恩師の御法話・第二部

　　　「ご法名について」 （昭和51年6月1日…九十九里本営にて）

　いま茂木が話したご法名を集めるのだが、それはね、二千体も三千体もということは、それは簡単にはいかないから、まず、この御方針は七百体だね。小さい過去帳で約七百体、それも導くに従って、集めるようにしなくちゃいけない。一度に集めないでね、一度に。
　あなた方みんな、女は罰当たりだと思うな。あんたたちみんながそうだというわけではないけれど、私が会っている年寄りはみんな、罰あたりだね。ものに情熱がないね、継続性がないね。途中で……。

　だから、油断のならないのは女だと思うな。女が責任ある地位につけるはずがない、大衆的にはね。
　それはね、七百体のご法名を集めるということは、大変な努力ですよ。一度に集めちゃあ、まだ導いた功�ｺが足りないからね、因縁負けすることがあるんだから。ね、順次集めさせること、それをよく見守ってね、自分の子供の成長を見守るように、見守っていかなくちゃならない。その人の功�ｺはどの程度である、因縁の次第はどのようになっている、信仰の深さはどの程度にいっている、ということはしょっちゅう根強く、見守っていかなくちゃならない。たいがいほっぽりぱなしだね。

　女はわがままだから。男は不精だし、女はわがままだ。確かにわがままだ。まあ、私が知っている何千人の女は、みんなわがままだ。いや、皆がそうだというわけじゃないよ。それじゃあいけない。精進というものがない。精進、努力。精進というもの、それがないからものが成就しない。

　だからまあ、法名は七百体は集める。そして、あのね、七百体集めるのなんでもないんだよ。例えばあの、まあこの戸村んとこの辺、西の下とかね、あんたんとこの実家んとこ、なんて言うんだ。「ほっき？」というのか、ほっきあたり全部自分の先祖だから、村中みな自分の先祖なんだから、みんなつながっているんだよ。あのコウボシと同じだよ。地下茎がみなつながっているんだ。だから、あの、お寺行ってね、なんでもないんですよ。お寺へいって、そして、お寺の坊さんが喜ぶくらいに少し奮発してやって、お過去帳どんどん写してくれば、それでいいんだから。

　さ、そこまで、導いた人をさとしてもっていかなくちゃいけないんです。と同時に、その人の功�ｺがせめて十家なり二十家なり、導けるようにしとかなくちゃいけない。そうするとね、今度導いた人がみな集めるだろ、ね、それとおんなじだよ。それと同じになるわけだよ。ね、これ一人一人が自分が導いた人だろ。この人たちがみな七百体ずつ集めてくれば、全部自分の因縁だ。
　これはもう、こんな確かな人生の成功の秘訣はない。あんたたちみんな集めてきたものが、みんなあたしの因縁だから。

　今ね、きのうから、あたしは夕べからだけど、まあ、お盆が近いせいもあるが、これが出てきた。盂蘭盆、施餓鬼、目連尊者の母を、その専門にそれを研究した学者がいるんですよ。その本を先から用意している。
　専門的で各種さまざまな説が羅列してあるけれど、まあだいたい論じてみんな核心、本心をついていない。みんなうわずっている。それらが学者の説であったりする。偉い坊さんの説であったりするから、だからみんな間違うのも無理はない。
　（学者の説は）罪深くして死んでいった先祖を救う道ということになっている、早く言えば、ね。それにたくさん美味しいものを作って人に施したりすれば、成仏すると、こういうことになっている。そうじゃない、そうじゃない。自分が成仏しなければ先祖は成仏しない。自分が成仏しなければね。自分が一切の根本なんだ。ね、たとえば、さっちゃんの場合は、滋夫の場合は、お前のおやじが自分の父親で、自分の元だとこう思うだろうけれども、お前ならば、さっちゃんならばね、母親父親が自分の元だと思うかも知らんけれども、実はそうでなくて、法の世界から見れば、自分が根本なんだ。自分が親なんだよ。

　さあ、この説が、学者たちが、先祖が成仏する、各宗派の管長たちがみな、先祖が成仏する、先祖を成仏させるという。ところがそうじゃない。自分が成仏しなければ先祖が成仏しない。自分が親なんだ。いいかね、その原理をよくみんなに悟らせるために、この提婆品（妙法蓮華経提婆達多品第十二）を…（中略）。

　あのね、この二十中劫という、二十中劫の説というものは、これは宇宙観だからね、宇宙観ということは、ただ宇宙の状態を知恵を持って悟るという意味じゃないんだよ。宇宙観ということは、自分に関する問題だということだ。わかるか、自分がなければ、宇宙観の必要ないでしょ。
　早い話が自分が宇宙にいるから、宇宙観というのが必要になるんで、自分に関する問題だということだ。だからどんな病人でも、提婆品上げるとぐっすり寝ちゃうわね。うんうんうなっていたのが、提婆品三巻も上げるとぐっすり寝ちゃって、あの大きな声であげていてもクウクウ寝ちゃって、ぐっすり寝ちゃって、だから帰っても、たっても知らない。　提婆品の力というのは、そういうものがある。なぜそういうものがあるだろうか。小乗的に考えると、人を恨んだり憎んだりして、元は自分なのにね、これが提婆品には、それをさとしてあるから、それを霊界で聞いて、ね、霊界をさとす力になる。で、それは小さい問題だ。
　これは提婆品によってぐっすり眠るということは、二十中劫が入るからぐっすり眠る。ちょっとこの話は非常に難しい話。甚深の話。二十中劫ということはね、例えば、一小劫が、一小劫、中劫、大劫とこうある。（後略）

　（注…[『二十中劫解説』]のダウンロード

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