お答え 123 ： 本門の戒壇について …中田
郎先生著『金剛戒の信仰』の中に次の一文があります。『聖日蓮の教学は三秘と五綱に尽きる。三秘とは本門の題目、本門の本尊、本門の戒壇である。五綱とは教と、機と、時と、国と、序との五つである。』
『聖日蓮は、三秘の法門の中「本門の題目」と「本門の本尊」とは顕説せられたが、「本門の戒壇」に関しては「時を待つべきのみ、事の戒法と申すはこれなり」と書き残し、後代の時節を待たれて居る。』
「本門の戒壇は時を待つべきのみ」ということですが、これに関して、私の恩師は次のように解説しておられます。
一、〝戒〟は、いましめ、あるいは、まもると訓ず。
一、法華経信仰に〝三秘密〟を殊に重視することは衆知であるが（日蓮法華に三秘･五綱これなり)、三秘密とは、信仰上三個の絶対的な最重事点を言うのである。即ち、本尊と題目と戒壇である。しかして、
一、本尊と題目（あるいは宝号）は結局して、〝戒壇〟に流入する。
一、戒壇とは…これを礼拝の場所と教えたのは昔のことであって、いわば封建時代のことであり、大衆が土民として取扱われた時代の教えである。これはまことの戒壇の真意ではない。
一、戒壇の真意は…現代乃至現代以後に於ての、われわれ人間（凡夫）が、人間界（社会）に於て人間らしく生活する意味である。故に“まもる”である。…即ち生活を〝まもる〟これ戒である。檀…は生活の場即ち家庭乃至社会の意味である。
一、日蓮聖人御書に、本門の本尊、本門の題目はあれども、戒壇は時を俟つべきのみという意味のことを、自ら仰せられてある。仰せの如くんば、前記の三秘中の最重点の戒壇が、日蓮南無妙法蓮華経は欠落していることをおん自ら明瞭に物語っておられるのである。
一、時来たって、中田録学大士の御出生によって、〝時〟に是の金剛戒信仰を、自らの行験によって是れを書残したもう。けだしこれ甚深の所以であり、深き仏旨の存する所と拝する。されば、
一、戒壇に三種あり。すなわち土器戒、金銀戒、金剛戒である。土器は壊れば土にかえり、金銀器は壊れてなお地金のこる。金剛戒は、金剛不壊不退であって、行者（行持者）自ら破らんとして破れずとあり、如何なる悪神もこれを破り犯せないというのである。われら末世に生をうけたる人間（凡夫）としては、絶対的なる最高最終的の戒法（生活を守る基本方式）であるとするのである。次に、
一、戒壇について…これを語を変え、文字を替えて申せば、この事即ち、白法と大白法と相成るのであるが、逐次後頁に註解がつづくであろう。（昭和四十七年十一月発行『浄妙世界』第八号より）
以上要するに、「戒壇」とは「生活を守る基本方式」であるが、南無妙法蓮華経（白法）には、日蓮聖人が自ら言明しておられる通り、「戒壇」が欠落しており、南無先祖
養道（大白法）の時代になって初めて、「本門の戒壇」が確定したということです。
お答え 124 ： 先祖養道が地球標準思想になるとはどういうことですか？ 先祖養道の将来は？…「わが生命の真のあり方」を見ると、ここからいろんなことがわかります。
私達夫婦の一代前には四人の祖親がいて、二代前には八人ですが、これを二十代前にさかのぼると、実に二百万人以上になり、さらに三十二代前になると、約八十六億人となり、一躍世界の人口をこえます。しかし逆算すると、元の自分たち夫婦ないし自分一人となります。
これは、自分という生命は父母、祖先を通して神（宇宙の生命の総合体）と一体であり、すべての生命とつながっているということを示しています。
さて、他にどういうことが言えるでしょうか。ぜひあなたも考えてみてください。
一、自分の生命は父母祖先を通して、神仏につながった尊い存在である。
二、行の一念三千が証明できる。（自己の思いが他に伝わり、そしてまた自分に返ってくる。自分の環境は自己の思いが元になっている。）
三、彼我一体ということが言える。他を傷つければ自分を傷つけることになる。
四、自分が自分に関する一切の創造主である。
五、天上天下唯我独尊(我なるものが各自、最も尊い。)
以上のようにいろんなことが言えるわけですが、ここから人の生活、生き方の基本ができてきます。つまり、自分だけの利益を考えた生きて生き方は、今後通用しなくなるということです。人類やその他の生命が一体となって生きていく時代がくるのです。そういう時に、日本人が日本一国の利益、立場を考えて行動するのは、無意味です。世界が一体となって生きていく時代には、たとえば食料の自給問題も、日本国内での自給自足を考えるのではなく、地球全体の自給自足を考えるのです。もちろん将来は太陽系内自給自足というようになっていくでしょう。
日本人が現在でも世界中に出て行って、その国の人々のために尽力していますが、この先祖
養道の思想をもって世界に出ていけば、必ず、世界中の人と和合できます。食料の安全性の問題も、日本人が中心となって技術指導していけば、安心の食材が提供できるはずです。その他の問題にしても、思想の根幹に先祖
養道があれば、解決できない問題はなくなるでしょう。ですから、これからの宇宙時代には、この先祖
養道が絶対必要です。世界中の人々が先祖養道を学ぶ時代がくるでしょう。
お答え 125 ： なぜ本尊(御宝體様)をまつって、拝まなければならないの？…まず、自分という生命のあり方ですが、神仏が自分の運命を作っているのではないということです。自分の人生の責任者は自分自身で、自分の思念、行動が自分の環境を含む人生のすべてを創造しています。しかも、現世だけではなく、過去、現在、未来の三世に亘って影響しています。自分が善悪にかかわらず、創造主である以上、その責任も自分が取らなければなりません。
自分の作った過去世の悪業は、毎日違った因縁となって日々の生活に、いろんな不幸や災難となって様々に現れてきます。
そこで簡単に言いますと、「拝む」ということは、責任を取る姿です。「困った時の神頼み」という気持ちではなく、過去世の悪業を懴悔するということです。懴悔すれば滅罪します。大難が小難に小難が無難に変わってきます。
過去世の悪業については、経文に次のように出ています。
『身とは殺・盗・婬、心とは諸の不善を念ずる、十悪業及び五無間を造ること、猶ほ猿猴の如く、亦黐膠の如く、處處に貪著して遍く一切六情根の中に至る。…』（仏説観普賢菩薩行法経） （
…経文は平樂寺書店版『訓譯妙法蓮華経並開結』を参照しています。）経文は読んでいただければなんとなくわかると思いますので、細かい説明はしませんけれど、身体で殺・盗・婬を犯し、心で悪い思い…「あいつが憎い」「恨み、つらみ」など不善の念を起こしてきた自分であるということです。
この悪因縁、悪想念を消していくことが、大御宝號（南無先祖
養道）を唱えるということで、その因縁の浄化になります。自分が悪想念を出したんですから、自分で掃除するのは当たり前のことでしょう。信仰というのは、自分で掃除するということです。これは他人に頼んで代わりにやってもらうものではないし、神仏に頼むべきものではないですね。自分自身でやらなければ意味がありません。これが懴悔ということです。
懴悔を忘れるということは、自分の業を忘れていることになります。自分の人生で何が起きてくるか、全く警戒していないということになります。自分を戒めていないので、思い上がっていることになるのです。思い上がりは自分を滅ぼす元です。ですから、拝むということは、常に自分を戒めて、思い上がらないように注意していることにもなります。
本尊(御宝體様)は拝む対象ですが、本尊はもとが尊いって書きますね。わが生命の真のあり方の図から、宇宙の生命の総合体ということです。そこにつながっているあなたという生命は尊いわけです。あなたが尊いから、あなたの周囲もみな尊いわけです。一人ひとり各自がそれぞれ創造主だから、自分の周囲が神仏と同様です。
そこで本尊(宇宙の生命の総合体)を拝むというのは、一切生命を礼拝していることになります。
このご本尊(御宝體様)を各家庭にまつるということで、先祖とつながり、恩師(その時代の仏様)とつながり、宇宙の生命の総合体(神仏)とつながります。実義(みのりのあるつながり)が生まれ、功德が流れてきます。また、正しい霊感、指導をいただくこともできます。自分の気持ちが不安定で落ち着かない時、どうしたらよいか分からない時、判断に悩む時など、御宝前で大御宝號（南無先祖
養道…なむせんそぎょうようどう）を唱えていると、解決に結びつきます。南無先祖養道と唱えている時は、正しく安心安全の瞑想をしているのと同じです。家庭に礼拝の場があるということは、すばらしいことだと思います。各自、自分自身が発信源です。正しい想念、暖かい想念を発していきましょう。
次の質問も参考にしてください。
ご質問 33 ：宝號…南無先祖
養道を唱えることに何の意味があるんですか？ご質問 65 ：お経を読むと何か良いことがありますか？
お答え 126 ： 信仰すれば出会いはありますか？…うーん、これは難しい問題ですね。信仰を持っていなくても出会いはありますからね。ただね、その出会いが本当に幸せをもたらすかどうかは、その人の信仰如何にかかっていると言えるでしょう。
たとえば、すばらしい出会いだと思って、結婚して一児が生まれた頃、離婚してしまうのでは、本当にその結婚が良かったのかどうかは疑問です。それも修行だ言ってしまえばそれまでですが、片親になって生活も苦労するし、その子もいろんな面で苦労するでしょう。
ですから、結婚するなら本当に幸せになる結婚をしたいものです。それには、先祖
養道…せんそぎょうようどう…の信仰をお勧めします。詳しい説明は質問コーナーを見ていただくとして、ここでは簡単に説明します。婚約したら、まず最初にすることは、双方の先祖のご法名の交換です。もちろんこれには、双方の家が入信している必要がありますが、お互いの先祖をお互いの家の過去帳に写すのです。
具体的に言いますと、私のところでは、妻の実家では父が伝住姓、母が鳴海姓なので、過去帳には伝住家と鳴海家の両方の先祖のご法名が書写してあります。そして私の家は、父が倉田姓、母が高橋姓なので、やはり両方の先祖のご法名が過去帳に書写してあります。
そして私たちの結婚（もう36年も経ってしまいましたが）に際しては、このお互いの先祖のご法名を知らせて、伝住家（妻の実家）の過去帳には、倉田家と高橋家のご法名を書写してもらい、倉田家の過去帳には、伝住家と鳴海家のご法名を妻と二人で分担して書写しました。つまり、私の家の過去帳には、倉田家、高橋家、伝住家、鳴海家のそれぞれの先祖のご法名が入っているのです。もちろんこれだけではありません。縁のある人のご法名を出来るかぎり迎えてあります。
そのためかどうか、いつだったか私の留守の時に、占い師の人がたまたま来て、この家はたくさんの先祖に守られている家だと言われたということで、もっともなことだと思います。そういうことを観ずる人にはわかるのでしょう。
そして私の娘の結婚に際しては同様にさせてもらって、娘の家の過去帳には、嫁ぎ先のご先祖のご法名に加えて、倉田家、高橋家、伝住家、鳴海家の先祖のご法名も書写してあります。もちろん私の家の過去帳にも、娘の嫁ぎ先（婚家）のご先祖のご法名を書写しました。
先祖というのはいわば自分の根っこですから、こうして根っこをしっかりと固めることが、一生涯幸せな結婚をもたらすことになります。植物も植える時、鉢植えにしても地植えにしても、根がグラグラしないようにしっかり根元を押さえることが生長のポイントでしょう。
この信仰は旧来の先祖供養ではありません。妙法蓮華経常不軽菩薩品第二十にいうところの「人間礼拝行」ということです。
これから結婚、再婚しようとしている人、今も離婚の危機にある人、今からでも遅くはありませんから、ぜひ先祖
養道をお勧めします。必ず家庭円満になります。（ぜひ体験談もお読み下さい。）人生はすべて修行だとすれば、結婚して家庭を作るのも修行、生涯独身で通すのも修行ですから、人様々で、どちらが良いかということはありません。ただ、この信仰を持てば、その人にとって最善の人生になることは間違いありません。そして、信仰の上の出会いなら安心です。
お答え 127 ： 私も最近お経をあげているのですが、職場の人間関係についてと、友人と疎遠になってしまった事で悩み、お経をあげ改善していきたいと願ってるのですが、法華経（無量義経一巻三品と妙法蓮華経二十八品と仏説観普賢菩薩行法経一巻一品の三部十巻三十二品）のお経で、どこをあげたらいいのでしょうか？…人間関係の念願については、「試してみよう」のページを参考にして、
あなたとお友達との間に関交する…（お名前、年令を入れて）と読み上げて、大乗方等経典のうち、 無量義経十功德品第三（要録）とあなたがお持ちの妙法蓮華経提婆達多品第十二をあげ、時間があれば、佛説観普賢菩薩行法経（要録）をあげます。そして、大御宝號（南無先祖
養道）をしっかり唱えれば大丈夫です。相手に対して感謝の気持ちを持つようにして、続けてみてください。お試し効果が必ずありますが、永続的な効果を期待するには、入信して、御宝體様をまつり、キチンと信仰する必要があります。
また、外出中などで読経できない場合もあります。そういう時は、総法号とご宝號（南無先祖
養道…なむせんそぎょうようどう）でも良いのです。私の体験談（3、…『あわや中止寸前』、5、…『責任者を出せ！』、7、…『監督さんは激怒』）を参考にしてください。なお、興味のある方は、浄妙教団の先輩の方々から教えいただいた、どういう時にどのお経をあげるのかという『念願のための経文集』をご覧下さい。他の教団と違う所があるかも知れません。
お答え 128 ： 法華経は一番新しい経典なので、お釈迦様の直説の言葉はほとんど入ってないのでは？…（１）あなたは法華経を読誦していないようですね。自分の宗旨を信じて疑わないのでしょうけれど、自分の信仰を深めるためには、最深と言われている法華経の読誦は必要です。
法華経を構成している無量義経、妙法蓮華経、仏説観普賢菩薩行法経の三部ともその始まりは、「是の如きを我聞きき」で始まっています。つまり、法華経全巻、釈尊のお言葉なのです。
この「我」というのは、ほとんど侍者阿難のことですが、この阿難は、全身耳(今でいうテープレコーダーの機能)と言われた人で、秘書のような立場の方です。この阿難が釈尊のお言葉を全て記憶していて、仏滅後、釈尊の教えの結集(けつじゅう)が行われた時、阿難の記憶に基づいて、経典が編纂されたのです。
また、「仏は滅し給わず」という言葉がある通り、釈尊亡き後も、仏法を正確に受け取り、後学の人に伝えることは可能です。
例えば、仏説観普賢菩薩行法経(平樂寺書店版『訓譯妙法蓮華経並開結』を参照しています)には、「空中の声」という形で、以下の経文のように大乗の修行者は教導を受けています。
『佛説観普賢菩薩行法経』
1、「復更に大乗経典を誦習せん。大乗の力の故に、空中に聲あって讃歎して言わく、善哉善哉、善男子、汝大乗を行ずる功德の因縁に、能く諸佛を見たてまつる。」(P403)
2、「空中の聲を聞き已って、復勤めて大乗経典を誦習せん。大乗方等経を誦習するを以ての故に、即ち夢中に於て釈迦牟尼佛、諸の大衆と耆闍崛山に在して、法華経を説き一實の義を演べたもうを見ん。」(P403)
3、「大乗の力の故に空中に聲あって告げて言わく、法の子、汝今應當に十方の佛に向いたてまつりて大乗の法を讃説し、諸佛の前に於て自ら己が過を説くべし。諸佛如來は是れ汝が慈父なり。」(P411)
4、「空中に復微妙の音聲あって、是の如き言を出さん、汝今應當に身心に懴悔すべし。」(P413)
（２）次に仏教伝来についてですが、恩師のご法話を聞いて、私が覚えていることを簡略に説明します。
仏教はインドから中国、韓国を経て日本に渡ってきたわけですが、まず、釈尊から直接教えを受けた侍者阿難は「全身耳」といわれた人で、今でいうテープレコーダーの機能を持った人です。ここでまず釈尊の教えがほぼ正確に残されます。釈尊の滅後、弟子たちによって、その教えが結集（けつじゅう）されます。
次にインドから中国に、結集された仏教を伝えたのは鳩摩羅什（くまらじゅう…中国南北朝時代の訳経僧。インド人を父とし、きじ国王の妹を母として、きじに生まれる）ですが、この方は父がインド人、母が中国人のため、インドと中国の両方の言葉、生活習慣に精通しているわけです。ですから、鳩摩羅什が漢訳した仏教はほぼ正確と考えていいわけです。
鳩摩羅什が亡くなる時、当時の中国は土葬が一般的だったのですが、あえて火葬にして、「自分の訳が正確なら、舌が青白い炎を出して焼けないで残るであろう」と言い残して亡くなり、果たしてその通り、舌が焼け残ったという話が伝わっています。鳩摩羅什の訳が正確だった証明です。
それから韓国を経て日本に伝わるわけです。この漢訳仏典を日本語訳にしたのは誰かはわかりませんが、現在一般的に読まれているのは、日本語訳です。ただし、参照する場合は公正を期する意味で、宗教団体発行のものではなく、書店発行の経典（推奨は平樂寺書店版『訓譯妙法蓮華経並開結』）を参照して下さい。
（３）【釈尊五時の説法】
「仏法は一乗にして二乗なく、各種宗派のあるべき理なし」（常不軽無学大士）のお言葉通り、宗派はあってはならないものです。仏法は釈尊お一人が説かれたものですから、釈尊としてのひとつの結論があるわけです。そこで、どの経典が一番重要で、最終結論かということを、次に説明します。
仏様のみ教えをその説かれた順序に従って分けると、次の五つ（五時継図）になります。
第一時…華厳経（3･7日間の御説法）…最高の経典といわれているが、これは短い間の説法なので別にして、学校教育にたとえると、
第二時…阿含経（12年間）は小学時、
第三時…方等経（８年間）は中学時、
第四時…般若経（22年間）は高校時、
第五時…法華経（８年間）は大学時の教育にあたります。
これを釈尊五時の説法と呼んでいます。これはその時代の人々の機根に応じて説かれてきたもので、最後の法華経が出れば、それ以前の教えはすべて法華経に含まれることになり、その利益を失います。
もちろん、他の教えを否定するわけではなく、大学教育を受けるには、それまでの教育は必要ではあるけれども、大学で、小学教育を受け直す必要はないということです。また、例えば、お金は一万円札だけがお金ではなく、一円玉も五円玉も等しくお金として認められるべきものですが、しかし使うなら、一万円札の方が良いということです。
この法華経は無量義経（開経）、妙法蓮華経、仏説観普賢菩薩行法経（結経）の３部からなり、全部で10巻32品です。妙法蓮華経（８巻28品）だけでは不完全、未完成なわけです。
この観普賢菩薩行法経が結論中の結論（最終結論）ということになります。この「最終結論」ということについては、次のご質問の答えもごらんください。
ご質問 15 ：本当の仏法は？宗派がたくさんあって、どれが本当の仏法なのかわからない。
ご質問 21 ：法華経の構成が一般と違うようですが？
ご質問 22 ：ダウンロードコーナーの恩師の著書『あなたへのお手紙』紹介のところに、〝南無妙法蓮華経は仮の本尊〟というのがありますが、どういうことですか？
ご質問 30 ：仏説による親孝行がなぜ仏教の結論になるの？
ご質問 33 ：宝號…南無先祖
養道を唱えることに何の意味があるんですか？（４）【普賢観は法華を結成す】
日蓮聖人は『法華文句』(天台大師著)から引用して、観普賢菩薩行法経が法華経の結論であること、行法経がなければ法華経は意味を成さないということを、『釈迦一代五時継図』の中で述べておられます。
（５）【「法華最も第一」等の経文】
1、阿含経も法華経も釈尊の教説ですが、その釈尊ご本人が、「我が所説の諸経 而も此の経の中に於て 法華最も第一なり」(妙法蓮華経法師品第十)と仰せられているのですから、それを素直に受け入れてほしいですね。
2、「我が滅後に於て 若し能く斯の如き 経典を奉持せん 是れ則ち難しとす 我佛道を爲て 無量の土に於て 始より今に至るまで 廣く諸経を説く 而も其の中に於て 此の経第一なり 若し能く持つことあるは 則ち佛身を持つなり」(妙法蓮華経見寶塔品第十一)
3、「此の法華経は是れ諸の如來の第一の説、諸説の中に於て最も爲れ甚深なり。 (中略) 此の法華経は諸佛如來の秘密の藏なり。諸経の中に於て最も其の上に在り。」(妙法蓮華経安樂行品第十四)
4、「一切の川流・江河の諸水の中に、海爲れ第一なるが如く、此の法華経も亦復是の如し。諸の如來の所説の経の中に於て最も爲れ深大なり。」(妙法蓮華経藥王菩薩本事品第23)
5、「一切の聲聞・辟支佛の中に菩薩爲れ第一なり。此の経も亦復是の如し。一切の諸の経法の中に於て最も爲れ第一なり。佛は爲れ諸法の王なるが如く、此の経も亦復是の如し。諸経の中の王なり。」(妙法蓮華経藥王菩薩本事品第23)
（６）【法華経で授記】
釈尊の弟子たちは法華経において、「仏になれる」と初めて授記を受けています。これも重要です。例えば次の通りです。
1、「諸佛如來は此の法より生じ、大乗経に於て記べつを受くることを得たまえり。」(佛説観普賢菩薩行法経P422)
2、「舍利弗來世に 佛普智尊と成って 號を名けて華光といわん(華光佛)…大衆、舍利弗の佛前に於て阿耨多羅三藐三菩提の記を受くるを見て、心大に歓喜し踊躍すること無量なり。」(妙法蓮華経譬諭品第三)
3、摩訶迦葉は光明如來。須菩提は名相如來。大迦施延は閻浮那提金光如來。大目けん連は多摩羅跋栴檀香如來。…妙法蓮華経授記品第六で授記を受けています。
5、「我が諸の弟子の 威德具足せる 其の数五百なるも 皆當に授記すべし 未來世に於て 咸く成佛することを得ん」（授記品第六）
6、富樓那彌多羅尼子は法明如來。きょう陳如比丘は普明如來。…妙法蓮華経五百弟子受記品第八で授記を受けています。
7、「其の五百の比丘 次第に當に作佛すべし 同じく號けて普明といい 轉次して授記せん 我が滅度の後に 某甲當に作佛すべし」（五百弟子受記品第八）
8、「是の千二百の阿羅漢に、我今當に現前に次第に阿耨多羅三藐三菩提の記を與え授くべし。」（五百弟子受記品第八）
9、阿難は山海慧自在通王如來。羅ご羅は蹈七寶華如來。學・無學の二千人は寶相如來。…妙法蓮華経授學無學人記品第九で授記を受けています。
10、「佛、薬王に告げたまわく、又如來の滅度の後に、若し人あって妙法華経の乃至一偈・一句を聞いて一念も隨喜せん者には、我亦阿耨多羅三藐三菩提の記を與え授く。」（妙法蓮華経法師品第十）
11、提婆達多の受記(天王如來)は妙法蓮華経提婆達多品第十二にあります。
12、耶輸陀羅比丘尼(羅ご羅の母)…は具足千萬光相如來。摩訶波闍波提比丘尼(きょう曇彌…佛の姨母)は一切衆生喜見如来。…妙法蓮華経勸持品第十三で授記を受けています。
以上のように、弟子たちに記を授けるのは、釈尊でなければできませんから、法華経は釈尊の直説の教えと考えて間違いありません。
お答え 129 ： 日蓮の教えに親孝行が第一に重要であるという教えがありますか。また、法華経のなかで、父母孝養の教えがありますか。…（１）親孝行が第一に重要
日蓮聖人は、「法華経は内典の孝経」とたしかおっしゃっていると思います。この一言に日蓮聖人のお考えが表れているのではないでしょうか。「内典の孝経」というのは、仏教の中での親孝行の教えという意味で、「孝経」という経典を指すのではありません。
日蓮聖人の『盂蘭盆御書』について書いたもので、参考になるものがありますので、次にそれを紹介します。
中田 旺山（観普賢院録学大士）先生の『真実義』という文章です。
私が信仰に入った最初は迷信であり、いわゆる利益本位のお題目でありましたが、この利己主義の信心をひるがえして、懴悔第一主義にふりかえて頂いた御妙判(聖日蓮の御遺文)は孟蘭盆御書でありました。（註…現在日本で年中行事として行われる「おぼん」は孟蘭盆会から由来したものであります。）
孟蘭盆御書は、目連の母、青提女が、餓鬼道（むさぼり）から脱れられた伝説によそえて、法華経の真ずいを説き示された御書であります。ことに宇宙の中心が自己にあるという事をハッキリと教えられ、「功徳を回向するを上品とす」とある点を具体的に、且つ最もあきらかにはっきりと事実にもとづいてとかれた非常に大事な法門であります。私は初めこの御書を拝読して、父母に対する孝行の道は、ただ自己の成仏（罪業の懴悔滅罪）にあるのみだということが分かったと同時に、一切衆生の成仏の秘められた鍵も、亦自己成仏の四字に存する事が分かったのでありました。日蓮上人の孝行観、孝の行、孝の功徳の示唆は開目抄（聖日蓮の五大著述の一部）にあらずして、より多く此の孟蘭盆御書にあると存じます。
☆ 真の孝行
日蓮聖人は開目抄において、孔子、老子の方々を一応賞揚しておられますが、再応これを絶対的に否定せられ、これらの人々はエライ事はエライが過去の世も未来世をもわきまえないもの、凡夫の背を見ず、盲人の前を見ざるが如きものであって、不知恩のものだと責めておられます。要するに観念的な孝行(道徳的・倫理的)は、孝に似て実は不孝であるというのであります。
「父母を養うを下品とす」とありますが、下品中品は上品(品とは前後の位とか位置をいう)と程度の差であるのではなく、絶対的の差であります。上品のみが唯一の真の孝であって、其他は皆不孝であるというのであります。目連尊者が母が食するものも飲むものもなく餓鬼道にさまよっているのを嘆いて食物を投げられた事は下品の孝養であります。けれども、その投げた食物が火となって母の身を焼きさらしたとある事は、如何に小乗的な悟りや、小乗的な孝の結果が小さき孝でなくして、大なる不孝であるかを物語るものであります。
三世をわきまえ、自己の罪の故に父母の罪があるのであるという法界の真理(先祖ぎょう養道)に目覚め、いわゆる宇宙の中心を自己に求め、自己に感じてゆくところの大荘厳懴悔の道(罪業の自覚による懴悔と同時に幸福とその生活環境が新生する道)こそ、唯一絶対なる功徳回向(回向とは親に果たした孝行はそのまま亦自分の功徳となる)の孝があるという事、而して、やがてそれが一切成仏(世界平和)の大功徳であるという点までを徹底せられてあの御妙判となったのであります。目連の父母の成仏は上七代・下七代の父母の成仏、上無量生・下無量生の父母の成仏、一切衆生の成仏であると重ねて説破せられている所を注視せねば成りません。
☆ 女性の幸福
「法華経は内典の孝経なり」という事は、ことに法華経が母を救う【女人成仏】の教えであるという事であり、この点が日蓮聖人が最も歓喜踊躍せられていたところであります。孔老の教えはいうに甲斐なく、仏教といえども法華以前のあらゆる経には、皆父を救えども母を救わず独りわが法華経こそ母を救って下さるのだ。「悲母の成仏もあらわれる」と喜んでいられる。一事が万事である。一しずくの味は大海の味である。角あるものはわれその中なるを知るのである。母を残して、女人を残して、成仏の印可を与えている爾前(にぜん)の仏教(法華経以前の仏教)は、桀紂(けっちゅう…夏（か）の桀王と殷（いん）の紂王。ともに中国の暴君。転じて、暴君をいう)を除外して忠を説いている儒教と撰ぶところのない相対的な無明の教であり、抽象的な観念であると大聖人は悟られたのでありましょう。さればこそ目連の母の成仏は、目連の成仏を前提としているが、目連の母の成仏によって、一切衆生は同時に、直ちに成仏するのである。
私の恩師は次のように述べています。
目連尊者の色身は父母の遺体なんだね。父母の連なり、父母から残されたもの。目連の体が仏になればその父母も仏になれるという事なんだ。そこで目連尊者がタマラバセンダンコウ如来となって人を救い、その道に努力する。その学びと懴悔の行によって自分が成仏し父母も成仏したと云っておられる。
自分の成仏がなくて父母の成仏はない。人によってはこの御書を第一とする。私もこれが第一だと思う。日蓮聖人の本尊抄とか開目抄とか色々とあるが、自分が成仏できなければこれ等の五大部十大部も詮ない事だろう。だから今までの先祖の供養の仕方は全部父母をかえって地獄に落とし、苦しめていたことがわかるだろう。
以上の文書をお読みいただければ、日蓮聖人の孝行観がよくわかると思います。
次に
（２）法華経のなかで、父母孝養の教えということですが、
１、まず、法華経というのは、南無妙法蓮華経二十八品だけをいうのではなく、無量義経、仏説観普賢菩薩行法経を含めて、全部で三部十巻三十二品です。このことについては、詳しくは「お答え21…法華経の構成…」をご覧ください。
２、法華経の結論に当たるこの『仏説観普賢菩薩行法経』（「要結品」のダウンロード）に、【仏説による親孝行】に関する記述が二ヶ所あります。
一つは「一切の人を視ること猶お佛の想の如くし、諸の衆生に於て父母の想の如くせよ」です。このことについての説明は下記をご覧ください。
ご質問 30 ：仏説による親孝行がなぜ仏教の結論になるの？
ご質問 84 ：小乗と大乗について（法華経第一の文証）…
「一切の人を視ること猶お佛の想の如くし、……」の解説文
もう一つは「第二の懴悔とは、父母に孝養し、師長を恭敬する、是れを第二の懴悔の法を修すと名く」です。これについての説明は下記をご覧ください。
ご質問 39 ：信仰綱領の(2)の「父母孝養・師長恭敬」について説明して下さい。
ご質問 88 ：信仰とは何か…
また、信仰綱領のページもご覧ください。 以上、お読みいただければ、「法華経は内典の孝経」ということを納得していただけると思います。
それから、これは直接的な言葉ではありませんが、『妙法蓮華経常不軽菩薩品第二十』に、常不軽菩薩（過去世の釈尊）は、人間を礼拝して作佛したとあります。人間礼拝の第一歩は、一番身近な父母から始まりますから、これは「仏説による父母孝養・師長恭敬」と考えて良いと思います。自分の父母を大事に思わない者が、他の人を尊重するはずがありませんから。経文は次の通りです。（平樂寺書店版『訓譯妙法蓮華経並開結』を参照しています。）
「爾の時に一りの菩薩比丘あり、常不軽と名く。得大勢、何の因縁を以てか常不軽と名くる。是の比丘凡そ見る所ある若しは比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷を皆悉く禮拝讃歎して、是の言を作さく、我深く汝等を敬う、敢て軽慢せず。所以は何ん、汝等皆菩薩の道を行じて、當に作佛することを得べしと。而も是の比丘、專らに経典を読誦せずして、但禮拝を行ず。乃至遠く四衆を見ても、亦復故らに往いて禮拝讃歎して、是の言を作さく、我敢て汝等を軽しめず、汝等皆當に作佛すべきが故にと。」
「爾の時の常不軽菩薩は豈に異人ならんや、則ち我が身是れなり。若し我宿世に於て此の経を受持し読誦し、他人の爲に説かずんば、疾く阿耨多羅三藐三菩提を得ること能わじ。我先佛の所に於て此の経を受持し読誦し、人の爲に説きしが故に、疾く阿耨多羅三藐三菩提を得たり。」
☆ 関連事項…親孝行運動。
お答え 130 ： 日蓮の御書は現代では通用しない古い教えにすぎないのでしょうか。…私は日蓮御書を全部読んでいるわけではないので、このことについては言える立場にありません。ただ、私どもの信仰の立場から、日蓮仏法は不完全、未完成、去暦昨食であることを、日蓮御書を引用して説明しているので、この点、現代に通用してもらわないと困りますね。
日蓮聖人を信仰する立場の人は偽書扱いする人もいるそうですが、『成佛法華肝心口傳身造抄』には、
「必ずしも権法の悪比丘等に扁(かぎ)らずして、末法の中に於て名を法華宗に假りて、妙法の首題を唱ふれども、未だ上行付属の法門を弘めず。意奸しく乱れ、諂曲にして而も正法の僧と称して、當に日蓮が法門を破るべし。未だ出世の本意を知らざる故なリ。」と、痛烈なことが書いてありますね。
中田
郎先生の『金剛戒の信仰』は非常に勉強になります。この先生は我が教団の理論的支柱となっておられる方です。この中で、『御義口伝』を説明して、
「南無妙法蓮華経」と「上行所伝の題目」とは別なものであることを説いています。（詳しくは『金剛戒の信仰』の「御義口伝の金文」を参照してください。）
即ち、現代は「南無妙法蓮華経」ではなく、「上行所伝の題目」（つまり私たちからすれば、大御宝號…南無先祖
養道）を唱えるべき時代だとおっしゃっています。極端な言い方をすれば、南無妙法蓮華経と唱えることは、いかなる教団であっても、「謗法」になるということです。日蓮聖人に違背し、敵対していることになります。日蓮聖人のお言葉「當に日蓮が法門を破るべし」ですから、私に文句を言ってもダメですよ。
次に日蓮御書が引用されている回答集をご紹介しますので、ぜひあわせてお読みください。
ご質問 9 ：日蓮が本仏か？
ご質問 15 ：本当の仏法は？宗派がたくさんあって、どれが本当の仏法なのかわからない。
ご質問 22 ：ダウンロードコーナーの恩師の著書『あなたへのお手紙』紹介のところに、〝南無妙法蓮華経は仮の本尊〟というのがありますが、どういうことですか？
ご質問 32 ：「仏法は一乗にして二乗なく、各種宗派のあるべき理なし」の説明をして下さい。
ご質問 113 ：わたしの部屋にはクリスマスの人形やガイコツ、ロザリオの載った写真集などが部屋にあるのですが、これらは謗法ですか？
ご質問 117 ：上行所伝の題目とは？
お答え 131 ： 法華経は後世の人間が都合の良いように作っているのでは？…後世の人間が都合の良いように作っているという根拠はなんでしょうか？ また、だれがどのようにして作ったのか、明らかにしてほしいですね。
私としては、そうではないことを経文の上から明らかにしたいと思います。（経文は平樂寺書店版『訓譯妙法蓮華経並開結』を参照しています。）
（１）、法華経は過去世に何度も説かれていて、釈尊だけが説いているのではない
経文…（妙法蓮華経序品第一）「世尊既に讃歎し 妙光をして歓喜せしめて 是の法華経を説きたもう」…過去世の無量無数劫で日月燈明佛が法華経を説いています。
（妙法蓮華経方便品第二）「尋いで過去の佛の 所行の方便力を念うに 我が今得る所の道も 亦三乗と説くべし 是の思惟を作す時 十方の佛皆現じて 梵音をもって我を慰諭したもう 善哉釈迦文 第一の導師 是の無上の法を得たまえども 諸の一切の佛に隨って 方便力を用いたもう 我等も亦皆 最妙第一の法を得れども 諸の衆生類の爲に 分別して三乗と説く…」…これは、釈尊が法華経を説くのに、方便を用いて、一乗の法を三乗と説こうと思った時、十方の佛が現れて、「そうだ、そうだ、その通りだ。私たちも皆、方便を用いた」と賛同してくれた場面です。十方の佛も過去世で法華経を説いたわけです。
（妙法蓮華経見寶塔品第十一）「十方世界の在在處處に、若し法華経を説くことあれば、彼の寶塔皆其の前に涌出して、全身、塔の中に在して讃めて善哉善哉と言う。大楽説、今多寶如來の塔、法華経を説くを聞きたまわんが故に、地より涌出して讃めて善哉善哉と言う。」…多寶佛(過去の無量千萬億劫に滅度したまいし佛)も昔から、法華経の存在を知っていて、釈尊が法華経を説くのを、爾の時に寶塔の中より大音聲を出して、歎めて言わく、「善哉善哉、釈迦牟尼世尊、能く平等大慧・教菩薩法・佛所護念の妙法華経を以て大衆の爲に説きたもう。是の如し、是の如し。釈迦牟尼世尊所説の如きは皆是れ真實なり」と述べて、釈尊を応援しています。
（妙法蓮華経常不輕菩薩品第二十）「之を號して常不経と爲く。是の比丘終らんと欲する時に臨んで、虚空の中に於て、具さに威音王佛の先に説きたもう所の法華経二十千萬億の偈を聞いて、悉く能く受持して、即ち上の如き眼根清淨・耳・鼻・舌・身・意根清淨を得たり。是の六根清淨を得已って、更に壽命を増すこと二百萬億那由他歳、廣く人の爲に是の法華経を説く。」…威音王佛も常不経菩薩も法華経を説いています。
以上の経文の他にもまだありますが、法華経は過去世に何度も説かれていますから、後世の人が作ったとは言えないでしょう。
（２）、地球以外の他の星の人も法華経の存在を知っている
経文…（妙法蓮華経妙音菩薩品第二十四）「爾の時に釈迦牟尼佛、文殊師利に告げたまわく、是れ妙音菩薩摩訶薩、浄華宿王智佛の国より、八萬四千の菩薩の圍繞せると、而も此の娑婆世界に來至して、我を供養し親近し禮拝せんと欲し、亦法華経を供養し聴きたてまつらんと欲せるなり。」…ここでは省略しますが、前後の経文から推測して、「浄華宿王智佛の国」というのは、地球以外の他の星のことと思われます。地球には釈尊が常住不滅で、二人の佛が地球にいるとは思えませんので、浄華宿王智佛は他の星の佛と思います。
また、妙音菩薩が地球に行く時、浄華宿王智佛は妙音菩薩に対して、地球との国土の違いや体の大きさの違いがあるから、娑婆世界をバカにしてはいけないと次のように注意を与えています。この経文からも「浄華宿王智佛の国」というのは、地球以外の他の星のことと思います。
経文…「爾の時に浄華宿王智佛、妙音菩薩に告げたまわく、汝彼の国を軽しめて下劣の想を生ずることなかれ。善男子、彼の娑婆世界は高下不平にして、土石・諸山・穢悪充満せり。佛身卑小にして、諸の菩薩衆も其の形亦小なり。而るに汝が身は四萬二千由旬、我が身は六百八十萬由旬なり。汝が身は第一端正にして、百千萬の福あって光明殊妙なり。是の故に汝往いて、彼の国を軽しめて、若しは佛・菩薩及び国土に下劣の想を生ずることなかれ。」（妙法蓮華経妙音菩薩品第二十四）
浄華宿王智佛の国から、八萬四千の菩薩を伴って来た妙音菩薩は法華経を聞きたいというわけです。これは他の星の人も法華経の存在を知っているということで、法華経はあとからの創作ではありません。
（３）、法華経上の予言の４分の３がすでに成就している
さて、法華経上の予言と言えば、從地涌出品第十五の経文ですが、次に紹介しましょう。
「……。世尊、若し我等佛の滅後に於て此の娑婆世界に在って、勤加精進して是の経典を護持し読誦し書写し供養せんことを聴したまわば、當に此の土に於て廣く之を説きたてまつるべし。爾の時に佛、諸の菩薩摩訶薩衆に告げたまわく、止みね、善男子、汝等が此の経を護持せんことを須いじ。所以は何ん、我が娑婆世界に自ら六萬恒河沙等の菩薩摩訶薩あり。一一の菩薩に各六萬恒河沙の眷属あり。是の諸人等能く我が滅後に於て、護持し読誦し廣く此の経を説かん。…」
この経文の後に、
「……。是の菩薩衆の中に四導師あり。一を上行と名け、二を無邊行と名け、三を淨行と名け、四を安立行と名く。是の四菩薩其の衆中に於て最も爲れ上首唱導の師なり。…」とあり、この経文が、仏の滅後に四菩薩が出て法華経を広めるという予言の根拠になっているのです。
これは当時の釈尊の弟子たちが、釈尊の要請に応じて、仏の滅後に法華経を広める願いを提出した時、「その必要はない。この地球上には、もともと多くの菩薩達がおり、仏の滅後にはこの者達が法華経を説くだろう」と釈尊が言うと、忽然と見たこともない多くの菩薩達が現れてくるのです。この菩薩達の代表が上首唱導の師といわれる四大菩薩（上行、無辺行、浄行、安立行の各菩薩）です。
仏の滅後に法を弘める使命の上首唱導の師のうち、日蓮聖人は法華経上、その行跡から御自分が上行菩薩である事を自覚されたのです。
仏法が釈尊の予言どおりに回転し、日蓮聖人が上行菩薩のご再誕であることは定説になっていますが、それでは従地涌出品第十五における他の三菩薩（無辺行、浄行、安立行菩薩）はお出ましにならないのでしょうか？ もし上行菩薩の出現で終わるなら、法華経はウソだと言うことになります。
私たちの信仰では、無辺行菩薩は明治時代にご活躍なされ、先祖ぎょう養道の始祖であられる常不軽無学大士（西田無学）様です。
浄行菩薩は大御宝號（南無先祖
養道）の始祖であられる我等が大恩師、常不軽台学大士（菅原国明先生）様です。実はこの浄行菩薩様が我身如来を明らかにするお役目の方なのです。上首唱導の師の最後の安立行菩薩は、未来において、南無先祖
養道（仏説による父母孝養・師長恭敬）を実践して、安心立命の浄妙国土を建設していく方々を言います。その御出現を待望しています。上記の四菩薩のうち、上行、無辺行、浄行菩薩（末法万年の闇を御照らしたもう大御宝號…南無先祖
養道を天授開顕されている）はご出現されています。あとは安立行菩薩のご出現を待つばかりですが、こういう正確な予言は、釈尊でなければできるものではなく、後世の人間が予言できるものではありません。ご質問 104 ：法華経は釈尊の説いた経典ではなく、後世の人の創作ではありませんか？も合わせてお読みいただければ、納得していただけるものと思います。
お答え 132 ： 阿含経などには人間を礼拝しなさいということは書いていない…阿含経は初期の教えですから、書いていないのは当然です。高等な教えはまだ説かれていません。例えば、小学校の算数の教科書に、微分積分などが載っていないのと同じことです。載っていないから間違いだとは言えないでしょう。
例えばあなたが仏さまだとしたら、教えを説くのに、最初は優しい教えから、段々に高等な教えに入っていくでしょう。そして最後に結論中の結論を説くでしょう。
釈尊五時の説法に書いてある通り、阿含経はいわば、小学教育にあたります。それから中等、高等、大学教育と進みます。大学生に再度、小学教育をする必要はなく、大学教育の中に全て入っているわけです。仏法はひとつの流れで、結論はひとつです。（仏法は一乗にして二乗なく、各種宗派のあるべき理なし。…常不軽無学大士）
仏教は最初に「神仏礼拝」という方便を説いて、そして最終的に「人間礼拝」という真実の教えを説くのです。経文には「種種に法を説くこと方便力を以てす。四十餘年には未だ眞實を顯(あらわ)さず」(無量義経説法品第二)とあります。
それは時代背景から言っても、君主主権の時代に民衆が中心だ、民衆が主権者だといっても、民衆自体が信じないでしょう。その時代は「神仏礼拝」で救われるとした方がわかりやすかったのです。
ところが現代の民主主義の時代になれば、主権在民であたりまえなのです。だれでも納得するわけです。宗教だけが「神仏中心」から「人間中心」に移るのが遅れているのです。
昔は「神仏が自分の運命を決定する」という考え方でしたが、今は「自分が自分の運命を決定する」と言っても納得してもらえる時代なのです。
それは、「因果一実もしくは因果応報」、「自分自身が善と悪の両方の創造主」ということを考えてもらえばわかることです。
「わが生命の真のあり方」の絵図を見れば、父母を通して、宇宙の生命の総合体(神仏)につながっていることがわかります。ですから、人間礼拝がそのまま神仏礼拝になります。「仏説による父母孝養・師長恭敬」は人間礼拝の第一歩です。
人間こそ神仏の始まりですから、お互いがお互いを神仏として礼拝すれば、それがそのまま地上天国・神の国です。つまりそこには一切の争いがなくなります。ですから、人間礼拝は世界平和の根本なのです。（私たちの信仰の特徴の一つは「我身如来」ということです。）
また、イエスは「人間が神である」と説いています。参考のためにすこし長いですが、ベアード・T・スポールディング著『ヒマラヤ聖者の生活探究』（第三巻）から「イエスの説法」を紹介します。
イエスの説法次の回答もぜひお読みください。
人間が神の子であり、父なる神の有(も)ち給うものをすべて有つと宣(の)べ伝えるものが多くいる。確かにその通りである。しかし、実はそういう人々が、勇気を以て進一歩し、自分自身を神そのもの、神の一切の御徳と一つであると観じない限り、その教説は事実とはならないのである。そう観じて初めて真理を成就したことになるのである。まだ世俗の限定された考え方の中にある者が、内在のキリスト(神我)の現われを観ると、肉体よりももっと精妙な体が光を放っているし、又内在のキリスト(神我)を放射する者は視力が一層精妙、明晰となり、広範囲にわたるようになる。かかる人は、自分自身のより高級な体が、有限体よりも高い波長数で脈動するのが見えるし、有限体もまた見えるのである。
すると、彼はこの二つは別々の体であると思い、自分の肉体より離れた外側に見える方を別のキリストだと思う。しかし、この二つと見えるものも、自分がキリスト(神我・実相)そのものであると信じないが故の現象に過ぎない。かかる人は自らをキリスト(神人)なりと宣言し、且つそのことを既成の事実として受け取らなければならない。その瞬間、この二つは融合して一つとなり、真正なるキリスト(神我)となる。このとき初めてキリスト(神人)が堂々と立ち現われるのである。故に、彼をして一歩を進め、神のキリスト(神人)ここに在りと宣言せしめよ、その瞬間、彼は神のキリスト(神人)となったのである。今や神の子は父なる神と一体となり、父なる神の許に直行するのである。しかし尚、彼は更に一歩前進しなければならない。これは最大の前進であり、最大の決意を要する。何故なら、世俗的考え方や制限から来る一切の恐怖を消除してしまわなければならないからである。彼は前進しなければならない。神なる本源、父なる神に直行し、前例や迷信を恐れることなく、人間の造り上げた妄信を恐れることなく、吾れ神なり、神と完全に合一、融合せり、吾れ即ち神の愛、英智、悟性なり、髄質なり、本源にして最高原理なる力たる神の一切の御徳なりと知り、明確に宣言しなければならないのである。しかも全き謙虚を以て、それを自ら受け容(い)れなければならない。かかる人こそが、神を現成(げんじょう)するのである。かかる人を通じてこそ、神のあらゆる御徳が全世界に流れ出ずるのである。かかる人を通じてのみ、神は神自身を顕現しうるのである。かかる人にとっては、不可能なことは何一つもない。おのれ自身を神と合一させれば、何一つとして不可能なものはないのである。
父なる神の有ち給うものをすべて有つのみならず、自分自らが父なる神の御徳すべてでもある。自分が三位一体なのである。あなたたちは人間キリストであり、神のキリスト(神人)であり、神であり、三者すべて一体である。聖霊はあなた方と共にある。聖霊(ホゥリィ・スピリット)即ち創造を為す全我霊(ホゥル・アイ・スピリット、続ければホゥリィ・スピリットと発音される…訳者註)はあなた方と共にある。これを受け容れた時、あなたたちも他の人々も、イエスという個我の名前ではなく、キリストの聖名の力を讃美するであろう。いざ、天使たちも伏して拝せよ。王冠を捧げすべての主たるキリスト(神我)に戴冠せよ。イエスなる個我にあらず、キリスト(真我)にこそ戴冠せよ、あらゆる王冠の中でも、最も壮麗なるものこそキリスト(神我)に相応(ふさ)うのである。勝利に輝くキリスト(神我)の王冠に、大に過ぎ或は神聖に過ぎるものとてはないのである。何人なりとも欲するものは来るがよい。来りて勝利に輝くキリスト(神我)となるがよい。何人であれ、欲する者あらば来らしめるがよい。
あなたたちが『神』というとき、自分自身を神と見るがよい。自分が居るのは神が居ると見るのである。神が狂信者やホラ吹きや利己主義者である筈がない。故に神の肖像である神人、キリストもまたかかるものである筈がない。何はともあれ、あなたたちは神である。その故にまた神人である。『吾れは父にあり、父は吾れにあり』とは真実の言葉である。Ｉ ＡМ(『吾れ……なり』・神我)と吾が父なる神とは、穏和なることに於いても全能の偉大さに於いてもまた共に一体である。一人一人の人間全部と神とが結合すれば、もはやそれは全能である。神の全能そのものである。あなたたちのいわゆる悪しき思いの中より生じたものも、『悪しきこと』という思いそのものが無くなるが故に、それは栄光の中に昇華する。このような理想像を高く掲げれば今まで世俗の心象を抱いたものも、また聖なる心象を抱くようになるに違いないし、又抱くのである。
今この瞬間こそ、この外界の混乱より抜け出て神の大いなる平安と祝福の中に入り、神の光を身に纏(まつ)う、まさしく大いなる機会である。キリストの王冠をあなたたち自らの手を以て、みずからの頭に戴け。それは自ら戴冠する以外には、何人も戴冠することは出来ないのである。
登り来りて白く輝く大いなる玉座たる根源の一部となれ。かくの如くして、偉業を成就せる人々と一体となれ。否、神と一つとなるのみならず、神そのものとなれ、実際に神と成れ、その時あなたたちは全世界に神の属性を現わすことができるし、又事実、現わすのである。神のエネルギーが人間を通ぜずに顕現することがどうしてできよう。人間と同じ振動数で振動しうる有機体は、全地上を通じて人間の外にはないのである。故に、人間は極めて高度の組織体であるため、この至高のエネルギーを知覚し、発生し、変形する、これによって彼は全世界に対して神を表現し得るようになる。かくの如きことは、高度に有機化され完成された体を通じないで、如何してこれをなすことができよう。この体を完全に統御すれば、その時あなた方はこの体そのものとなっているのである。
かくの如き統御を為すことが即ち完全なる大師であり、救世主であり、又聖徒であることを証しする。聖三位一体のあらゆる属性の完全な主となって始めてこの体を統御し、これと完全に調和したことになるのである。
Ｉ ＡМ(『吾れ……なり』・神我)は人間・キリスト、神のキリストである…この三者を至高者、即ち神と結びつけた時、あなた方は神となったのである。
これがあなたたちなのである。これがヴィジョン(理想・霊的視野)を拡げ、只地上の経験を幾回となく繰り返すに留まる以上に高い、そしてより良き人生があるという真理を覚知しつつある今日の人間であり、全人類である。あなたたちが愛と尊敬と尊崇の心を以て最高の理念を掲げ、期待し、或は定め、それに合致しそれに従って、「正しく用いられた道」即ち正道を歩むにつれて、このことをあなた方は悟るようになる。
第一歩で、只の人間がキリスト人間、即ち神の一人子となる。第二歩で、キリスト人間を観ずることによって、神のキリスト(神我)となる。即ち、キリスト人間が神のキリストに接合されたのである。さらにまっすぐ根源にまで遡(さかのぼ)るためには、これらを一なる者即ち父なる神としなければならない。あなたたちは一応Ｉ ＡМ(神我)をキリスト人間とし、キリスト人間を神のキリスト即ち主たる神とした。次の一歩を以て神のキリストを永遠に生ける神に変容したのである。この二と見えるものが今や一者、即ち神となったのである。あなたたちは今や至高のエネルギー、即ち神、即ち一切の父となったのである。この『正しく用いるべき道』より逸脱しなければ、もはや不可能なものは何一つなくなったのである。このことについては、全世界が何と思おうと絶対に恐れることなく、この真理に忠実であるがよい。毅然として神と一体なる事と自己の本来の領分とを認める時、あなた方は永遠に実在して送るが如くに働き給う一切の至高原理である父と一体なのである。
以上の真理の光によって、聖書を正しく解釈して用いれば、聖書は人間の霊的発展と成就とを描いた大いなる譬喩ではなかろうか。(先程触れたゲッセマネの園で祈っているわたしの絵の中にある)天より射している一条の光は、実はわたしの体より外に発したものである。この光が天よりのものであるというのは一応正しい、何故ならば、天はわたしたち周囲すべてにありそれは光のヴァイブレーションであるから。しかし、天の本当の焦点、即ち天の始まるところは吾が体の中にこそなければならない。故にこの天の光は吾れより発するのでなければならぬ。わたしの実相(Ｉ ＡМ)がこの光の質料を内に迎え入れ、この光エネルギーをわたしが発生し形を変えて実相(Ｉ ＡМ)即ち神が欲する強さで放射するのでなければならない。その時この純光の力には、何ものも抵抗することはできない。これらが画家が描いたゲッセマネの園での私の体より発する光芒である。この光芒は天よりわたしに来たのではなく、わたしの体より発したものである。
そのように、あなたたちも又神の力を変え、抵抗しえざる力を以てそれを放射しうるのである。それは神の力である。それはあなたたちのまわりのすべてにあり、これを体内に入らしめ、体内で発生し且つ変形して、体内の反射機構より外に放射し得る神の力なのである。
これらのことはすべての人々が自らを神、聖なる遺産、神のキリスト、三者一体とする時、直ちに成就されるのである。これこそ全人類にとっての神聖且つ決定的目標である。人類がこの大いなる癒しの光に近づけば近づく程、不調は早く消え去るであろう。
あなたたちが全世界の光であるこの光のヴァイヴレーションの中に無凝自在となってに住み、すべての人々もこれに近づくならば、それだけあなたたちは人間の本地に近づいたことになるのである。かくして実相(Ｉ ＡМ)こそが全世界の光であることを知る。観よ、神を。饗宴はすでに整えり。神のこの力強きもの、この実相(Ｉ ＡМ)を掲げよ。この身体を神にまで掲げよ、然らばあなたたちもすべてのものも王冠を戴き、『一切の主』となるであろう。
あなたたちは自分の頭(こうべ)に自分で王冠を載せるのであって、何人もあなたに代って載せることはできないのである。
ご質問 73 ：宗教における「地動説」
ご質問 24 ：信仰綱領の(1)の「久遠本仏・我身如来」というのはどういう意味ですか？
ご質問 25 ：人間礼拝という言葉がよく出てきますが、具体的にはどういうことですか？
ご質問 95 ：事人事佛とはどういう意味ですか？…
ご質問 100 ：○○○○（○○○真理教）の虚偽について…
ご質問 118 ：お答え 48 ：「常不軽無学大士は日蓮聖人の生まれ変わり…」で、「無学大士は日蓮聖人のご再誕」ということはよくわかりました。それでは日蓮聖人を信じる人はどう信仰すればよいのですか？ 日蓮聖人の真意は？ …
ご質問 119 ：オウム真理教（現アーレフ）信者からの質問(1)…仏典では子供を作ることは動物に生まれ変わる要因となると記してありますが …
『イエスの説法』を読むと、現在のキリスト教は別にして、本当のキリスト教は、「人間が神である」ということに関して、私たちは「我身如来」と言っていますが、仏法と一致することがわかります。ですから、人間礼拝はそのまま神仏礼拝となるわけです。
おそらく、イエスのご在世当時は、「人間が神である」という教えが当時の人々に受け入れられず、そのために十字架にかけられたのだと思います。そして、本当のイエスの教えは捻じ曲げられたのでしょう。仏教では妙法蓮華経常不軽菩薩品第二十に、人間を礼拝して作佛したという常不軽菩薩（過去世の釈尊）は、次の経文のように、「汝等皆菩薩の道を行じて、當に作佛することを得べし」と説いて、やはり当時の人々から迫害を受けたのです。
『妙法蓮華経常不輕菩薩品第二十』 （平樂寺書店版『訓譯妙法蓮華経並開結』を参照）
「……。爾の時に一りの菩薩比丘あり、常不軽と名く。得大勢、何の因縁を以てか常不軽と名くる。是の比丘凡そ見る所ある若しは比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷を皆悉く禮拝讃歎して、是の言を作さく、我深く汝等を敬う、敢て軽慢せず。所以は何ん、汝等皆菩薩の道を行じて、當に作佛することを得べしと。而も是の比丘、專らに経典を読誦せずして、但禮拝を行ず。乃至遠く四衆を見ても、亦復故らに往いて禮拝讃歎して、是の言を作さく、我敢て汝等を軽しめず、汝等皆當に作佛すべきが故にと。四衆の中に瞋恚を生じて心不淨なる者あり。悪口罵詈して言わく、是の無智の比丘、何れの所より來って、自ら我汝を軽しめずと言って、我等がために當に作佛することを得べしと授記する。我等是の如き虚妄の授記を用いずと。此の如く多年を経歴して、常に罵詈せらるれども瞋恚を生ぜずして、常に是の言を作す、汝當に作佛すべしと。是の語を説く時、衆人或は杖木・瓦石を以て之を打擲すれば、避け走り遠く住して、猶お高聲に唱えて言わく、我敢て汝等を軽しめず、汝等皆當に作佛すべしと。……」
日蓮聖人はその著『諸法実相鈔』の中で、「本佛というは凡夫なり」という内容を述べています。また、大橋信史著『サイババ 神の降臨』には、次のように出ています。
「最後に出現するプレマ・サイババは人間が内在の神をいだくのみならず、人間という存在が神であることを説きます。そして、どの人間も神であると教えるのです。それは人類最高の英知であり、その教えは全ての人間を神の境地に高めます」
この『プレマ・サイババ』というのは、現在のインドの聖者、サティア・サイババは94才前後に亡くなって、その8年後に再誕する時の名前です。
いずれにしても、「人間が神である」という教えは未来の教えなのです。今すぐには世の中に受け入れられなくても、必ずそういう時代が来ますから、「我身如来」の教えを堅持することが必要です。
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