺坐したもう。爾の時に大衆、二如來の七寶塔中の師子座上に在しけっか ふ ざ　　　　　　　　そ　　とき　だいしゅ　　にょらい 　ぽうとうちゅう し しざじょう　ましまて
結跏趺坐したもうを見たてまつり、 各 是の念をなさく、佛高遠に坐けっか ふ ざ　　　　　　　 み 　　　　　　　おのおのこ　 ねん 　　　　　ほとけこうおん　ざしたま

えり。唯願わくは如來、�~通力を以て我が等輩をして倶に虚空に處ただねが　　　 にょらい じんづうりき もっ 　わ　 ともがら　　　　とも　こくう 　しょせしめた
まえ。即時に釋迦牟尼佛、�~通力を以て 諸 の大衆を接して皆虚空に在そくじ　 しゃか む にぶつ じんづうりき　もっ もろもろ だいしゅ　せっ　　みなこくう　　おきた
もう。大音聲を以て普く四衆に告げたまわく、誰か能く此の娑婆國土に於だいおんじょう もっ あまね 　　しゅ 　つ　　　　　　　　　 たれ 　よ　　こ　 しゃばこくど 　おいて
廣く妙法華經を説かん。今正しく是れ時なり。如來久しからずして當に涅槃ひろ みょうほけきょう と　　　　いままさ　　 こ 　とき 　　　にょらいひさ　　　　　　　　まさ　ねはん
に入るべし。佛、此の妙法華經を以て付屬して在ることあらしめんと欲い　　　　　　ほとけ　こ　みょうほけきょう もっ 　ふぞく　　　あ 　　　　　　　　　　　　　ほっす。
爾の時に世尊、重ねて此の義を宣べんと欲して、偈を説いて言そ　 とき　 せそん　かさ　　　こ　　ぎ　　の　　　　ほっ 　　　　げ　　と 　のたまわく　
　聖主世尊　久しく滅度したもうと雖も　寶塔の中に在して　尚お法の爲しょうしゅせそん ひさ　　 めつど 　　　　　　いえど　　ほうとう うち ましま　　　　な　ほう　ために
　來りたまえり　諸人云何ぞ　勤めて法の爲にせざらん　此の佛滅度きた　　　　　　　　しょにんいかん　　つと 　　ほう　ため 　　　　　　　　こ ほとけめつどしたま
　いて　無央數劫なり　處處に法を聴きたもうことは　遇い難きを以ての故むおうしゅこう　　 しょしょ ほう 　き　　　　　　　　　　　　あ　がた 　　もっ　　ゆえ
　なり　彼の佛の本願は　我滅度の後　在在所往に　常に法を聴かんが爲か　 ほとけ ほんがん　　われめつど　のち ざいざいしょおう　　つね　ほう 　き 　　　　ために
　せん　又我が分身　無量の諸佛　恒沙等の如く　來れる法を聴き　及び滅またわ　ふんじん　むりょう しょぶつ ごうじゃとう ごと 　　きた　　　ほう 　き　　　およ　めつ
　度の　多寶如來を見たてまつらんと欲して　 各 妙土　及び弟子衆　天ど　　　たほうにょらい　み　　　　　　　　　　 ほっ　　　おのおのみょうど およ 　で ししゅ　てん・
　　　　見寶塔品第十一 (P222〜223)
　人・龍�~　諸の供養の事を捨てて　法をして久しく住せしめんが故に　此にん りゅうじん もろもろ ぎょうよう じ　　す　　　　 ほう　　　　ひさ　　じゅう 　　　　　　 ゆえ 　　ここ
　に來至したまえり　諸佛を坐せしめんが爲に　�~通力を以て　無量の衆らいし　　　　　　　　しょぶつ　ざ　　　　　　　ため　　じんづうりき もっ　　むりょう しゅを
　移して　國をして清淨ならしむ　諸佛各各に　寶樹下に詣りたもう　清涼池　うつ　　　　くに　　　しょうじょう　　　　　しょぶつかくかく　 ほうじゅげ　いた 　　　　　　しょうりょうち
　の　蓮華莊嚴せるが如し　其の寶樹下の　諸の師子座に　佛其の上に坐れんげしょうごん　　　 ごと　　　そ 　ほうじゅげ　 もろもろ し し ざ　　 ほとけそ　うえ　　ざし
　たまいて　光明嚴飾せること　夜の闇の中に　大なる炬火を然せるが如こうみょうごんじき　　　　　 よる　やみ　なか　　おおい　　こ か　　とも 　　　ごとし
　　身より妙香を出して　十方の國にじたもう　衆生薫を蒙つて　喜 自　み　　 みょうこう いだ　　　　　　ぽう　くに　へん　　　　　しゅじょうにおい こうむ 　よろこびみずか
　ら勝えず　譬えば大風の　小樹の枝を吹くが如し　是の方便を以て　法た　　　　 たと 　　だいふう　しょうじゅ えだ　 ふ　　　ごと　　　こ　 ほうべん もっ 　　ほうを
　して久しく住せしむ　 諸 の大衆に告ぐ　我が滅度の後に　誰か能く斯ひさ　　じゅう　　　　もろもろ だいしゅ　つ　　　 わ　　めつど　のち　　たれ　　よ　　この
　經を　護持し讀誦せん　今佛前に於て　自ら誓言を説け　其れ多寶佛　久きょう　　ご じ　どくじゅ　　　いまぶつぜん おい　　みずか せいごん　と　　　　そ　たほうぶつ　ひさ
　しく滅度したもうと雖も　大誓願を以て　師子吼したもう　多寶如來　及めつど　　　　　　 いえど 　だいせいがん もっ　　　し し く　　　　　　　たほうにょらい およ
　與我が身　集むる所の化佛　當に此の意を知るべし　 諸 の佛子等　誰び わ　　み　　あつ　 ところ　けぶつ　まさ 　こ　こころ　し　　　　　もろもろ ぶっしとう　たれか
　能く法を護らん　當に大願を發して　久しく住することを得よ　 ほう　まも　　　　まさ だいがん おこ　　　　ひさ 　じゅう　　　　　　　えせしむべし　

　其れ能く此の經法を　護ることあらん者は　則ち爲れ我及び　多寶を供養　そ　　よ　　こ きょうぼう　　まも　　　　　　　　もの　　すなわ こ 　われおよ 　　たほう ぎょうよう
　するなり　此の多寶佛　寶塔に處して　常に十方に遊びたもう　是の經こ　　たほうぶつ ほうとう しょ　　　　つね　　 ぽう　あそ　　　　　　　こ きょうの
　爲の故なり　亦復 諸 の　來りたまえる化佛の　 諸 の世界を　莊嚴し光ため ゆえ　　　 またまたもろもろ　きた 　　　　　　　けぶつ　　もろもろ　せかい 　しょうごん こう
　飾したもう者を供養するなり　若し此の經を説かば　則ち爲れ我　多寶如じき　　　　　もの ぎょうよう　　　　　　も　　こ　きょう と　　　　すなわ　こ　われ　たほうにょ
　來　及び 諸 の化佛を見たてまつるなり　 諸 の善男子　 各 諦かに思惟らい およ もろもろ　けぶつ　 み 　　　　　　　　　　もろもろ ぜんなんし おのおのあきら　しゆい
　せよ　此は爲れ難事なり　宜しく大願を發すべし　諸餘の經典　數恒沙のこれ　こ　 なんじ 　　　　よろ　　だいがん　おこ　　　　　しょよ きょうでん　かずごうじゃ
　如し　此れ等を説くと雖も　未だ難しと爲すに足らず　若し須彌を接ごと　　 こ　　ら　　と　　いえど　　いま　かた　　 な 　　　た　　　　　も 　しゅみ　　とつて
　　他方の無數の佛土に擲げ置かんも　亦未だ難しとせず　若し足の指を以たほう　むしゅ　ぶつど 　な　　お　　　　　またいま かた　　　　　　　も　あし　ゆび もっ
　て　大千界を動かし　遠く他國に擲んも　亦未だ難しとせず　若し有頂にだい かい　うご　　　　とお 　たこく　なげ　　　　またいま かた　　　　　　　も　　うちょう
　立つて　衆の爲に　無量の餘經を演説せんも　亦未だ難しとせず　若し佛た　　　　　しゅ ため　　　むりょう よきょう えんぜつ　　　　またいま　かた 　　　　　　　も ほとけ
　の滅度に　悪世の中に於て　能く此の經を説かん　是れ則ち難めつど　　 あくせ 　なか　おい　　　よ　 こ　きょう　と　　　　　こ すなわ かたしとす　
　假使人あつて　手に虚空を把つて　以て遊行すとも　亦未だ難たといひと　　　　　　て　　こくう 　と　　　　 もっ 　ゆぎょう　　　　　またいま かたしとせず　
　　　　見寶塔品第十一 (P224〜225)
　我が滅後に於て　若しは自らも書き持ち　若しは人をしても書わ　　めつご　おい　　　も　　 みずか　　　か 　たも　　　も　　　ひと 　　　　　　かかしめん　
　是れ則ち難しとす　若し大地を以て　足の甲の上に置いて　梵天に昇こ　すなわ　かた 　　　　　も　　だいぢ　もっ　　　あし　つめ　うえ　 お 　　　　ぼんでん のぼら
　んも　亦未だ難しとせず　佛の滅度の後に　悪世の中に於て　暫くも此またいま かた　　　　　　ほとけ めつど　 のち 　　あくせ　 なか　おい 　しばら　　　この
　經を讀まん　是れ則ち難しとす　假使劫焼に　乾ける草を擔い負きょう よ　　　　　こ　すなわ かた 　　　　　たといこうしょう　 かわ 　　くさ　にな　　おうて　
　中に入つて焼けざらんも　亦未だ難しとせず　我が滅度の後に　若し此なか　い　　　 や 　　　　　　　　またいま かた　　　　　　　 わ　　めつど　のち　　　も　　この
　經を持つて　一人の爲にも説かん　是れ則ち難しとす　若し八萬きょう たも　　　　　にん　ため　　　と　　　　　こ　すなわ　かた　　　　　　も　　　まん四千の
　法藏　十二部經を持つて　人の爲に演説して　 諸 の聴かん者ほうぞう　　　ぶきょう たも　　　　ひと　ため えんぜつ　　　もろもろ　き　　　ものをして　六
　�~通を得せしめん　能く是の如くすと雖も　亦未だ難しとせず　我が滅後じんづう　え　　　　　　　　よ　かく　ごと　　　 いえど　　またいま かた 　　　　　　　わ　　めつご
　に於て　此の經を聴受して　其の義趣を問わん　是れ則ち難しとす　若おい　　　こ きょう ちょうじゅ　　　　そ　　ぎしゅ　　と　　　　　こ　すなわ かた　　　　　　　も
　し人法を説いて　千萬億無量無數　恒沙の衆生をして　阿羅漢を得　六�~ひとほう　と　　　　　まんのくむりょうむしゅ ごうじゃ しゅじょう　　　　　 あ らかん 　え　　　じん
　通を具せしめん　是の益ありと雖も　亦未だ難しとせず　我が滅後に於づう　ぐ　　　　　　　　こ　 やく 　　　いえど　 またいま　かた　　　　　　　 わ 　めつご　おいて
　　若し能く斯の如き　經典を奉持せん　是れ則ち難しとす　我佛道を爲も　　よ　　かく　ごと　 きょうでん　ぶ じ　　　　　こ　すなわ　かた 　　　　　われぶつどう　え

　て　無量の土に於て　始より今に至るまで　廣く諸經を説く　而も其の中むりょう　ど 　おい 　　はじめ　　いま　いた　　　　　 ひろ　しょきょう と　　　 しか 　そ 　なか
　に於て　此の經第一なり　若し能く持つことあるは　則ち佛身を持おい　　 こ きょうだい 　　　　　も　　よ　たも　　　　　　　　　すなわ ぶっしん たもつなり
　　 諸 の善男子　我が滅後に於て　誰か能く此の經を　受持し讀誦もろもろ ぜんなんし　　わ　 めつご 　おい　　 たれ　よ　　こ　きょう　　じゅじ どくじゅせん　
　今佛前に於て　自ら誓言を説け　此の經は持ち難し　若し暫くも持つ者いまぶつぜん おい　みずか せいごん　と　　　　こ　きょう たも　がた　　　も　しばら　 たも　ものは
　　我即ち歡喜す　諸佛も亦然なり　是の如きの人は　諸佛の歎めたもう所われすなわ かんぎ　　しょぶつ またしか　　　　かく　ごと 　　ひと　　 しょぶつ　ほ　　　　　ところな
　り　是れ則ち勇猛なり　是れ則ち精進なり　是れを戒を持ち　頭陀を行こ　すなわ ゆうみょう　　　こ　すなわ しょうじん　　　 こ　　　かい　たも　　　ず だ ぎょうず
　る者と名く　則ち爲れ疾く　無上の佛道を得たり　能く來世に於て　此もの なづ　　すなわ 　こ　　と　　 むじょう ぶつどう　え　　　　　よ　 らいせ 　おい　　　この
　經を讀み持たんは　是れ眞の佛子　淳善の地に住するなり　佛の滅度の後きょう よ　 たも　　　　　　こ　 しん　ぶっし じゅんぜん　じ　じゅう　　　　　　ほとけ　めつど　のち
　に　能く其の義を解せんは　是れ 諸 の天・人　世間の眼なり　恐畏の世よ　　そ　　ぎ　　げ　　　　　　こ　もろもろ てん　にん　せけん まなこ　　　　く い　　よ
　に於て　能く須臾も説かんは　一切の天・人　皆供養すおい　　 よ 　しゅゆ　　と　　　　　　　 さい　てん にん みなぎょうようべし　

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