(この御法話は、テープレコーダーに録音したものをテキスト化したもので、要約です。一部聞き取れない部分は省いてあります。また、話し言葉なので、文章になっていない部分もあります。意味不明の部分もあります。長いので段落ごとに番号をふってあります。)
1、意義の深い会合
えー、今日は皆さん、はるばるここまで来てくれてほんとにありがとう。私から厚くお礼を申します。どうもありがとう。ご苦労でした。
えー、これはね、あの、皆さんはさほどに感じていないであろうと思うけれども、これは大変ね、その意義の深い会合なんですよ。ああ、うん。まあ、今日は、昨日まで荒れましたけれども、天が喜んでお天気にしてくださった。これは大変意義のあることなんです。
ええ、私はこの教団で青年運動を幾度もやりました。そのたびごとに失敗をして、ええ、きたのです。なんでもこれが五回目か七回目であろうと思います。
このね、青年というものはね、あの、この私もあの青年の時代があったということは、皆さん認めるでしょう。今みな言った通り、八十四歳だけれども、うん、過ぎてしまって自分の青年時代というのも、青年というもの、もったいなく思う。青年の時は、その無意識に暮らしてしまう。私はあの学者でもなければ、あの講演家でもない。ただひとえに自分の人生を救うべく、私の教えに、今みんなが言った通り、四十五年間生きてきた人間でございますから、話はいろいろ、あの断片的になろうと思うが、え、まあご参考に聞いて、皆さんでひとつ取るなり捨てるなりしてください。
え、青年部といっても、今あの、ここの私の原籍地はあの東北でございましてね、宮城、岩手、秋田、青森にまだたくさん青年がいるんですよ。北海道にもいるんですよ。関西の方にもたくさんおります。この五月には私は朝鮮に、韓国に行くつもりです。韓国にもおります。青年という……。(中略)
2、「君は不思議な存在だね」
今、趣意書、私先に読みましょう。みなさん、私と一緒に趣意書先に、一遍読んでみましょう。
「現代の青年諸氏に告ぐ」
現代の私たちが生きていくこの世の中は、
私はあのなんですが、その方なんですが、例えば病(健康の混乱と書いてありますけれども)、人類が六千年も八千年もこの一番忌まわしい病と闘ってきているんだが、いまだにどの病院も満員ですよ。それどういうわけでしょうか。どういうわけでしょう、みなさん。皆さんは、自分は病気をしないと思いますか。
私はね、三十五歳まではね、健康体の標本とまでいわれた。それが私の脳のケガは、このまあ、遠いから見えないが、七針も八針もぬって、虎ノ門に佐多博士という世界的な脳神経の博士がおいでなれるが、その人がレントゲンを見て、「君は不思議な存在だね」とまで言われた。その博士さん、先にあの世へ行って、オレはまだ残っている。ね、頭がい骨にこの骨が刺さっているんだから。トゲひとつここ刺しても痛いでしょう。ね、まあこれ発電所ですよね。この発電所に私は故障があるんですよ、ひどい故障が。
肺病、心臓病、胃腸病、ええ、川崎にあの、高橋医院というのをご存じですか？ あのプールガードの上、ちょっと上にある。今、藤田医院と言っているんだ。私の友人でしてね、私よりだいぶ……。(中略)
私、この運動をもう一度始めるつもりで、それには健康が第一だから、あの、その、高橋先生に調べてもらって、それによって人間ドックに入って、完全に治してかかろうという考えを起こしたんですよ。で、診てもらった。
三十年来私の体を見ているんですから。もうねえ、心臓なんかもう全く毛がはえているようだといわれた。糖尿病の気もないし、血圧は148上が、下が85。どっこも異常はない。もう満点だって。え、看護婦が二、三人おりますけれども、看護婦を呼んで、これが八十四になるじじいの背中だよと言って、裸になっているところをのぞいてみてくれた。 うん、この、ここにも子供や親たちが、今、病気をしている人たちが、私が知っている人たちの中にも幾人かおります。この人たちはみんな自分が、あの、なんだ、合理主義者だと言っていますよ。私はこんな不合理な人はないと言っているんですよ。その人は合理主義者といって自称しているんだけれども、そうでしょう。若い時から一生懸命努力して、これからという人生に、その不治の病にかかって、それがあの、合理性のある人生ですか。どうです。あんた方若いから病気をしていない方がたくさんおいでられるけれども、よくわからんだろうけれども、この病気にこの混乱が、人生の混乱がある。
政府でも今この医療政治というものに対して、非常に苦労してるようです。それから、病・貧、貧しさ、貧しさ、これに全く当惑している。
3、あなた方の時代に沈没がくる
うん、今日本人は豊かさに酔いしれている。あんた方あの「流浪の日本人」という作品を読んだことありますか。うん、日本丸は今に沈没しますよ。沈没するのは、私たちはもう間もなくバイバイだから、あなた方の時代に沈没がくるんだ。間違いなく来るんだ、これは。今あなた方は夢中で暮らしている。幸せに酔いしれて暮らしている。
人間には欲に限りがない。限りない欲を追及して、そして自らがそこに沈没しようとしているんだ。そういう状態です、今は。
病・貧・争、それから争い、生命の危険。お互いがこれから川崎になんど？ バスで帰るんでしょうけれども、完全に自分の家に今日は行き着くという確信がある人はおりますか、この中に。
ね、ソビエトの潜水艦が今、百何十艘と日本を取り巻いているという。そういう状況の中に、今われわれが生きているんです。
え、病・貧・争、この病・貧・争が妖怪のごとく、私たちの頭上に襲いかかってきている。……（中略）
この個人的な災禍だけじゃなくて、世界的に来る大災禍の本格的爆発はもうすぐ……。（中略）
そう思いませんか。どうですか、皆さん。このこれを読んで、八十四歳になるこの年寄りも、非常に感激を感ずる。……（中略）
今まではそうですね、今までは。しかし今は、……。（中略）
どうですか、そう思いませんか。どうです、若い青年諸君。科学や技術がどうでもいいというのじゃありませんよ。それでもまだ科学や技術だけに酔いしれていて、よろしいかというのですよ。他にないのか、何か。……（中略）
今、あの、創価学会のことを池田部長がおっしゃっておられた。そして日本のコンビナートを全滅するには、一発落とせば、東京から下関までのコンビナートは全滅するという。レニングラードからデトロイトへ、アメリカのデトロイトへ一発ぶち込ませば、まあレニングラードも五百万だそうだ、人口が。デトロイトも五百万だそうだが、一発ぶち込めば、デトロイトの風下六百キロまで全滅する。デトロイトからレニングラードへ一発ぶち込めば、レニングラードも同じく、風下六百キロまでは全滅する。風下六百キロというと、ここから大阪まで。……（中略）
これはもう我々の身近かに迫ってきているんですよ。それに感じのない今の青年の生活者があるとするなら、それは無感覚者だ。阿呆だ、それは。気違いだ。うぬぼれ者だ！
4、絶対不変不滅の教え
そこでこの時ここに、絶対不変不滅の教えがある。あのね、今日は参っておりませんが、それは、昭和五十三年八月十日に、依田という青年の同信が、第一回の質問テーマを書いてよこした。
「第一回質問テーマ」
一、南無先祖
養道となぜ唱えるのですか？二、南無先祖
養道の言葉はどんな意味ですか？三、浄妙教団の〝浄妙〟の意味と、名付けた理由は何でしょう？
上記のこの三つのテーマについて、一つ、個人がなぜ信仰を持たなければならないか。二つ、現代とは宗教的にどんな時代なのか。
こういう観点から、それを解説してもらいたいと言ってきております。これはみなさんにこの解説をしてあげます。
うん、これらの今これらの意味に答える。そしてこの絶対、絶対的に病・貧・争から、我が身、わが家、わが父母やかわいい妻子を守る。そしてそれをこれから何百年、何千年、何万年先までも守っていく。そのことを不壊の信仰、壊れない、金剛の信仰というんです。ダイヤモンド。
ここに『金剛戒の信仰』という本があります。これはもう、亡くなられましたが、私の師匠筋にあたる方がこれを書いたものです。金剛戒ということは絶対に壊れない。土器戒ということは、土器、せとものでできたものは、壊れれば土にかえります。金銀戒といって金銀で作ったものは、これが金だとしたらならば、これは壊れれば、これは地金だけは残りますよ。これはこのままなっても。
金剛戒というのは絶対に壊れない。崩れない。それを言うのです。
この方は弁護士です。静岡の市会議長を三期ほど勤められた。私の師匠筋にあたる。宗教屋ではないんですよ。静岡へ行って、常磐町三番地の中田先生といえば、たいがいのタクシーの運転手はみんな知っているくらいの人です。
この弁護士は貧乏弁護士です。決してその戦いをしない。仲直りさせちゃう。だから報酬がないんだ。でも、市会議長を三期も勤められた方です。
金剛戒の信仰、父母孝養・師長恭敬というのは、絶対壊れない。
5、先祖
養道は単純な道おととい、あの、梅原猛という、この法華経の学者ですが、京都の市立学芸大学の学長です。
相撲を見とった。東の方の解説者と西の方の解説者があるでしょう。あそこで相撲を見とった。で、相撲のことを言っとった。この人は大変相撲が好きらしい。私も大変相撲が好きなんです。今日もあの優勝旗返還をみたいんだけれども、どうなるか。私、若乃花が大好きでね、東北ですから私は。
相撲というものはね、そう先生おっしゃるんですよ。非常に単純なスポーツなんだ。非常に単純なスポーツなんだが、これほど深いスポーツはない。どうです皆さん、そう思いませんか。え、あの鷲羽山なんかね、高見山をコロンとやっつけちゃうでしょう。ええ、心・技・体という。
この先祖
養道というのもそういうものです。ごく単純な道です。これは。今誰かが一番古くて、一番新しい教えだと言った。私もそう思います。ごく簡単なものだけれども、実に深いものです。そしてこれは一切の基礎です。土台がしっかりしなきゃあ、何を建ててもダメです。それは。あなた方、ご自分の条件を知っていますか。どういうわけで、この人の子として生まれ、この人の親となり、この人と夫婦になり、どういうわけでこういう健康状態、こういう知識状態、こういう財政状態、こういう家庭状態に、その条件を知っていますか。原因無き結果はありませんよ。自分の持っている原因を知っていますか。無知じゃダメだ。無知なくせに幸せを願うなんて思い上がりだよ、それは。そして幸せばかりを追いかけている。いま日本の青年たちの、これ平均的な状態だ。
6、自己を改造させるところに宗教がある
宗教は自己を改造させるところに宗教があるんです。拝んで日蓮に守られてとか、キリストに守られてとか、阿弥陀に守られてとかは、それは土民時代の教えだよ。そうでしょう。阿弥陀さまといえば、親だ。日蓮といえば師匠だ、いわば。ね、それは。あなた方のお子さんが今のうちならね、お父さんお母さんが守らなくちゃならんし、守るべきでしょう。成長して、あなた方がまだ尻ふいてくれ、鼻かんでくれと言ったら、ひっぱだかれるよ。そういうものです、宗教というものは。
で、この時、この所に、金剛の如き不壊(ふえ)の不壊(ふかい)の、これ「ふえ」とも「ふかい」とも読むんですよ。行法あり、真珠のごとき清浄の教授あり。私はね、今私も本当に貧乏に貧乏を、貧乏に貧乏、ここでもう、ここで十五年です。四十五年のうちでここで十五年です。
教団二十幾年だけれども、ここができてから十五年です。八百万借金してやりました。うーん、で、今まったくこの不思議な、この教えの御導きによって、そうですね、いま私の資産はざっとの一億あります。全部あなた方に提供する。私の子供や私の孫は幾人かおります。絶対にやりません。また私の老後のためにも使いません。
7、医者の弟子も九人
私が四十五年来、自分で守り、自分で行じ、何万という信者を扱ってきました。医者の弟子も九人ほどおりました。医者の病気を私が治してやる。
今あのこの倉田が、若い者が言った。秋田の何とかといった者は、これはあの早稲田大学の仏文科を出て、出たその年きちがいになりました。秋田の者です。父親はお巡りさんです。三反百姓です。その三反百姓のお巡りさんの安い給料で、せがれを早稲田大学の仏文科を出すというのは、容易な苦労じゃないはずだ。青森の支部でそれを聞いて、私が不憫でたまらないで、青森から秋田まで約六時間で、私の車で行って、そしてきちがい病院から出してこい。で、うん初めて会うんですよ、その親たちに。で、行ったんだけれども、出してくれない。出すはずがない。私が行って無理やり談判して、そのまま引っ張り出して、私の車に乗せて、そのままここへ連れてきた。
三月できれいに直っちゃった。三月くらいだろ。お母さんが来て、お礼だと言って一万円置いていった。それがすっかり治って、車の運転もできて、ここへきて一緒にこの表札のセールスして、今家へ帰っている。
たくさんいますよ、そういうのが。四十人くらいおりますよ。この人も知っている。うちのばあちゃんは年中、私と一緒にそのことをやっているんだから。うんいいですか、そうして学んだものを、今日もあなた方、なんだけれども、おいでくださるというので、バス代は私に出させてくれと言って頼んで、私が十何万円出した。あなた方から頂戴するんじゃない。あなた方に努めること、それ自体が私自身に、自分が努めることなんだ。わかりますか。うん、つぎ読みましょう。
○知遇するというのは、巡り合う。（中略）
○これはまぁ青年部が書いたものですから。（中略）
○このね、そしてともにあい睦み、（中略）
○これ後でご説明しましょう。（中略）
いいですか、偶然といってね、運よくあの、うまくそういうことになったことを偶然というでしょう。そうじゃない。偶然という意味はピッタリという意味なんです。だから配偶者というでしょうがさ。配偶者、それはあんまりピッタリしているから、人間の方ではうまくいったと、こう考える。運がよかったということになっちゃって、だから必然とかいう別な言葉を出さなければならないようになっちゃっているんです。分かりますか、これ。だからあの、古い文書、古文書などを読んでごらんなさい。たまたまといって、みんなそういう文字に書いてあります。
さっき誰か言った。クソ小便を作る機械でしかない。（中略）
8、ともし火を燭台にうつす春の宵
これはね、「ともし火を燭台にうつす春の宵」。
このね、ようやく一陽来復して、こうして春が巡ってきてね、そしてあんた方、東北に行ってごらんよ。本当に冬はね、本当に半年ですよ。来る日も来る日もどんよりと曇って、四月ころね、雪がとけてさ、ね、道が、あの昔はみんな、馬車やソリですよ。
融けた所とまだ残っている所と、融けた所にその馬車が馬糞をたくさん。馬糞のにおいと土のにおいがプーンとくる。春のにおいというものは何とも言えない楽しいものですよ。だから、私はあの津軽の山唄が大好きなんです。半年雪に埋もれてね、そしてようやく春が来て、そしてまあ親戚、縁者、知人、友人が集まって、これからなんだ、宴を催そうと、夕方になって大きな書院、昔は電灯がないからこうロウソク、燭台をおくでしょう。ね、燭台並べて、そして一人がこう、灯をともしたものを次の燭台、次の燭台へと。
「ともし火を燭台にうつす春の宵」。
うたげを。このことによって我々の人生がホントにそうなる。そうなる。
9、宗教は生きる道そのもの
宗教は学問ではない。生きる道そのものだ。それを私はつかんだ。私はその証明者です。あなた方、初めて会う人がかなりあるようだけれども、みんな、会長などはもう三十五年も私についています。東北の信者なんかみんな古い人、長くなっています。
家庭の争いがとれる。親子別れ別れになっていたものが、あのね、人間の家は、三代そろってこそ人間の家だよ。今ようやくそういう風潮がすこしは芽生え始めてきた。皆セクション、親は親、子は子、こんな人生がありますか。
物、物、物、物、金、金、金、金。モノ、カネがどうでもいいということじゃありませんよ。もう物、金、物質文明というものは、いま頂点ですよ。これでもうたくさんですよ。これ以上いけばもう暖かみがなく、愛情のない世界ならば、今言ったとおり、その火力が今われわれを、今ほら焼き殺そうとしているでしょ。そうじゃないですか。どう思います、皆さん、どう思います。
悟るとか、え、あの世とかこの世とかいったって、寝言ですよ。そんなもの。生きながらにしてそういう人生を、この人間が人間の世界で人間らしく、生きていくことができない、そんな宗教なんか、宗教であり得ますか。もてあそびものです。そんなもの。そういうものはみんな本を書いて売るくらいのものだ。あのね、今ここに出してあるのがね、その青年たちがみんな立ち上がった一つ、これ最澄、これは比叡山を開いたんだ。伝教大師、ね、これは日蓮よりも四百年前の方だ。日蓮はこの方を師匠にして、そして南無妙法蓮華経が出たものです。これは十九歳、この方が天地にささげた願文があります。この四月二十九日には、この方の書いたものを、この願文ですよ。
自分がこういうふうにして生きていきたい。十九歳、今の年で言えば十七歳だ。皆さんどうですか、こういう話さえも聞いたことがありますか。あなた方若い人たちは、何をいま目標にして生きていこうとしますか。うん。そして、だいたい日本の国というものはね、そんな力の国じゃないんです。愛情の国なんですよ。愛情の国、母の国、地球創始の原則として、日本国というものはそうできているものなんです。これが宗教なんです、これが。
地球の、宇宙の憲法。地球に対する憲法。人間の住む小さい地球だってね、この太陽系に銀河系、星雲系、その中から見たゴマ粒ほどのものだ。その中の日本国の憲法を犯してタダですまないでしょう。宇宙の憲法犯してタダですむはずはないですよ。そんなこと今の青年が学ぼうとしているか。何を学ぼうとしているか。必ず自滅。
だから青年、親鸞もそうです。これね二十代から立ち上がった。光明皇后、これは奈良の大仏の、聖武天皇のお妃、この方がなかったら、奈良の大仏は建たなかった。奈良の大仏が建たなければ、日本国はもう寸断したんだ。中央集権が成り立たない。婦人の力というものはいかに偉大なものであるか。光明皇后、聖武天皇を助けて、行基菩薩（恩師の過去世）がそれに加わって、あれが完成したものなんです。
日本人で全人口の二分の一はこの奈良の大仏の事業に参加した。いいですか、今ウーマンリブなんて、えー昨日も夫婦別れの映画がでましたけれども、間違った思想を持っちゃダメですよ。男女は同権ですよ。お釈迦様はウジ虫と自分と等しいとおっしゃっている。ウジ虫と、お釈迦様、自分と等しいとおっしゃっている。生命の世界に変わりはないのだから。男女同権ですよ。同様ではないはずなんだから。
男は「力」、いいですか。男があの子供を産んだり、子供育てあげたりできますか。夏の炎天に、あのおやじにね、丸一時間もね、あの赤ん坊預けたおいたら、たいがい悲鳴をあげるよ。ガハハッ、ね、婦人はそこへいくと何時間も背中におぶってね。
この間、婦人のあの方の月給が男子より少ないというので、裁判してあの憲法違反といって、男と同じくしろと判決出たの知っているでしょう。私はその裁判官に言いたい。男子が一反部耕すんだから、女も一反部耕せって。憲法違反じゃないの、女が一反部耕せなければ。そうでしょう。よくお互いの分々をね。
これみんなそうです。菅原道真もそうです。ね、菅原道真、話は違うけれども、入学試験にみんなお願いに行くでしょう。ね、たくさん行くわ、お賽銭持って。私が入学試験の面倒をみたの、あれどこへ行った。昭子どこへいった。一発で大学三ヶ所も受かっちゃった。そこにいる連中らも一発で受かっちゃった。死んだ菅原道真のところへ行くよりも、生きた菅原道真に来ればいい。本当だよ。
聖徳太子もそうです。二十二歳のとき、「三宝に帰依せずんば、何をもってか曲がりを正しくせん」。佛に南無し、法に南無し、大士に南無しなければ、何をもって曲がれりを正しくするか、それをもって、大化のあの改新を作った方です。
みんな青年ですよ。青年ですよ。清盛もそうですよ。空海。
10、われら世界の大船とならん
で、今あなた方がお読みになったお経巻があったでしょう。
われら世界の柱とならん。われら世界の眼目とならん。われら世界の大船とならん、とこういうでしょう。
これはあの日蓮聖人は、われ日本の柱とならん、いいですか、われ日本の眼目とならんといった。われ日本の大船とならん。日蓮の時代と今の時代とは大体日本人の立っているところが、その次元が全然違うんだ。
南無妙法蓮華経の時代、そんなケチな時代じゃないよ。どうだあんた方。あんた方アフリカ人はバカにすれば、あんた方の生活成り立ちますか。ね、そしてそれをね、うちにしていうならば、われら世界の柱となる。世界というのは、おのおの自分の分々の、分々、各々に皆、人と生まれれば、それぞれの分々があります。それぞれ違った才能持っています。それぞれ違った技能を持っています。それぞれ違った生活持っています。その生活の場所における、その世界の柱となり、眼目となり、大船となる。
宗教家は宗教において、政治家は政治において、左官は左官の世界において、大工は大工の世界において、ね、音楽家は音楽家の世界において、男は男の世界において、女は女の世界において、各々そこの指導者となる。
伝教大師はだから、一隅を照らす、これ菩薩なり。ひとすみを照らす。全世界を照らすんじゃない。一隅を照らす。自分の関係する一隅を照らす。これ菩薩なり、というお言葉がありますよ。だから、そういうふうにわれわれは学習して行こうじゃないか。志ある人はどうぞおいでください。自分の維持？……（中略）
あのね、ここに斎藤、あの鶴見区矢向に住んでいる斎藤旭仙といって、これは、お灸だの針の師匠です。東洋哲学研究者であって、それは立正佼成会の七百人信者を持った支部長だったのを、私が二十四、五年前に私にさんざんけなされて、とうとう佼成会やめちゃった。この人がいろいろ書いた。この間もいろいろ書いて寄こした。青年部長に参考に読んでもらった。今、「幻の楼閣」といって、それは自分で謄写版切って、紙を切るんですよ。自分で、この人は。
ひどい肺病患者だった。骨と皮ばかりだった。娘が五人もいて、佼成会やっている。どうしても治らない。今完全に治って、こうしてあの、見て下さい。これだけの宗教原理を、あの、自分で書いて寄こしているんですよ。
私のことをおじいちゃん、おじいちゃんと呼んでいる。
「おじいちゃん！、おじいちゃんが見れば、正しいところも間違ったところも一目瞭然であって、ハハァ斎藤のやつはこのところをこう表現したいのを舌足らずで、こんな表現をしているんだなとわかるだろう。おじいちゃんはオレの書いたものを見れば、オレの程度はよくわかるだろうが、こちらからはおじいちゃんの程度はさっぱり分からない。残念だが隔たりの違いというものだ。上と下ではしょうがない。その他の皆さんの場合にはどんなに精進しても、霊感があろうとも、この信仰の深さや程度がよくわかる。読んでしまったらお返し願います。若い諸君にも差し支えなければ、コピーを取ってよろしいです。まずはこの戯論(けろん)をご批判、ご教授を願います。」
こう書いてきている。これはとても深い。これは学者じゃないですよ。
11、高麗大蔵経
あのね、ここに祭っているのは、高麗大蔵経といって、時間がいいかな。高麗大蔵経というんです。これはこの原文です。これはあのお釈迦様が五十年説いた説法が、ことごとくがこの中に網羅されている。
蒙古が日本を攻めてきたときに、日本を攻める前に韓国朝鮮を攻めたんです。朝鮮と日本を二回攻めてきましたね。第一回は壱岐、対馬にいた人をみな捕まえて、こうして手に穴開けて、ロープで船べりにつるして、第二回目は十万人からの者がきて、まあ台風でことごとく滅して逃げ帰りましたね。その前に韓国を攻めたの。それでいっぺんやられて、ようやく韓国が立ち直ったところへ、もう一度来るというので、それで時の高麗の王様が一切経を作って、そしてまつって願って、蒙古の来襲をのがれたといういわれがあるものなんだ。それはここに詳しく書いてあります。
これはあの、なんとかという木を三年間塩水につけて、そして半年乾燥して、そうしてそれを凸版的に彫ったものです。
これは朝鮮戦争の時に北鮮軍がこの海印寺といって、三、四年前にこのあるところへ実際それを見に行ったんです。海印寺といってそこに北鮮の兵隊が皆逃げ隠れていたのを、韓国の米軍がそれに爆撃を加えろと、飛行艇に命じたんだけれども、青年の指揮官が爆撃を加えなかった。銃撃、機関銃で掃射した。それはこれがあったために、爆撃を加えたらこれが消えて焼けてなくなる。そしてこれは残ったものなんだ。それで三、四年前に向こうの政府とこっちの政府間に話ができて、向こうの当事者とこっちの当事者が会って、これが限定千部ですよ。韓国に五百、日本に五百部、で、私も文部省とのいろんな関係でこれいただいたものなんだ。
この経文を全部読んだと等しいだけの、これは自分の病と闘って、私の教えを受けて、これだけのものを書くようになった。学者じゃないんです。これ本当に自分の生活、自分の人生と闘ったそのものですよ。
今度あのコピーしましてね、ここでみんな金出し合って、ちっちゃな印刷機がある。うちのね、みんなにあげますよ。読んでもちょっと分からないだろうけれども、大事にとっておきなさい。そのうちだんだんだんだん三年たち五年たち十年たち二十年たてばわかるようになるから。
それからこの伝教大師の十九歳の願文を、この四月二十九日までに詳しい解説を書いて、皆に差し上げようと思っているんです。どうぞ皆さん、あの、ここの趣意書に書いてある通り、学んでは実践し、実践しては学び、そしてご自分の人生を開拓してください。
12、我はすでに成ぜるの佛
それからもうひとつ、皆さんにあの聞いておいてもらいたいことは、ここにある密教ということについて、この桐山靖雄先生と、これは大変有名な方なんだけれども、『超能力の秘密』という本が最近出てます。超能力、超能力。超能力とはどういうものだろうということは、あなた方には想像はできないんだよ。想像ができないことをここに、これを読んで、そこにあるこの本ね、あの冒頭、「人は誰でも、天才になれる」というタイトルがある。
「人は誰でも、天才になれる」、あなたは信じられるだろうか。人はだれでも自分の持つ知能のわずか数％しか使っておらず、あとの九十何％かは、まるでその辺の押し入れに、ぼろきれでも突っ込んで忘れてしまったかのごとく、ほうりっぱなしで誰一人これを使おうともしないというのである。もちろんあなたもその一人である。こういうんです、この人は。
そこで、ギャラップ世論調査研究所のジョージ・ギャラップ、これはアメリカですね、これは脳生理学者の定説であるが、人はその知能の二～五％しか使っていない。あとの九十何％はほうりっぱなしで、だれ一人これを取り出して活用しようと考える者はいない。そこに皮肉きわまる、まことに皮肉きわまる話ではないか。いやそれはむしろ、ナンセンスというべきである。こういうんです。この人は今われわれの生きていく、生きている状態をナンセンスだと言っている。そのナンセンス的なあなたの能力が百％ある。その百％の一、二％だけでものを考察し、ものを聞いて判断し、ものを見て判断する能力というものはですよ。超能力というものは想像もできるものじゃないということなんです。その超能力の体験者がいうのだ。だからこれを読んでわかる。いいですか、お釈迦様はさっきウジ虫と釈迦と同じだと言いましたね。同じなんです、われわれと。いいですか、その自分の能力を、自分の能力を発現させて、開発して、完全に開発した人、それが佛というものです。いいですか、それを自分の能力が、いま科学的に一、二％を使って、せいぜい五％しか使っていないというんだから。その解説がここに詳しく書いてある。
お釈迦様という人は、その自分の能力を完全に発揮した人だから、お釈迦様はこういうことを言ってますよ。お経に、「我はすでに成ぜるの佛、なんだちはまさに成ずべき佛」。オレはもう大学卒業してＯＢなんだ。おまえはまだ在学中なんだ。これだけの相違なんだ。変わりはないのだ。自分の能力を開発する。自分が開発する。日蓮に頼んで開発したとか、釈迦に頼んで開発したとか、そんなベラボウが通る時代じゃない。そうでしょう。佛法とは道理なり。そういうことです。ですから、どうぞそういう志しある方は、お互いの力を合わせあって、そしてお互いの能力を開発していこう。
ね、助け合い、思い合い、そうするとそこに、いわゆる病の混乱もなく、貧しさの当惑もない。いいかね、争いがない。そういうことになるわけです。
13、本当の釈迦の宗教本旨
あの世行って幸せになるとか、天国へ行ってどうするとか、そんなベラボウ言っている時代じゃない。人間が人間の世界を、人間の力で良くしてやる。つまり自分の生活は自分の力で良くしていくべきである。こういうことでございます。
それが本当の釈迦の宗教本旨なんです。ね、しかし、皆さんあの、はっきり言って、あの自分で努力して自分が立派になるんだといえば、骨が折れるでしょう。え、少しお賽銭あげて、うまくやってくれた方が骨が楽じゃないの。アハハ、それは宗教じゃないです、そんなもの。宗教ということは、人間の生きる道以外の何物もないんだから、だから、これは宗教と特に名づくるほどのものじゃないんです。人間の生きる道そのものなんです。
ただし、その生きる道に、物質面と精神面と両方あるでしょう。ね、物質文明はもう頂点に来て、物質文明そのものが、むしろ今度先頭に立って、我々をほら、襲いかかってこようとしているんじゃないですか。はっきりしているでしょう。では精神文明があのその、びっこ状態、人間の生活、精神文明がまだほら右足で、次に左足が出れば調和がとれるんだけれども、右足だけ出て、まだ股裂きになっているような状態ですよ。そういうことです。
そこで病気が起き、事業の失敗が起き、家庭の混乱が起き、争いが起き、ね、いろんな災難に遭い、今日ももう何千人か何百人という人が自動車事故で災難に遭っているでしょう。みんなそれです。
自分の能力が開発されてない。それは生理学的にみればそうなんだ。宗教的に見れば、その罪が深いからだ。なぜ罪が深いかというと、自分の開発されてないままの、そのままの生活をして、天地の法則を犯した、その罪が深い。こういうことです。ね、物の、一つの物をこっちから見たのと、こっちから見たのとの違いであって、ひとつのことです。
科学がようやくその宗教の世界にまで、到達するようになりました。だから、どうぞあの、私もいろいろ昭和四十何年五十年、半世紀近く用意させていただいたもの、それから生活的にいろいろいただいたもの、これをね、あの世へしょって、この家屋敷背負っていくわけではありません。
こういう教えが、こういう道が、相共に励まし、あい共に教え合い、そしてその団結によって、これが次から次、ともしびが増えていってこそ、これ有意義であって、そうじゃないですか、そういうことで私も生き甲斐があるということになるわけです。だから、皆さんが今日来てくれたから、非常にありがたい。私の生きがいだ。だから足代は私に出させてくださいと、青年部にお願いしたんだ。そういうことです。そういうことです。
でこれ、その後の教えが大衆に広まって、大衆がそこに幸せになる元作らないでいてですね、そんなものなんにします。
14、自分を訓練して
朝、そこに腰かけて、朝日がかんかんあたって、ああ、オレ幸せだなあと思う半面、オレはこんなことしていたら、罰が当たりゃあせんかとこう思います。バチがあたりゃせんかと、ね、こんなものみんな売って、その方の費用に使って、たくさん一人でも多く、そういう人ができることが、生きがいのあることじゃないの、どうだ。どうぞ、そういうことですから、ひとつあの、皆さん、ここへ来る時は自分の家に来ると思ってください。自分のおじいちゃんに会いに来ると思ってきなさい。うん、そういうことです。そういう自分を訓練して作りましょう。その訓練した自分のそういう気持ちが金に対しても……。（中略）
だからこの若い連中らみんな、私は、私はだから、孫やひこ孫が何十人いますよ。お正月になると祝儀袋たいへんだ。あのお年玉で、ほんとに生き甲斐がありますよ。じゃあどうぞひとつそのつもりで、ゆっくりしていってください。
15、言葉は通ずる…唱えたことはみんな生命の世界に帰る
今、原稿になった話だから、皆さん聞いておいてもらいたい。
それはあの土曜日にＮＨＫにテレビなんとかというのがあるだろ。あれに永六輔が出てますね。そこにね、あのひと月ほど前に出た、世界のいろんな動物の習性を研究して歩いている学者、その人が話をしていた。
それはね、こういう話なんです。ハチが人を刺すでしょう。ハチがブーンと、ハチの巣をつついたってことがあるが、ハチの巣つついてブーンと来た時に、こう歩いていたら、このままでいるという。動いちゃ刺される。こうなった時にこのままでいれば、ハチの眼球は人間の眼球と違って、なんとか専門的に言ってましたよ。で、ハチが来てね、この顔をはって歩いたりしてね、絶対刺さないそうですよ。
もうひとつ、このマムシがね、マムシが六尺(約1.8ｍ)までは人に飛びつくそうだよ。で、六尺近くに人が行くと、草むらでマムシがシッポをふってガーガーと何か音を出すそうですよ。それは、「俺はここにいるぞ、オイ」といったような信号。そのときにね、「オレがここにいるぞ」信号が出た時、ガーガーと音を聞いたとき、「オレは絶対お前に危害を加えないよ」と言えというんです。
「オレは絶対お前に危害を加えないよ」と言えというんです。言わなかったら、心で深くそう思えというんです。そうすると、知らずに行っても、六尺、二尺三尺近くいっても飛びつかないで、マムシがスーといっちゃうそうだ。これ専門家が言うんですよ。言葉は通ずる、言葉は通ずる。「僕は君を愛すよ」と、これだけ通ずるんじゃないよ。みんな通ずる。
南無先祖
養道という言葉、その言葉の意味はまだよくわからない。いいですか、あのねあの、小さい子供がね、ザ・サンと書くでしょう。ね、何にも分からない。すると外人見せてごらん、「あ、これは太陽だ」と、書いた本人がわからなくても、見る者はわかるでしょう。唱えるこっちがわからなくても、この宇宙は生命体なんだぞ、いいか。生命体なんだぞ。（花瓶の花を指さして）生命だから生命がこう出てくるんだ。どっか染め物工場もありますよ。香水工場もありますよ。あなた方は香水工場も染め物工場もないと言って断言できるか。生命体なんです、ね。「お前に絶対危害を加えないよ」という、この言葉はちゃんと生命体の毒虫のマムシに通じるんですよ。だから言葉は真言という。真言という。真の言葉、真ということ、真ということはね、あの、心という字なんです。ほんとは、心では表現が足らない。心(しん)からそう思うというだろ、福本君、彼女釣る時そう言ってひっぱるんじゃないのか、心からという、心の字をほら実用的に言うと、「真」という字を書くのだ。「真」、この真というものが通るものなんです。
だから親鸞は念仏、専修念仏、念仏だけ唱えろ、徳川○○は念仏、南無阿弥陀仏を一万体書いた。日蓮は南無妙法蓮華経と言え、但信口唱、ただ信じて口で唱えよと言った。もうそういう時代は、人類の幼稚な時代のものだから過ぎ去った。まあいわばね、太政官布告みたいなものだ。日本の憲法は、まあ新しい憲法でも、明治憲法みたいなものだよ。主権在君、主権、主権というものは今民衆なんだ。その時代の唱えるものはね、そういう理論的なものじゃなく、実践的なもので、南無先祖
養道と唱える。わかりますか、唱えたことはみんな生命の世界に帰って、自分の生命の世界、あるいは肉体的に、あるいは家庭的に、あるいは財政的に、それぞれのその毒虫を退散するものなんだ。そういう能力を持っている。これ超能力という。そういうことですから、どうぞまあ参考に聞いてください。まあ詳しく今度、良く話します。あとは自分でやってみなければわかりません。これは話を聞いただけだから、講釈師の話と同じだから。じゃどうぞ唱えて……。
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