私が今まで読んで興味ある本をご紹介します。（「日本講演新聞」はこちら）
☆ 目 次 ☆
1、…空飛ぶ円盤と超科学 2、…宇宙人と地球の未来 3、…ソロンの予言書1 4、…チベット永遠の書 5、…かみさまは小学5年生 6、…分裂する未来 7、…ヒマラヤ聖者の生活探究 8、…ヒマラヤ聖者の生活探究・第一巻 9、…ヒマラヤ聖者の生活探究・第二巻 10、…ヒマラヤ聖者の生活探究・第三巻 11、…ヒマラヤ聖者の生活探究・第四巻 12、…ヒマラヤ聖者の生活探究・第五巻 13、…ガンは治る、ガンは治せる 14、…私が出あった世にも不思議な出来事 15、…まもなく世界は5次元へ移行します(＋日月神示) 16、…波動の法則 17、…食卓で育む生きる力 18、…超重要…[超予測2012]地球一切を救うヴィジョン 19、…私はアセンションした惑星から来た 20、…伝教大師発願文(HTML文書) 21、…金星人オムネク地球を救う愛のメッセージ 22、…微差力 23、…地球人よ、ひとつになって宇宙へ目を向けなさい！ 24、…宇宙哲学1 25、…ドル消滅の仕組み 26、…ふしぎな記録(第六巻) 27、…不思議と神秘の使者1 28、…宗教問答 29、…リッチマネーの秘密 30、…３日食べなきゃ、７割治る！ 31、…真 地球の歴史 32、…不思議と神秘の使者2 33、…新生地球の歩き方 34、…お父さん、日本のことを教えて！ 35、…食物と健康と霊性 36、…マインドコントロール 37、…ふしぎな記録(第九巻) 38、…食物と健康と霊性2 39、…お金でなく、こ縁ででっかく生きろ！ 
1、空飛ぶ円盤と超科学 （村田正雄著）
……(地球人類の未来を示唆する重要な本だと思います。)
以下は、村田正雄著「宇宙人と地球の未来」の姉妹編である「空飛ぶ円盤と超科学」から抜粋編集したものです。宇宙と宗教とは一見、関係なさそうですが、物やお金への執着から離れた宇宙人の生きて生き方は、菩薩あるいは如来そのものではないでしょうか。宇宙人こそ大愛道を実践しているのです。いったい私たちは進歩している宇宙人に比し、科学的には勿論、精神的に何千年、何万年遅れているのでしょうか。
経文に『諸仏・諸大菩薩の所行の懺悔の法なり』（佛説観普賢菩薩行法経）とありますが、大愛道(南無先祖養道)の実践こそ、業障にくもった地球人類をひきあげてくれるものであります。そしてこの思想こそ病・貧・争をなくし、一切の不幸をなくす世界に通用する根源の法であり、地上天国、人類の黄金時代を築くもとであります。
また自分たちの信仰を外から眺めて、その位置や立場を知ると、大恩師のみ教えがいかに尊いものかがわかります。そして私たちの進むべき道がはっきりしてくると思うのです。ともあれこれから激動の時代を迎えるわけですが、私は宇宙の大神様に大きく抱かれている安心感を感じております。（倉田修一 合掌）
1、真実の人類は光り輝く生命の大河の如く、輝く光体そのものであり、大親神様から発せられた御光は、大宇宙へ、無限の彼方へと今なお広がり続けているものであります。太陽の如く輝き、光を投げ与え続けているのが人類であります。人一人一人が光体であって、太陽の如く輝ける神性を発揮できるように、進化への一途をたどっているものです。 進化とともにその光体は大きく力強いものとなってゆきます。次第に大きさを増して、しまいに一つなる大親神様のもとに帰るのですが、それは今の言葉や波動で表現できるものでありません。で初め無き終り無き光の流れとでも申上げるより外はありません。
2、社会機構…基地には基地の社会機構があり、衣食住に関し生産から需要者の手に渡るまで、また教育や宗教や芸術、科学、土木、建築等、地球世界にある機構とよく似たものが皆それぞれあります。けれど地球上の社会機構と根本的に異なったもので、この社会の基本的な通念となっておりますのは、一なる中心者に帰一し奉仕することで、そこから万事が始まります。こうした社会通念から、それぞれの環境や立場で遂行してゆく方法として、各人の自由があるのです。奉仕はそれぞれ各人の場を通し奉仕することであって、それは量の問題でなく、内容が問題です。その人の天命を通し、いかに純一無私の波動で奉仕でき得たかによって、その人の仕事否奉仕への深さ高さが決まるのです。それで各人の奉仕された量に応じて必需品が与えられるのですが、それはこの基地いや進歩した星々の社会機構の根幹となっているものです。
3、大宇宙に散在する星々のうちで、進歩した星々には必ず一人の統率者（絶対者）がおられ、その方のもとに完全に統御されていて、その星の最高統治者から一介の庶民に到るまで、幾つもの段階を経て、統治者の意志、愛念が届くようになっており、またその間の組織を通して行われますが、上から下まで一貫して完全に一体となっていて、少しのゆるぎもございません。星一つが高き人格者となって活動しているのと同じであります。統治者から一般庶民に到るまで、人間として同じ尊さを皆が知っております。そしてその現われ方は各人各様に異なっておりまして、いづれも同じ人はおられません。と同様にそれぞれに異なった役目を持っております。それでいて一つの無駄もありません。このような姿で、備えられた場で働いているのが私たちだあります。このように最高統治者から一般庶民に至るまで、一糸乱れることなく全く一つに溶け合って渾然一体となり、大生命の中で光り輝いている姿が、進歩した星々の中の宇宙人の社会のあり方であります。
4、一個の星にも幾億人もの宇宙人が住んでおります。そしていろいろな社会機構を構成しておりますが、これはいずれもその星の科学水準によって異なりますけれども、友愛と奉仕への信条は一つとして異なる処はなく、奉仕は一なる中心者に向って一糸乱れることなく、実に美しく完全に統御されています。この在り方を一個の人体と考えても誤りではありません。人体も幾億からの細胞が、助け合いながら脳中枢機関に統一されて、全体を一個として働いていますが、それは星々と全く共通しています。それで円盤や母船も例外ではございません。一個の人間と見て決して誤りではなく、円盤も一人の人体と同じであります。
5、太陽、それは灼熱に燃えるが如き高温で光り輝くものと思われていましたが、それは誤りで、星全体が平和と調和とに満ち満ちている緑の星であります。高き進化を遂げた宇宙人たちの常住の星であります。その星の天命によって放射する特殊の波動が、各星々の四囲を取りまく絶縁層のある一層に届くとき、物凄い光輝と変ります。その特殊の波動を受けた星々は、太陽を見る時は光輝そのものと見えるのであります。
6、絶縁層…それは初めからあるものと、あとから出たものとが複合されているものです。地球の場合、灰色や茶褐色や、その他の幾重にもの絶縁層に包まれているのですが、それは地球上の人類の業想念が累積されて、次第に厚い重い波動の層となって取巻いてしまったのであります。この絶縁層を通して、地球上に届くいろいろな波がもととなって創られている地球世界は、真理と業想念の混和している、進歩の非常に遅れた星であることがおわかりのことと思います。
7、現在の地球科学は科学本来の姿を大きく逸脱しているのですが、大神様はこれらの業生をそのまま利用して、ついには逸脱の姿そのままで、本来の使命たる人類の本質への探究に立ち帰らせるものであります。
即ち、地球科学の進歩に呼応するかの如く、ある時忽然として高い次元の宇宙科学が現われて、地球人類の想念が百八十度の転換を行います。その現れ方は忽然とでありますが、これは全く例えようのないものです。晴天霹靂のような驚きです。想念の混乱が起ります。地球人類がかってなき一大昇華を前にしての去就の困惑する時です。これはその人々が好むと好まざるとにかかわらず、一大怒濤の如く人々を差別なく皆一様に押し流してしまうことでありましょう。昔あったノアの箱船の如く、想念の怒濤に呑み込まれ、渦に巻き込まれてしまいます。
地球人類がかってなき大きな児を生み出す苦しみです。生まれる児が大きいだけ母親の陣痛も大きいものといえましょう。しかし苦しみは喜びに連なります。生まれた子を見ていると、母親の産むまでの苦しみもどこかへ消えて、希望と喜びが湧いてまいります。我が子の前途を偲ぶ時は、母親の瞳は遠くその子の成長する世界を画いては、一段と輝いてまいりましょう。その子の名は、『宇宙時代』と名付けましょう。それからは宇宙子の揺籃時代となるのです。
8、一個の人、つまり個人は、本質的には絶対にあり得ないものであります。一個の孤立した人はありません。ただ神様が神様のみ心を顕現するためにお創りになったのが人間であって、人々の自由意思によって生まれて来たものはただの一人もおりません。神様のみ心が及んでこそ、初めて人として生まれて来たものでありましょう。神様は人間一人一人に人類進化への根本理念から流れ来る天命を与えて、その役割を果すことの出来るようにご計画されたもので、その天命の中での大きな幅やまた自由が与えられているものです。こうして個人も全人類も神様のみ心の中では全く一つに溶け合って、一つの生き生きとして生き続ける輝ける白光体となって、太陽の如く永遠に照し続けているものであります。その光線の一筋が人間の姿となって働き続けているのが、地球では50億の人類なのであります。これが人間の真実の姿であります。
2、宇宙人と地球の未来 （村田正雄著）
……（空飛ぶ円盤、金星にとぶ） （抜粋）
◆ 実際に空飛ぶ円盤にのった著者自身の見聞記で、その円盤には金星人のほか、火星から来ている二人の女性（天体観測専攻）と木星から来た二人の女性宇宙人（波動学の研究のため）、水星から来ている男性の宇宙人（地球上の磁気や電磁波の研究のため）が乗っている。
◆ 空飛ぶ円盤の飛行には膨大なエネルギーを要します。円盤は大宇宙を流れている宇宙波をキャッチして、自由自在に星から星へ、地球世界の時間空間を越えて、人類進化のために目覚ましい活動を続けております。
１、釈迦は金星から遣わされた。
２、神霊科学とは、肉体人間と守護の神霊と宇宙人の三者が一体となって築かれる。
３、地球の祖先は他の天体から移動してきた。（一万〜五万年ぐらい前）『地湧品十五番』はそのことを表している。
４、人間は本来神の分霊であり、自己保存の五欲煩悩を持った人間の姿は、人間本来の神性が顕現する一つの過程である。
５、物質世界も神霊世界も共に波動から成立っている。波動の根本は生命である。
６、物質にも精神が内在している。（ダイナマイトで爆破された岩石にも、二千年後感じるようなゆるやかさではあるが、確かに痛みがある。）
７、原材料の成熟には人々の愛念が必要。
８、波動の変化で物が表れたり、消えたりする。物も自由に作り出すので、通貨は要らない。
９、金星の科学は波動の科学。
10、統一中に肉体をぬけて円盤に乗る。
11、円盤は一個の機器的な存在でなく、絶えず成長し進化を遂げてゆく巨大な生体である。（人体のようなもの）。機長の心波で微調整。
12、山川草木は御仏の表れ。
13、万有引力も波動を異にする世界では通用しない。
14、釈尊はかって金星の指導者であったが、後から進化を続けている地球のために金星からつかわされた。太古の昔の自分の実在を知る。
15、夢の世界は波動を違えた実在の世界である。
16、愛と調和が宇宙大神様のみ心。
17、宇宙大神様に届くまで探究精進が進む道。
18、肉体人間の業生と神様の智恵とが混ざって現われているのが地球の科学。金星の科学は神様の智恵がそのまま現われている。
19、電磁波の放射を光波に変える。→天井や壁が発光する。
20、一貫した大元の生命の現われ、絶えなき進化向上をとげつつある。この宇宙の森羅万象は唯一の例外もなく、一瞬たりとも停ることなく、一つの周期がおわるまで進化の道をたどる。
21、雨も必要に応じて、夜の間に降るので洪水はなく、人々の生活が困るようなことは起こらない。風水害も旱魃も、その星に住む人たちの想念からくるもので、人々の心が調和し、感謝が満ちあふれる世界にはなんの不調和な状態もおこりません。
22、地球の天位の変化。
23、地球と金星の関係は大神様一家の兄と弟の間柄→星と星との交流。
24、金星全体が地球上の温帯のようだ。四季はあるが、春と秋が長く、冬も夏も極めてみじかい。常春のような気候。
25、金星では地球世界と異なり、調和した世界なので、台風や天変地変を起こして星の汚れを洗い浄める必要がない。垢や汚れを洗い落とすことが要らない。
26、星の山水も草木禽獣に到る迄すべて、星に住む人の心で創り出している姿であって、争いや恐怖等の想いが出ない世界、地球世界の肉体人間の持つ本能、そうした想いのない世界なので、人間に害を与えたり、毒を持った動植物は住んでおりません。
27、地球世界の新しき世界の夜明け、黎明を前にして、地球人類の奥にひそんでいる業生が、大きく消されようとして表面に現れ出ている。夜明けを前にして闇が一段と深まるのと同じ。闇、それは本来あるものではなく、真理の顕現してゆくに従って消え去ってゆく。
28、大自然の中にすっかり抱擁された生活。
29、「金星の歴史」…金星とて、地球のように何十億年の年月を経て、荒廃の中から立ち上り、筆舌に尽きぬ苦難の時代をとおりすぎて、現代のような世界にまで昇華してきた。それは長い年月と金星人のたゆみなき努力の結晶でしかなかった。見る影もなきまでに、荒れ果てた金星の苦難の時代は長くつづき、もうこのままでは人類の住む天地に再び戻すことは出きないと思えた時に、他の先輩星から救世主が現われた。透明に輝く白色円盤と眼を射るような強烈な光輝の放射に、誰一人として、その前に立ち向う者はなく、多くの従者と共に金星の世界に降りて来て、人の神性を説き、人の尊厳さを教え、荒廃した世界の救済のための素晴らしき智恵を授けられたのです。
こうして次第に金星は昔日の姿に帰りゆくと共に、計り知れない智恵の力が人々の神性を開発してゆき、それと共に素晴らしい科学が育成されて、開発されてゆく神性と相まって金星は大転換して、現在の金星の姿となったのです。
30、皆が金星を立派に磨き上げてゆきたいという奉仕の精神にもえている。
31、シマの穀倉地帯では小麦によく似たヒタワの栽培が主です。果樹園も菜園もある。
32、金星人は肉食はしません。牧場、養豚、養鶏場等はありません。
33、金星の社会は素晴らしい波動が霊妙華麗に現れた社会です。神霊世界の顕現です。
34、原材料も半製品、製品もただの物質ではなく、精神波動と物質波動が混和されてできている。愛念によって物としての役目を果たしてゆく。
35、金星の天地は波動をあわせればいつでも展開していく。
36、金星の科学が地球に移された時、地球人類の想念世界に大混乱が起きる。自由主義も共産主義もない、秀れた科学力と神々のごとき崇高な精神力を保有して、輝くばかりの活動を続けている星が数えきれぬほどある。
38、大神様は、初めは人類を単調で進化向上するようにご計画されたのですが、各自が思い思いの道に進み、自分は神様から分れた生命であることを忘れ、転落するものが多くなったので、改めて大神様はこれら人類の救済指導、そうして守護の役目を帯びた特別な波動を送られたのです。それが天使たちとなり、各人の背後にあって今なお働き守り導き続けられておられるのであります。
39、大神様の愛念は、私たちがどのように努力しても推し計り知ることができないまでに、広く深くかつ高いものであります。私たちの基地を統治しておられる最高の上位の宇宙人にも、これらの人々を守り導かれる神々様があります。そして、それらの人々は基地のいずれの宇宙人よりも叡智と霊力に優れておられ、高い天命のもとに働いておられるのであります。この指導者を指導することの任務を帯びた宇宙人は、より高い進化を遂げて素晴しい宇宙科学の発達した星から来られるのであります。更にまたこの指導者を指導する上位の宇宙人があります。素晴しい進化した生活内容を持った、私たちの想像だにでき得ないまでの、高く優れた活動をなさっている上位の階層の宇宙人もあるのです。私たちの言葉を通して事物を理解する階層も、はるかに超えた上位にまた上位があり、際限なく進化が続いているのが宇宙人類の実体なのであります。
3、ソロンの予言書1 （ソロン アサミ著）
（要約）（内容の抜粋のダウンロードはこちら）
（1） ソロンの予言…貯えるばかりで 施すことを知らず
取るばかりで 与えることを知らず
上の如きであるならば 国潰(つぶ)れ 家潰れ
人落ちぶれてしまう
（2） 生け贄…神に捧げると言って
生きている人間や動物を
神に供える生け贄は
神の一番嫌う事であり
如何に威大なる国であっても
生け贄の事を行えば
神罰により国も王侯貴族も
皆滅亡するものなり
（3） 争いは火となる…良き争いは聖火となり
悪き争いは戦火となる
近所隣りの争いは火事の元であり
家族や仲間の争いは火傷(やけど)から
小火となり 火事となる
夫婦が争えば子は火のついた様に
泣き出して 熱病肺炎となる
（4） 天変地変…古代に起(おこっ)た天変地変は
地球造成の為であり
現代に起る天変地変は
人間の所行が元である
☆ 国を治める者達が私利私欲を貪り 国民に不安動揺を与えると 天に変りた事が現れ 次に地に変りた事が起る 是を天変地変と言う
（5） 財産には有形財産と無形財産がある
有形財産は現世だけの財産で 死ねば置いて行く財産である
無形財産は心に付いた財産で 死んでも生れ変っても離れない
☆ 無形財産は世の為人の為に 施したり与えたり尽したりした 実績の固まりであって 徳となり得となり 人格品性の元となる精心的力である
☆ 無形財産が無くなると人間失格となる
（6） 性教育問題…人間の性器は隠し所にある
故に陰すべき所であり陰部である
動物の性器は顕(あらわ)であり露骨である
☆ 上に記されたる事は此の世と人間を 造った造り主の御意(みこころ)であるので 人間の性教育を顕に露骨に教えたならば 人間失格となり 動物となってしまう
（7） 最後の審判の時代…此の世の終りの 時などないが
人の世の終りはある 今がその時である
最後の審判の時代になったので 人生は一應これで終り
再び人になれるか動物にされるか 人は全部審判(さば)かれる事になった
（8） 食物(たべもの)の諭(さと)し…食物を施すことをせず 貰うばかりの者 食物を粗末にしたり 捨てたりする者 食物を料理することを嫌いな女性 美味しい物は自分が食べ 不味(まず)い物や 汚い物は他(ひと)に食(くわ)せたりする者
以上の様な者は やがて食うことに不自由な病となり 職を失い 末は乞食となり 再び生れ変った時は 動物になってしまう
（9） 食われてしまう動物になる人…子を売り 女を売り 人を売り それをもって生活をした者
女房や子供を働かせて 楽をして遊んで暮している者
上の如き者は 次の世には 売られて 食われてしまう動物となる
情け容赦なく人を酷(こ)き使い 自分は楽をして暮していれば やはり動物となる
（10） 牛馬になる者…家族や仲間が働いているのに 家の中にいて 美味い物を食べて ゴロゴロして怠けていれば やがて寝たきりの垂れ流しの病人となるか 野垂れ死にとなるか とにかく次の世には 牛馬にされてしまいます
☆ 人間として生きているうちに早く気がついて 悪いところは改めなければ この予言通りになってしまいます
（11） 蛇になってしまう者…恨み憎み 嫉妬(やきもち)邪推 そして自棄酒(やけざけ)を飲んで 他(ひと)に被害災難を与えた者
働かず怠けて嘘をついて 楽をしながら酒を飲んで 酔っぱらって財産を潰した者
他の金銭財宝を騙したり盗んだりしても 見つからず捕まらず 世渡りした者
☆ 上の如き者は他の金銭財宝を騙したり 嘘をついて楽をして 酒を飲んで酔っぱらって 世渡りしたので 口ばかりで手足のない蛇になる
（12） 虫になる者…一生懸命働くだけでは本当の 真面目な人ではない
働くだけならば蜂でも蟻でも 虫でもやっている
☆ 人間ならば真面目に人生を考え 神理(真理)の勉強をして 正しい信仰をするのが本当に真面目な人であり 信仰もせず働くだけなら 蜂か蟻か虫になってしまう
（13） 無限と有限…大宇宙は無限 小宇宙は有限 人間の精心は無限 躰は有限 世の中は円運動で無限に続き 人間は縁運動により無限に続く
☆ 此の世は以上の如き世の中なので 人間として生き続けるか 動物になって生き続けるか 悟り次第である
4、チベット永遠の書 Ｔ.イリオン著（林 陽訳）
……若さの秘訣（抜粋）
汚れは聖性のしるしというのが、チベットの自称聖者たちに共通する考え方なのだが、隠者たちはこうした考えをもってはいなかった。彼らは内も外も清潔である。その衣類は高価でもなく、かといってみすぼらしくもない。うち何人かはずば抜けて長身である。また、彼らはごく僅かしか食べない…気候のよい時期にはまったく食べないことさえある…のだが、痩せてはいなかった。もう一つ、脂肪は一筋たりとも付いていないようにみえた。
わがチベット人の友の住居には、驚くほど静寂な空気が流れていた。また、人を心からもてなす慈愛に満ちた空気があった。それは、ごく自然なもので、いるだけで気持ちがなごんでくる。
わたしが着いてから三日間というもの、彼はほとんど何も食べなかった。これをみていたわたしは、彼がこれほどの若さを保っていられるのは、このような断食に秘訣があるのだろうかと思った。彼はみた目は三〇歳位だったが、少年のような振舞いをときどきみせた。目も大人というよりは子供のような印象がする。だが、彼の本当の年齢は、何十年も前から彼のことを知っている老人たちの証言から考えて、百歳を軽く超えていることは確かなのだ。
彼には、畏敬の念を起こさせるような厳格な雰囲気はまったくなかった。あるとき、冗談で体を押し合っていたときに、彼の体に触れる機会があったが、まるで、十八、九の少年のようにしなやかで、柔らかな肌だったのに、わたしは驚かされた。
このときにも、わたしは彼の少食がこの若さと関係があるのだろうか、と思った。わたしはこのことを口に出さず、心の中でだけ考えていたのだが、彼はわたしの思いを読みとったのか、目を輝かせながらわたしをみて、にっこり微笑み、このように語ったのである。
「友よ、わたしは断食によって若さを保っているわけではないのだ」
「では、なぜそれだけしか食べないのです？」とわたしはたずねた。
「現に空腹にならないからだ」と彼は答え、しばらく口を喋んでからさらに話し続けた。「よく注意してききなさい。人は、若さを保とうと努力する瞬間に年をとるのだ。何かを自分のものにしておこうと努めるその瞬間に、人はそれを失うことを恐れる。人が何をしようと食べようと、その恐れが人を毒する。恐怖心こそ、人の若さを蝕む元凶なのだ。
人生のどのようなことも相対的であること、絶対的な価値は何一つないことを忘れてはならない。善あるいは悪でさえ、実際には存在していないのだ。真に善なるもの、あるいは真に悪なるものは何一つない。われわれが物事をどう扱うかにすべてはかかっているのだ。あなたはある修行をしたからといって若さを保てるわけではない。若さを保つために何を食べようと行なおうと、心が老けていれば体の老いはすぐに始まるものだ。では、若さとは何だろうか？ それは偏見から自由でいること、習慣的考え方、習慣的生き方から自由でいることである。自発的で、愛に富み、熱中している限り、われわれはいつまでも若いのだよ」
「それはまた、ずい分と簡単なことなのですね」とわたしは口を差しはさんだ。「でも、大抵の人は永遠の若さを与えてくれる秘薬の方を好みます」
「そうだろう。だが、永遠の若さを約束する秘薬などというものはないのだよ。……」
5、かみさまは小学5年生 （すみれ著）
（抜粋）
人間はお花
P132
人間はお花だ。
人間もお花も似たようなところがたくさんある。
かみさまが言っていたふうに言うと
「人間は花といっしょだ。
花は めが出て、つぼみになって、咲いて、かれる。
人間は、命がやどって、生まれて、成長して亡くなる」
人間と花は生きるときも、亡くなるときも、同じだ。
お花は私たちに、生き方をおしえてくれる先生だ。
たとえば、お花は咲いているとき、すごくキレイだ。
これも人間におしえてくれてる。
どういうことかというと、
「人間もお花のようにキレイにかがやきながら生きなさい」
という意味だ。
そんなふうにお花は私たちに
いろんなことをおしえてくれている。
だから、そのおしえてくれたとおりに生きればいい。
かがやきなさい。
キレイに生きなさい。
先生を信じなさい。
物たちだって生きている!!
P134
みんなは知ってる？
物や洋服なんかにも
きもちがあって、
心があって、
生きていることを……。
じつは物なんかも人間のように
いろんなことをしゃべっている。
ほんとうに人間のような話をする。
ビニールぶくろ1枚だって話をしている。
ブランド物の紙ぶくろなんかは、
「俺、ブランド物だぜ」と じまんしてくる(笑)。
物どうしでも話をしている。
だから家の中なんて、いつもおおさわぎ。
いろんな物たちや洋服どうしが話をしている。
物や洋服なんかは歌も歌う。
どんなときかというと、
物や洋服の たんじょうびにだ。
そのたんじょうびとは、
物や洋服ができた日ではなく、
その物や洋服がその人の家にはじめてきた日のこと。
物や洋服たちは、相手のたんじょうびは、
みんなおぼえている。
だから、そのたんじょうびに歌を歌ったりする。
私はそのことを考えると
「物や洋服ってずいぶん きおく力がいいんだな〜」
といつも思う(笑)。
物や洋服も私たちと おんなじ生活をしてる。
たんじょうびをみんなで いわうのも人間といっしょ。
みんなと話すのも人間といっしょでしょ？
物や洋服、ほかの家具なんかもほんとう、人間とそっくりだね！
この世界を変えられるのは……
P144
この世界をよくするか、悪くするかは、
あなたたち人間にかかっている。
かみさまや天使さんたちにもできるけど、
今、この世界で生きているのはあなたたち!!
あなたたちの世界なんだから、
あなたたちで決めて変えていかないとダメ!!
平和で幸せにしたいのなら、
平和にするためにあなたが今できることをやりなさい。
かみさまや天使さんも
平和や幸せには、きょうりょくする。
でも、この世界を平和にするのは、
かみさまや天使さんではない!!
人間だ!!
6、分裂する未来 （坂本政道 著）
（抜粋） P227
起こっていること自体には本来意味はない。
それに意味づけをするのはあなたで、その際、あなたの価値観や信念が色付けをする。
それを危機的と見なすと、実際あなたにとって危機的になる。それをワクワクすることと見なせば、あなたにとってワクワクすることになる。だから、意味づけをするときはポジティブに意味づけをするようにしたほうがいい」
「失業した人はその事態をワクワクすることと思えないのではないでしょうか」
「失業したこと自体は本来中立的なできごとであって、それにその人が意味づけをしている。これを大変なことと見なすか、ワクワクすること、チャンスだと見なすかは本人次第だ。
肝心なことは何か自分がもっともワクワクすること、情熱を感じることをやろうと思うことだ。
これは何も失業した人だけに当てはまることではない。すべての人に当てはまる。
ワクワクすることをやろうと思い、情熱を持てば、ひとりでにそちらの方向へ動き出す。道は開けてくる」
7、ヒマラヤ聖者の生活探究 （ベアード・Ｔ・スポールディング 著）
（抜粋…全五巻の膨大な著書ですので、ここに紹介するのはホンの一部です。図書館にあれば借りられますので、興味のある方はどうぞ。）
○ わたしが善を表現すれば、わたしは永遠にわたしの善果を収穫する。
○ 善かれ悪しかれわたしたちの考えや言葉は、それを発した時と同じように確実にわたくしたちに戻ってくるものです。
○ すべての思い（想念であれ言葉であれ）は種子となり、それが発せられ、魂に植えつけられ（心の中に把持せられ）て観念となり、後に具体的な形となって現われ出て来る。完全なる想念は完全をもたらし、不完全なる想念は不完全をもたらします。
第一巻 人間本来無限力
第二巻 神性開顕
第三巻 因果の超克
第四巻 奇蹟の原理
第五巻 久遠の生命
8、ヒマラヤ聖者の生活探究・第一巻 （ベアード・Ｔ・スポールディング 著）
（抜粋）
【一念三千】
ここで隊員の一人が、わたくしたちの想念やコトバはわたしたちの生活にどのような力を及ぼすかと尋ねた。すると彼女は片手を差し出した。と、忽ち或る小さな一個の物体がその中に載っかっていた。
「この小石をこの鉢の水の中に落としてみましょう。小石が水にぶつかった処を中心に次々と波紋を描いてゆき、終には鉢の縁つまり水の外側の端まで及ぶのがお分りでしょう。その端では見たところ、波紋は力を失ってそこで停止します。しかし本当のところはこうです。波紋が水の端までゆくと、すぐにもとの中心に向かって戻り出し、戻り着くまでは決してぐずぐずしません。これはわたしたちが考えたり言ったりする想念や言葉を正確に象徴しています。想念や言葉というものは波紋に相当する波長をひき起こして、円を描いて次々と波及し、遂には宇宙を廻って再びその発言者に戻ってくるものです。善かれ悪しかれわたしたちの考えや言葉は、それを発した時と同じように確実にわたくしたちに戻ってくるものです。この戻ってくるのがあなた方の聖書に謂う、審判の日であります。
『毎日がその審判の日となるであろう』というのが、即ちそれです。発した言葉や想念の善悪に従って、審判も或は善、或は悪となります。すべての思い（想念であれ言葉であれ）は種子となり、それが発せられ、魂に植えつけられ（心の中に把持せられ）て観念となり、後に具体的な形となって現われ出て釆る。完全なる想念は完全をもたらし、不完全なる想念は不完全をもたらします。
種子を植えておけば、太陽と地球とが協力して、巨大な菩提樹でも或は一番小さい花でも、同じように造り出す。それと同じように魂や霊も人間の求めに応じて、言葉や観念によって求めるものを人間に与えるのであります。
【善因善果】
どうぞ、よく見えるように、円く輪をつくって寄って下さい。さて、此処に皆さんの中の誰かが今しがた、泉から汲んできたばかりの水が一杯あります。見てごらんなさい。水の丁度まん中に、氷の一片が出来かけてきたでしょう。一片々々、だんだん固まってきた氷の部分が増え、とうとうコップ一杯凍ってしまいましたね。一体どうしたのでしょうか。
わたしは水のまん中の分子(複数)をわたしの想念の力によって「普遍なるもの」の中に置き、それが形をとるようにしたのです。言いかえれば、そのヴァイブレーション(波動)を下げていって、遂にそれが氷となり、その外の分子群もその周囲に集まって形をとり、遂に全部が氷に化してしまうというわけです。
この真理を、皆さんは小さいコップだけではなく、桶や池、湖や海、はては地球上の水全体にまで適用できるのです。そうすると一体どうなるでしょうか。皆凍ることになりはしないでしょうか。一体何の為に？ 目的なんてないのです。
それは一体如何なる権威によってそうするのか、と皆さんはお尋ねになるでしょう。『完全なる法則の使用によって』とわたしはお答えしましょう。ではこの場合は一体何の為か？ 何の為でもありません。それは、別に何かの為になることもなかったし、また為になるようにもできません。
もしわたしが、この実験を徹底的にやりつづけて行くとすれば、結局どうなるでしょうか。それは反動が来ます。誰に来るか？ わたしにです。わたしは法則を知っている、だからわたしの表現するものは忠実にわたしに返ってくるのです。故にわたしは善のみを表現します。
従って、善のみがわたしに善として返って来ます。もしわたしがどんどん凍らせ続けていたら、最後の目的を遂げるずっと前に、冷寒がわたしにはね返ってきて、わたしまで凍ってしまい、わたし自身の冷凍という形でわたしは自分の希望の収獲物を刈り入れることになるでしょう。だからわたしが善を表現すれば、わたしは永遠にわたしの善果を収穫するわけです。
9、ヒマラヤ聖者の生活探究・第二巻 （ベアード・Ｔ・スポールディング 著）
（抜粋）
【人間が創造主】
どのように偉大な軍人でも、本当に征服し尽した者は未だ嘗(かっ)て一人もいないのです。彼の勝利なるものもみな幻想であります。軍人の築き上げた帝国も、刀以上の本質的なものによるのでない限り、速かに崩れ去ってしまうのです。結局、軍人は刀を斥(しりぞ)け、正義と理性とに訴えなければならないのです。然らざる限り彼等の帝国は崩壊する。獣たると人たるとを問わず、すべて肉食動物は孤独であり、望みなく、救いなく、どうしようもない宿命のもとにある。柔和こそが真の力であるからです。柔和こそが、血を好むことを除いたライオンの特性を全て備えた真のライオンであって、やがてすべての生き物がその統治のもとに服するようになるのであります。柔和こそ一切を征服するものであります。
人間を造るのも造らぬのも想念次第であります。想念という造兵廠で自からを亡ぼす武器も造れば、歓喜と力と平和に溢(あふ)るる天上の邸宅を自分のために建てる道具も造る。想念を正しく撰択して適用すれば、人は神の完全さにまで高まる。想念の間違った用い方をすれば、動物以下のレベルにも墜ちる。この両極の間には様々な色合の性格がある。人間こそ自分自身の創造者なのであります。
【空から来る】
紹介や挨拶がひとわたり済んだところへ、テントと設備の両方の係りをしている男がエミール師と隊長に会いに来た。その男はいかにも、もう完全にお手挙げだといわんばかりの様子で口をきいた。
「一体、これだけの人々をどうして賄(まかな)ったらいいのでしょう。荷物はまだ来ないし、引き揚げの準備も済ましたので、食糧にしたって今夜の夕食と明日の朝食も間に合いかねるんですがねえ」。
三人の男が鳩首談合しているところを、合同探険隊の隊長が話の一部を洩れ聞きして話の仲間に加わって行った。その時、その隊長が
「一体全体、この人達は天からでも降って来たのですか」
と尋ねるのが、わたしに聞えた。
わたしたちの隊長は、微笑を湛えて彼を見ながら、
「レイ君、うまいこと言い当てたねえ。あの人達は、まっすぐ天からやって来たんだよ。ホラ見てごらん、何一つ乗物だってないだろう」
「それだよ、それが一番分らないんだ。別段羽根が生えているようでもなしね。第一羽根がないんだから、天から降りてきて砂に着陸したとしても、ドサッという音がする筈だ。何しろあれだけの人数だからね。しかし何の音も聞えなかったじゃないか。だからどうもこの場合、君の言うことが正しくてよく辻棲が合うということにするよ」
ここでエミール師がわたしたち一行に向って、世話役の心配を軽くするために、訪問客の方々に御自分用の食料を持参して来なかったかどうかたしかめなければなりますまいと言ったものだから、ひどく当惑したのは世話役で、何もそう露骨に言うつもりではなかったが、皆んなに行き渡るだけの食べ物のないことには間違いありませんと弁解すると、来客達は期せずして明るい調子で笑った。世話役はいよいよ戸惑った様子であった。そこでエミール師の母君が、何も困る必要もないし、不便を忍ぶ必要もないんですよ、と言ってくれた。わたしたちのホステスと美しい婦人が、わたしたちと食事を共にすることはよく分っているのであるから、皆んなの夕食は責任を以て、且つまた喜んで整えます、と一緒に言ったので、世話役はホッとしてこの申し出を受けたものである。
【無限供給1】
もう陽(ひ)も大分傾いていた。丁度、此の時分のゴビ砂漠は、今穏やかな天気が地上で戯れているかと思うと、次の瞬間には仮借なき憤怒の地獄と化してしまう時節である。その日もそのような一日であった。キャンプのすぐ外側の砂の上にありったけのキャンバスを集めて敷いた。この風景は、よそ目には楽しいピクニックの一隊とも映ったであろう。一応その通りではあったが、キャンバスを敷き終ると、キャンプ用の煮炊き用鍋とお櫃(ひつ)兼用の容器が中味の入ったまま出されてキャンバスの上に置かれ、全員その周囲に集った。
あとからわたしたちの隊に合同してきた一行の顔に現われたタマげた様子は、今尚わたしたちの目に浮ぶ。リーダーのレイはこの容器群をヂッと見据えて、「これ丈の容器の中の分量をシッカと見ている自分の目に狂いがなく、又これだけの分量を増やしてこの腹ぺこの群衆に腹一杯喰べさせることが出来るというのなら、よし、両眼をカッと見開いてそのような奇蹟が起こるかどうか見届けてやる」と息捲いている。誰かが「うんと目を明けていた方がいいですよ、これからその奇蹟が起こるんですからね」と相の手を入れた。
わたしたちの隊長は、
「レイ、今日はこれで二度も君は言い当てたよ」
と応酬する。その時三人の婦人方が容器から給仕をしはじめた。皿に注ぐとその都度次々と廻され、喰べ終った空(から)の皿を受け取っては又一杯盛り、こうして結局一同はたらふく御馳走になったのである。給食が進むにつれてレイが益々落着きを失って行くのが分った。彼の分が廻ってくると、僕は少しでいいのだからと言って、そのまま次の人に廻してしまった。それを見てホステスは、皆んなに沢山喰べて頂く分が出てくるのだから御心配なさらなくたっていいんですよ、と請け合っている。
皆んな盛り沢山に行きわたると、彼は又容器の中を見た。ところが少しも減っていないのに気づくと、彼はつと起ち上って、
「大変不躾(ぶしつけ)ではありますが、あんまり珍しくて好奇心が野放図もなく高まってしまい、食事が一向に進みませんので、三名の御婦人のお傍に坐らして下さいませんでしょうか」
と申し出た。傍に坐って下されば却って嬉しいと思います、と婦人方が受けたので、彼は寄って来てキャンバスの端、エミールの母君と美婦人との間に坐った。
【無限供給2】
その時、誰かがパンを所望した。しかし給仕盆代りの箱蓋の上に只一切のパンが残っているだけであった。美婦人がつと両手を差し伸べると、殆んどその瞬間、大きな一塊のパンが両手の中に現われた。それをホステスに廻すと、ホステスは皆んなに分けるために切り出した。それを見てまたリーダーが起ち上り、失礼だけれどもそのパンをそのままで見せて頂けないだろうかと頼んだ。そこで塊のままのパンが廻されて来たので、暫らく探るように調べ廻してから返した。彼は非常に昂奮している。数歩離れたかと思うと、又戻って来てその婦人に話しかけた。
「どうも無作法とは思われたくないんですが、頭の中がこんがらかってしまったので、質問をすまいと思っても、せずにはおれなぐなりました」
彼女は一礼して、
「どうぞ、何なりと御自由にお訊ね下さい」
と答える。
「あなたはすべての既知の法則、少くともわれわれの知っている法則を事もなげに払いのけて、何かしら目に見えない不可視の給源からパンを取り出せるとおっしゃるのですか」
「わたくし達には不可視の給源ということはありません。何時でも見えているんですよ」
すると驚くべし、ホステスがパンを切り分けて渡しても、パンの塊は一向に減らないではないか。
【訳者註】
(1) 福岡市在の某キリスト教会の牧師宅に於ても、同様の食糧(米)の無限供給が、去った大東亜戦争時の食糧窮乏以来現在まで連綿として続いている由。その供給を受けた人々の証明書も多数保管されているという。
リーダーが少し落ち着きを取り戻して着席すると婦人は話しを続けた。
「イエスの悲劇の生涯は礫刑(はりつけ)と共に終り、キリストの生涯の悦びが復活と共に始まったこと、すべての人々の生涯の行先は礫刑ではなくて甦りであることを、あなたがお分りにさえなれたらと思います。こういう風にしてすべてイエスに従って、内在のキリストの豊かなる生命に至るのです。この『大いなる力』、この『内在のキリストの力』と一つになること以上の悦ばしい豊かな生命を考えることが出来るでしょうか。
人は一切の形あるもの、想い、言葉や状況を支配するために創られたのであることを、ここでわたしたちは知ることが出来ます。この生命を生きた時、求めるものはすべて満たされ、そこで始めてこの生き方こそが間違のない、科学的な生き方であったことが分るのです。
イエスはあの若者が持っていた五、六片のパンと僅かばかりの魚を殖やして、群衆に豊かに喰べさせることが出来給うたのであります。あなた方はイエスが法則を満たすことによって殖えて出て来る食物をすぐにも戴けるように、期待しながら秩序を守って坐っているようにと御命じになったことにお気づきでしょう。もしあなた方がイエスの生涯に歓びと満足とを見るというのであれば、イエスの理想に合うように行動して、イエスの生命の法則を満たさねばならないのです。ただ突っ立ったまま一体どうすれば食物が得られるだろうか等と、思い煩う愚を冒してはなりません。もしイエスが群衆にそういう行き方をさせたなら、群衆は決して飽くことは出来なかったでしょう。ところがイエスは、今持てるものを静かに祝福し感謝し、かくて喰べ物は豊かに殖え、すべての人々の欲求を満たし給うたのです。
人間に生きて行くことが難事となったのは、内なる声に耳傾けず、却(かえ)ってこれを斥(しりぞ)けるようになってからです。人が再び良心に立ち還(かえ)り内なる声に耳を傾けるようになった時、人は生活の資を得るのに額に汗せずとも済むようになり、創造の悦びを味わうために働くことが、これにとって代るようになるでしょう。彼は創造の悦びに入り、主の法則即ち神の言葉のもとに創造するでしょう。神の言葉を通し、人は神の全愛、全包容的質料に働きかけ、彼の包蔵する理念を具象化しうるようになるでしょう。
イエスが至高所に昇り、この世的限定観念に対して内在のキリストの優越を証したのも、かくの如くにして一歩一歩進んで行ったからです。これが分ると、もはや神の道を歩むことがその人の全存在の歓ばしき本質になります。イ工スは本当の霊的生活が唯一の悦びの生活であることを実証したのです。イエスはその勝利の故に権威と栄光とを着る者となりました。同時に又その勝利によって彼は小児の如くに自由になったのです。
世界はまだ真の希求(のぞみ)に目覚めてはいないが、実はこの悦びと大いなる祝福という希求をこそ求めているのです。己れのみの慾得を求める者は反ってこれを失う、という法則に気づかずして、人は利己の追求に満足を求めるかも分らないが、失うことによって個我の崩壊が霊の高揚のしるしであることに気づくのです。人間が極度の困難に逢着した時が、神の機会であることを悟ります。
人は神のあらゆる善きもの、完全なる賜物を受ける資格のあることを知らなければなりません。あなた方の実相である神についての智識を通じて、これらの賜物を受ける準備をしなければなりません。もしもあなた方が心の中で自分を神から切り離してしまえば、神の現われからも切り離されてしまうでしょう。生命の悦びに完全に入るためには、生命と悦びと、その生命が全人類に与える豊かさと歓びとを求めなけれぱならない。イエスが教え給うた地上天国建設の法則(非常に小規模ながらその適用を先程あなた方は見たわけです)は正確であって、科学的であります。人は神の子にして神の似像(にすがた)であるから、自分の裡(うち)に父なる神の真の霊を持っています。人は意志しさえすれば創造的父の法則をよく弁(わきま)えてこれを活用し、自分の身辺の事柄にこれを完全に適用することが出来るのです」。
そう語り終ると、彼女はどんな質間にも喜んで答えたいと言った。
【見えない乗り物】
質問をしようにも余りにも感動が深くて質問どころではない、というのがレイの答えであった。彼はいろいろと考えてみたかったのである。一寸お話してみたいことがあるのだが、どうか気を悪くしないで頂きたい、もともとお気に障るようなことをする積りはないのだから、と断ってから、
「わたしたちは予定に従って、遥かな過去に埋もれて今は亡き種族の遺跡を探ろうと思って此処までやって来ました。ところがわたしたちはその代りに理解を超えた驚くべき活力溢るる生活を送っている方々を見ました。わたしたちが目のあたりに見たこのことを世界に報道すれば、全世界があなた方の足許に頭を下げるでしょう」。
「わたしたちは何も世界に対してわたしたちの足許に叩頭して欲しいと思ってはいません。只しかし、全人類が神の足下に頭を下げる姿をどんなにか見たいことでしょう」。
更に言葉を続けて言う、
「人類は余りに多くの偶像を持ち過ぎました。本当に必要なのは偶像ではなく理念だったのです」。
ここでこの訪問客達は、先に行くところがあるからと断りながら、一番始めにテントの入口に訪ねて来たお一人を除いて皆起ち上り、心のこもった握手や別れの挨拶を交わし、何時でも自分達を訪ねてくるようにと勧めると、来訪の時と同じようにパッと姿を消し、後にはレイとその一行とがこの人達の立っていた場所を果然と見詰めているのみであった。ややあって、レイは居残っておられる方に向き直ってその名を聞き、パゲット・アイランドという答えを得た。
レイは早速その人に質問を浴びせた。
「あなたも肉眼で見える乗物に乗らず、たった今、のように、これまでに知られた重力や物理の法則を無視して、自由自在に往ったり来たりできるとおっしゃるのですか」。
「わたしたちはどんな法則でもそれを無視するということはしないし、又人間や神の法則をひとつでも害(そこな)うこともしません。わたしたちは自然と神の両方の法則全部に協同し、それに従って働くのです。わたしたちの交通手段はあなた方には見えないが、わたしたちには完全に見えるのです。残念なことにはあなた方にはそれが見えないものだから信じないのです。しかしわたしたちはそれを見、信じ、知り、且つ活用することが出来ます。あなた方にもそれを知り、見、且つ使用するだけの理解力が開けたときに、わたしたちの用いているこの法則がハッキリしたもので、しかもあなた方の見たり用いたりしている限られた法則よりも遥かに人類の役に立つことが分るでしょう。又、それが人類の可能性の表面に只触れただけであるということも何時かお分りになるでしょう。わたしたちは何時でも喜んでわたしたちに出来る方法であなた方の御手伝いを致します」。
10、ヒマラヤ聖者の生活探究・第三巻 （ベアード・Ｔ・スポールディング 著）
（抜粋ここに紹介している文章は、第三巻のほんの一部です。）
【第十六章 愛と猛獣】
こういう集いが数日続いてから、ゴードン・ウェルドンとわたしはこの方々と一緒にこの土地に暫(しばら)く滞在することにして、隊長と他の一行はダージリンに帰り、われわれが確保してあった資料を綜合して纏(まとま)った形にするために、本部を樹(た)てることに一決した。
彼らが出発したあと、わたしたちはキャンプを手入れして長持ちするようにした。隊長が十二月に帰るまでは、ここがわたしたちの本部になるからである。
われわれのいる所は主峰の横峯から谷に延びる背の天辺(てっぺん)にあって、谷の床面より約五百呎の高さである。その現場も周囲も、わたしたちが行楽を唆(そそ)られる色々な変った場所に行くのに都合のよいところなので、メイン・キャンプを張るには一番便利であった。
キャンプは堂々たる高木の群生している大きな樹群の真中にあり、その地面は主峯からキャンプの方になだらかな傾斜になっているため、キャンプは丁度三日月形の半円形劇場の真中に安居し、谷が残りの半円を包む大壁画のような感じであった。この壁画のむこうには、黄金の溶けた海に太陽が沈んでゆくのであった。夕べごとにこの色が、この半円形劇場の背景の役割をしている。峯に向って延びている斜面に照り映えて、頂上は恰(あた)かも巨大な光量のごとく鼓動し脈動する色彩の海にひたるのであった。
夕陽の最後の光条が水平線によってさえぎられる時、沈黙の中に佇(たたず)めば、恰かも大いなる存在者がその両肩の高さに両手を拡げ、襞(ひだ)をいとも美しく重ねた純黄金色の衣をぴったりとまとい、純白光のオーラを数哩(マイル)の広きにわたって放っているのかと思われるのであった。
或る日の夕方、丁度日没直前にキャンプの近くに坐っていると、太陽がこの日に限って最大の荘厳な輝きを放っているかと思われた。その景観は明らかに常と異り、全員が恍惚となったのであった。その中の一人が少し前にここに来ていたサンヤシーに向って、太陽さんはわれわれにお休みのあいさつをする前に、一段と美しく見せようとしているんだよね、と言うと、サンヤシーは、
「或る目出度い事の起こる前兆ですよ。偉大なる魂の方々がいと尊きお方のお伴をして、間もなくここにお集りになるのです。どうぞ、お静かにして下さい」
と答えた。
その瞬間、外宇宙からでも来たのかと思うような静けさが、シーンとあたりにひろがった。突然、静けさを破って天来の声がいとも美しき調子でひびいてきた。やがて数千ものコキラ(鳥の名…訳者註)が身も心もゾクゾクするほどの高い調子の最高音で、調子を合わせて鳴き出し、それに声と唄とが調和して、美しき交響楽となっている。それを聞いていると、聖歌(カンタータ)とはたしかに天で生まれたものに違いないと信ぜざるをえない。もし親愛なる読者方も、この場の様子を目のあたりに見、この歌をぢかに聴けば、わたしが最上級の形容詞をいくつも使うことを赦(ゆる)してくれると思う。
忽(たちま)ちに鳥たちの囀(さえず)りは止まった。しかし、歌声は前よりも荘重な調子で漂っている。やがて峯の斜面に、銀色にユラユラと光る襞(ひだ)のある衣をつけた神秘的な美しい天女が二人、おぼろにその輪郭を現わした。その姿の余りの美しさは、ただ『なにゆえに強いて、空しい人間の言葉で表現しようとして、反ってこの方々を汚すのか』と、言い得るのみである。
暫(しば)らくは息づかいまで忘れ、サンヤシーもわたしたちも吾れを忘れていた。突然、数千もの声がコーラスに加わり、人の形をした者たちが集って、二人の中心の人物を囲み出した。歌声が始まった時がそうだったように、突然歌声が止むと、人の形の者たちも消えた。絶対的な沈黙が支配した。やがて一人の偉大なる方の姿が前のように、しかし又、いつそう輝く色彩の中に現われた。陽光が薄れてゆくにつれて人形(ひとかた)は次第に小さくなり、遂にわたしたちの前に現われたのは、完全な釣合のとれた体格で、比類のない色合の、流れるような髪の男性的な姿であった。その体には、ゆらゆらと動く白い衣が纏(まつ)われている。その衣は幾つものひだをなして両肩から垂れ、腰の周りでゆるやかな白銀の紐(ひも)でしめられている。わたしたちの方に堂々と歩みを運ぶたびごとに、衣のすそが草を払う。ギリシャ神話に出てくる神であっても、この方ほどには尊厳な感じは与えないであろう。
わたしたちの近くまで歩みを運ばれると、立ちどまり、やおら話を始められた。
「お互いには紹介の必要はない。又、形式ばる必要もない。わたしはあなたたちに本当の兄弟として挨拶をします。わたしが自分の片手を出し、相手がそれを握って握手しても、相手が握手しているのではなく、わたしが自分の片手を握って、自分を握手しているのである。わたしが自分で自分を抱擁するのに躊躇(ちゅうちょ)するであろうか。そんなことはない。丁度そのように、わたしはあなたたちを愛する。そして神原理と相共にわれわれは全世界を愛する。わたしはあなたたちと同じように名前もなく、年令もなくして、久遠である。われわれは相共にへりくだり、神性の中に在る」。
その方が暫らく沈黙のまま立っていると、忽ちその衣裳がかわり、われわれと同じ服装になって、しかもその側には何時の間にか大きなラジャプタ産の虎がいる。その虎もまた美しく、その皮は太陽の残照の中で絹の真綿のようにも見える。一瞬、恐怖におそわれたが、実はこの出来事に茫然となっていたので、虎がいたことに初めは気づかなかったのである。突然、虎が低く身構えた。しかし、師が一言命ずると虎はからだを起こし、その方が両手を出すとその手に鼻面を置くのであった。われわれも恐怖の波が去り、気持が落ちついた。その方はキャンプ・ファイヤーの前にお坐りになり、わたしたちはその周囲に寄っていった。虎は少し離れて、地面の上に腹這いになった。
以下は、その方のお話である。
「わたしはあなたたちの御好意に暫らく預かろうと思ってやってきました。もし邪魔でなければ、宗教大会まで一緒に滞在したいものです」。
わたしたちはこの方と握手をしようと思って、皆んなが同時に手を出してしまった。それほど皆んな歓迎の意を表するのに熱心だったのである。
彼はわたしたちに感謝してから、また話を続けられた、
「あなたたちは野獣を恐れる必要はない。恐れなければ決して害は加えないものです。あなたたちは前に、或る村の人を護るために、その村の前の地面に横たわって動かないままになっていた肉体を見たことがあろう。あれは一般の人々にとっては、只肉体上のしるしにとどまっただけであった。あの肉体は動かぬままに曝(さら)され、野獣のなすがままにされていました。動かなかったのにも拘(かかわ)らず反って害を受けずにすんだ。人々はこの事実に気がついたのです。それによって人々は動物に対する恐怖がなくなるのです。恐怖心がなくなった瞬間、恐怖のヴァイヴレーションは放送されなくなり、従って野獣も何ら恐怖のヴァイヴレーションに感応しなくなり、丁度周囲の木や草や小屋などのように人間を食べるべきものとは見なさなくなる。野獣が、前には一番恐怖の念を放送していた男を餌食にしてきた村を、今度は誰も恐怖を起こさなくなっているため何事もなくまっすぐ通り抜けてしまうこともあります。それをあなたたちは実際に見たわけです。さらに又、野獣が地面の上に倒れている者の上をそのまま、またいで、村をまっすぐ通り抜け、自分を恐怖する者を探しにゆくのも見たわけです。又、その同じ野獣が二十呎(フィート)と離れていない所にいる二人の子供達の間をまっすぐ通り抜けて、恐怖を起こしていた年のいっていた人を襲うのも目撃しています。だから、野獣は人を見るのではないのです」。
この方の言われる出来事が記憶の中より、どっと押し寄せるように蘇返り、わたしたちは始めて、これまで恐怖の深い意義をしっかり把握するほど深くは考えていなかったことが反省された。
彼は猶、話しつづけられた、
「動物を愛しなさい、そうすれば動物も亦、愛をもって答えてくれるものです。もし動物が人のこの愛に抵抗するなら、人に害を加える前に動物の方が人に殺されます。動物はこのようなことについては、人間よりも遥かによく気づいているのです」。
虎の方をチラリと見ながら、
「ここにいる同胞に愛を出して、その反応を見てみることにしよう」と言った。
わたしたちはそれに応えて精一杯やってみた。するとすぐに虎は転がり、跳ねあがり、始終嬉しくてたまらぬ様子を見せながら、わたしたちの方に近づいてきた。
師は、また語り出された。
「動物を敵として近寄って行けば、彼は斗うべき敵となり、同胞として近づけば保護者となるものです」。
チベットのＴ宇廟からわたしたちに同行しておられた牟尼が起ち上られて、野外宗教大会に集ってくる巡礼者達への奉仕にハルドワールに帰らなければならないので、明日、わたしたちと別れることになると言われたので、お互いに挨拶を交わし、その後で牟尼は去っていかれた。牟尼は大へん黙っておられたけれども、筆舌に尽くせぬその友愛を私たちは十分に感じていた。この偉大なる土地には、この方のような人々が沢山おられるのである。彼らは一言も発する必要なくして、しかも人はその偉大さを感ずるのである。
牟尼が出発されてあと、私たちが坐って落ちつくか落ちつかぬうちに、突然エミール師とジャストとチャンダー・センとがキャンプに入って来られた。挨拶を交わしてから一緒に坐り、この国での大部分の旅行日程を打ち合わした。それが出来あがると、エミール師は私たちが訪れることになっている各地につながりのある興味深い伝説を、沢山物語ってくれた。そのうち一つだけ書きしるしてみよう。というのは、それはわれわれがキャンプをしたこともあるし、十二年毎にこの地方で催される野外宗教大会(3)に大きな関心をもって出入りした地区と関係があるからである。この地区の野外宗教大会と廟(びょう…死者の霊を安置する堂)には、毎年他の地区以上に参詣者が集まる。一回の大会毎に五十万人もの参加者が集まるのである。特にこの季節の行事は、殊のほか重大なので、参会者の数は数百万にも増える見込みであった。あたりにはすでに瑞兆の雰囲気が立ちこめている。 この大会の間、巡礼者たちには全部食事が無料で与えられた。ハルドワールは大聖地として知られている。ブリンダヴァンにはスリ・クリシュニが住んでいた。この谷あいで彼は成人したのである。この地方は楽園に近いといってもよい位で、美しい唄を囀るコキラという鳥の故里はここである。
この地方には、宝石をちりばめた道標が幾つか建っている。これらの道標は、アムリの壷からこぼれた久遠の美酒(それはデヴァトス〔神〕とアシュラ〔悪魔〕…言いかえれば、霊性と粗雑なる物質性…との斗いのあと、海中から抛(ほう)り上げられたもの)の滴(したた)り落ちた場所に出現したという。この伝説は、インドが霊的生活の巨大な意義に目覚めた時代を物語っている。この美酒の壷は大へん貴重なものとされ、それを手に入れるために再ぴ戦が始まったほどである。悪魔を引き離そうと急ぎすぎて、神は壷から美酒をこぼしてしまい、そのこぼれ落ちたところに、この宝石をちりばめた道標たちが建ったというわけである。
これはずっと深い霊的意味を秘めている伝説である。その意味が常住、久遠に亙(わた)り、広範囲に及ぶことは、あとで実証される通りである。
11、ヒマラヤ聖者の生活探究・第四巻 （ベアード・Ｔ・スポールディング 著）
（抜粋…ここに紹介している文章は、第四巻のほんの一部です。）
【第七章 神】
神と人とは不可分
1、一般に人々は神についての大師方の考え方や神の存在場所について興味をもっています。そこでこの章ではこの問題についての大師方の考え方を研究してみる事にしましょう。併し大師方の考えを人間を抜きにして研究する事は不可能です。何故なら大師方にとって神と人間とは不可分だからです。
2、大師方は神の話を非常によくなさいますが、神を実在…一つの属性としての実在〔原文のまま〕、即ち、可視・不可視の全宇宙のシステムを包含する単一の実体の一属性と考えておられます。元来神についての人間のあやまった考え方は神に関する迷信から来ています。その頃の人間は神と云っても彫像だけしか知らなかったので、本質においては人間自身が神である事、個人と遍在する者とは何ら別の存在ではない事を知らせ、人間は全体の不可欠の一部であり、その本性は全体と同一であるとの悟りに復帰させる事が必要でした。
大師は教えるに非ず確認するのみ
3、大師方は、イエスが教えられた様に、神は常にまさしく人間の中に在る、と教えておられます。これが真理の光りを得た人々の態度であり考え方です。人間は本質において神なのであります。『わたしは神である』というのは、およそ人間の云い得るものの中でも最も明確な断言の一つであります。大師方がその教えを文書にした事は聞いたことはありません。口頭で教えたり話したりはしますが、ご自分のお話を「教え」とは云っていません。大師方は只明々白々な事実を述べるだけであって、明白なことは皆が知るベきであると云っておられます。だから、大師方は教えるのではなく、すべての人間が本能として知っているもの、且つ普遍的に真理であるものを確認するだけです。
大師の勧める文献
4、各個人の進歩の手引として、大師方は、マハーバラタ(1)、ヴェーダ、ウパニシャッド(2)、ギータ(3)の読書を勧めておられます。この読書は、本当の精神的な仕事や精神集注をしたいと思う人々に推薦しておられます。その読み方は一度に数節宛が一番よろしい。いっぺんに全巻を通読してしまう行き方は勧めておられません。一文だけ読むのに丸一日かかる事もよくあります。ギータの中にある教えは、神とは一体何であるかを完全に把握・体得する為の楷梯であります。
自己内在の神を体認せよ
5、自分自身の中に神の実在する事を体得しない限り、何人も本当に神を知る事はないのです。
『自分の中に在る神の霊が示すのでなければ、何人も神に属する物を知ることはない』のであります。いろいろな教説の中に述べられているものを、眼光紙背に徹して把握する様に心を訓練する事が、結果的に、いわゆる奥義又は妙義発見への準備となるのであります。何故ならそうする事自体が内なる働き、即ち、秘義であるからです。それは数学の法則を学ぶ様なものです。つまり、ギータや聖書その他の聖典の教えの深い意味を把握できるところまでに自己訓練が出来たならば、その人は、すでに自分自身を深く探り、自分自身の存在の秘義を発見し得る立場にある、という事です。本来人間は肉体機関ではなく、肉体機関を通じて生きている内なる「我」であり、神我なる「我」を発見することが即ち内なる働きなのであります。
人間は神のすがた
6、人間が神の像(すがた)に似せて造られたのではなく、神が人間の像に似せて造られたのである、とする説に執着する旧来の考え方を持っている人が現在沢山ありますが、それは人間を肉の背後にあるもの、即ち「内なる我」としてではなく、「肉」として考えているからであります。併し人間はまこと神の像(すがた)なのであります。
神と人との関係
7、神が可視・不可視の一切のものの総計である以上、神の他には何も無いのであるから、この無限者である神の像(すがた)には、一切の空間と時間とが包含されています。従って神は人間をただ神おんみずからの像に似せて、或は、その範囲内において創造しうるのみです。何故なら、その他に人間を創造しうる場所と云ってはないからです。丁度人間の想念が人間の心の中に存在し、かつその不可欠の一部として存在している様に、人間は神の像そのものの中に存続しているのです。人間はこの神の像の中で創造(つく)られただけではなく、云いかえれば神の全体の中に包摂(ほうせつ)されているだけでなく、神に似せて、神の本質そのものによって創造られているのであります。原因が神であれば、結果も神の現れです。原因と結果とは同じでなければなりません。心のない想念や、想念のない心というものが一体あり得るでしょうか。
不幸は迷いの現れ
8、条件が揃えば人間は本来の神に戻るのであります。何もこれから努力して神に到達する必要はないのです。人間はもともと神なのです。ここに根本原理の完全なる所以(ゆえん)があるのであります。兎角迷いが病気・罪・貧・不幸などの形をとって具体的なものとして現実に存在している様に見える為に、われわれはあらゆる種類の困難や争いの中に落ち込んでしまうのです。併し、人間の中で原理〔神・実相〕が完全にすべてを支配統一する様になると、物或は状態として存在しているのは実は自分の想念が客観化(あらわれ)したものである事が分り、自分自身はその様な見せかけの客観化(あらわれ)の埒外(らちがい)に出る様になるのであります。迷いの現れの外に、神の純粋な現れがあるのであるが、それは物質的な、或は、限定された客観化(現れ)とは違います。それは原理〔神・実相〕のすべてを意識的に現わした状態であって、そこには些(いささ)かの神と我、人と我との分離も限定もありません。丁度それは光りの無数の光条の中の一条の様なもので、これら無数の光条が一緒になって一般的な光りとなり、又一条一条の光線が同時に光りでもあるのに似ています。
常に自他の神性を観ぜよ
9、『わたしは神である』という真理の本当の内容を完全に悟り切ってそう宣言するならば、どんな状態でも立ちどころに癒えてしまうのであります。この事を悟り、この真理の外には何も考えないようにするならば、その人の上には只、この真理のみが現れるのであります。故に自分自身や他人に処するのに、これからは自他ともに永遠に神と一体なるものとしてのみ見かつ宣言することです。そうすればその光りが直ちに現じて来るのであります。何故ならそれこそが本物の光りであるからです。その時始めてわたしたちは自他一体であることを悟り、かくて全てが成就されるのであります。これこそがキリスト〔神我〕の光り、キリスト〔神我〕原理なのです。
悟れば自然に健康となる
10、従って、内分泌腺や、神経中枢や、肉体そのものに対して特殊の行法をする事(4)、いわゆる病気の処置を必要とする説は不用になります。人間と神との一体なる基本的真理を悟れば直ちに肉体は正調になるのです。この悟境に達すれば、色々な内分泌腺や肉体機能はおのずと刺戟されて調和する様になり、肉体のあらゆる構成分子が刺戟され覚醒させられ、本霊と完全に調整された働きを営む様になるのであります。生かすのは霊です。我(が)の心の働きでは肉体の動きを高めて本霊と調和させる事は出来ないのです。何故ならもろもろの天が地よりも高い様に、聖霊(みたま)は心の上にましますからです。
12、ヒマラヤ聖者の生活探究・第五巻 （ベアード・Ｔ・スポールディング 著）
（抜粋…ここに紹介している文章は、第五巻のほんの一部です。）
【質疑応答】
問 過去の出来事を撮影する場合、どういう方法で過去の事件を対象として選ぶのですか。
答 過去の事件は皆んな或る周波帯の中にありましてね。人間が口で言うこと一切、声・言葉など、直ちにそれぞれの周波帯を持って、いつまでも響き続くものです。
問 大悟徹底を得るには、何が最善の道でしょうか。
答 道はわが裡にあるのです。自分自身のより深き内奥を目指して求めることです。この大いなるみ光りは、本来既にあなた方のものとしてあなた方の裡にあることを知って頂きたい。必要なのはこの事です、この事がすべてです。
問 あなたはインドで生まれたのですか。
答 そうです、インドで生まれました。私の父もそうです。私は予備校に通い、あとでカルカッタ大学に入りました。ヴォーズ博士夫妻はその頃、六十八年間もそこにおられました。
問 イエスやその弟子たちや聖書の中の人物たちは、本当に私達にお馴染みの肉体の姿で生きておられたのですか。
答 ええ、そうですとも。私達は過去撮影機でその方々の生活を若干撮し取っています。
問 あなたがお会いになったとき、イエスはどんな御様子でしたか。
答 イエスは高さが六呎二吋あります。もしイエスが今晩、このグループの中にまじっておられたとしても、その御神格、最高度に完成した方であることは、あなた方にも見分けがつく筈です。イエス御自身はすべての人々を、一切の完全なるものを達成する力を本来備えていると見られたし、又、今に至るまで常にそう見ておられます。
イエスは嘗ての如くに、今も猶、常に活在し給います。私達は丁度あなた方を撮すようにしてイエスを撮しました。イエスがラザー・バーバンクやノーウッド博士その他数名の人々と共に、腕を組んで歩いておられる写真を私達は持っています。
問 私達が大師たちと同じ生き方をするようになれば、人間の心を悩ますいろいろな大きな問題は完全に克服されるでしょうか。
答 されます。真理は汝を自由ならしめん、というのがイエスの断乎たる箴言(しんげん)でした。
問 人間は神ではない、という考えは、どうしたら取り除けられるでしょうか。
答 消極的な物の言い方を拒否することです。『吾れ神なり』という断定がその反対の消極的発想よりあなた方を解放してくれます。非真理よりは真理を述べる方が善いのです。
問 『吾れ神なり』と言っておきながら神と一体であることが、現実に受け容れることができなければ、それは一種の盲信ではないでしょうか。
答 もし全くの盲信からそう言うのであれば、その人はすでに神より分離しているのであって、ゴールに結局は到達することはないでしょう。そういう場合は、まず『吾れ……をすることが出来る』と言い、更に進んで『わたしは……である』と言う方がずっとよろしい。もしわたしには出来ないという態度を受け容れてしまうなら、すでにあなたは自分が神より離れていることを認容したことになります。
問 もし人間が神であって、その神は霊なのであれば、一体肉体はどこから発生したのですか。
答 それは、人間の心の中に発生した催眠術的効果のためです。人間自身が物質的なものを生ぜしめたのです。この何れは死すべきものとなっている体は催眠術にかかった体であって、その状態より覚醒してみれば、それは悪夢のようなものであって、再び夢を見るが如きことはもはやあり得ないのです。
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