趣　意　書

　現代の青年諸氏に告ぐ

　一、現在の私たちが生きてゆく此の世の中は、輝かしい物質文明の極点を思わせる時であるが、その反面では、いよいよ種々の災禍が、例えば、病(健康の混乱)・貧(生活の当惑)・争(生命の危険)が、妖怪の如く私達の頭上に襲いかかってきている。
　一、そして、これらの恐るべき日常の災禍の外に、全人類の世界的大災禍の本格的な爆発は、もうすぐそこのわが身近にまでせまって来ていて、今はすでに秒読みの段階にはいっているとまで言われていることは、あなたもすでにご存じであろう。
　一、いや、あなたご自身が、あなたの御家庭が、あなたの日々のお仕事が、そしてあなたの住む町が村が社会が、この恐ろしい妖怪に襲いかかられている数多くの事実を、あなたご自身の、この目で、この耳で、この体でまちがいなく日々に体験し、日々に見聞しておられる事と思う。
　一、私達は、さし当たってこの恐るべき妖怪の如くなる種々の災禍と、将(まさ)にまちがいなく襲いかかるであろう全人類への大災禍からも、願わくは、我が身と我が最愛の父母や妻子を、わが町や村、わが社会を護(まも)らねばならない。
　一、そこで、今までは、機械と技術〜科学が歴史的にも幾度もあった人間の危機を乗りこえて来た。しかしいまは、機械と技術が先頭に立って、人間に惨たんたる打撃を加えようとしている。
　一、見よ。宗教ですら闘争の仲間に加わった。最も進歩的であると自称するこの国の宗教団体は、最も闘争的ではないか。
　神のみ名において“博愛”を唯一の看板とする、国々が打ちこむ一発の爆弾は、風下600キロまでを全滅するという。

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　是の時・此處に　金剛の如き不壊の行法存(あ)り
　　　　　　　　　真珠の如き清浄の教授在(いま)す
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　私たちは、偶々(たまたま)、是の行法と此の教授に値遇(めぐれあう)することができたのである。
　一、青年よ来たりて団結せよ。そして共に相睦み相励まして、学んでは実践し、行じては学んで、この残忍なる妖怪を自己から、わが家から〜すべての人間から退散せしめようではないか。

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　とぼし火を　燭火にうつす　春の宵
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　一、古来、世界にも、わが国にもいく度となく破局がきた。その度ごとにこれを打ち破ったのは、悉く“時”の青年の力であることは、人類の歴史がこれを物語っているではないか。今は偶々(たまたま)その“時”である。(偶々とは偶然のことではない。全くピッタリとその時代であるということである。)
　一、重ねて言う。青年よ来たれ！　しかして、われらの純正な情熱を燃やそう。(情熱のない青年は生きながらの死者であると言う。)
　一、その時、やがて、あなたの人生、あなたの家、あなたの町、あなたの社会に、輝いた楽しい春宵がまちがいなく訪れるであろう。

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